第三十九話
第三十九話 星の魔法
先生の魔法は星の魔法だった。それは。
「うわ・・・・・・」
「凄い・・・・・・」
六人はまずは我が目を疑った。そこにあるのはメリーゴーランドに舞う星達だったのだ。まばゆいばかりの光が華やかさを映し出していたのだ。
「これが先生の魔法ですか」
「お星様の」
「お星様は一つでは輝かないのですよ」
先生は六人ににこりと笑って述べる。
「一つでは?」
「そうです」
華奈子に対して述べる。
「華奈子さんは火ですね」
「はい」
先生の言葉に頷く。彼女の得意な魔法は当然ながら知っている。
「そうですけれど」
「お星様は火だけではできないのです」
「火だけじゃ」
「水も必要です」
春奈に顔を向けての言葉だった。
「お水も」
「光も風も」
赤音と美樹も見る。そうして。
「土もです」
「土も」
梨花もまた。最後に見たのは。
「音もですよ」
「私達のもの全てを」
「そうなのです。全てが合わされば」
「合わされば?」
「外に何があろうと問題ではなくなるのです」
メリーゴーランドの中で六人に語る。幻想的なメリーゴーランドがさらに現実離れしたものになる。それはまるで夢幻の世界のようであった。
「どんな護りも」
「あっ、じゃあ」
華奈子も他の五人もようやく気付いた。それは顔に出ていた。
「あの博士にも」
「はい。対抗できますよ」
にこりと笑って述べる。六人に自信を与えるかのように。
「絶対に」
「じゃあさ」
赤音は先生の今の言葉に喜びの声をあげた。
「そうね。前みたいなことは」
「ええ。これであの博士にも」
「ただ」
美樹と美奈子も声をあげたところで先生はまた言った。
「ただ?」
「一つでは駄目です」
それが先生の言葉だった。にこやかだがしっかりとした声だった。その声は六人の心の奥底にまで静かに染み渡るものであった。
第三十九話 完
2007・8・29
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