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第三十七話
               第三十七話  メリーゴーランド
 六人と先生が最初にやって来たのはメリーゴーランドだった。まずはオーソドックスなメリーゴーランドであった。
「とりあえずさ」
 華奈子が五人に声をかける。
「最初はここでね」
「ええ」
 五人は華奈子のその言葉に頷く。しかしここで先生が言うのだった。
「普通に回ってもあれですね」
「先生」
「それだけでは面白くないような気がしませんか?」
「言われてみれば」
 何となく先生の言葉に応える。
「そうかも」
「けれど先生」
 美奈子がその先生に尋ねる。
「それはいいですけれど。どうやるんですか?」
「やっぱりここはあれです」
 先生は美奈子ににこりと笑って答える。
「あれ?」
「そうです、魔法です」
 そういうことであった。やはり先生は魔女であった。だからここで考えるのもそれであった。
「それを使って楽しくしませんか?」
「けれど先生」
 しかし華奈子が首を傾げて先生に言ってきた。
「あたし達の魔法じゃかえって危ないかも」
「そうよね」
 美奈子が双子の言葉に頷く。
「火とかそういうのは。下手をすると」
「大丈夫です」
 だが先生の顔はいつもと変わらないにこやかなものであった。その顔で六人に言うのだ。
「先生が魔法を使います」
「先生が!?」
「はい」
 驚く六人にまた答える。
「ですから。御安心下さい」
「先生がですか」
 実は六人は先生の魔法を見たことがあまりないのだ。噂では凄いと聞いていても。
「そうです。では皆さん」
「は、はい」
 また先生に応える。
「早くメリーゴーランドへ」
「わかりました」
「それじゃあ」
 六人はそのままメリーゴーランドに向かう。ところが。
「えっ」
「まさか」
「はい」
 何と先生もだ。にこやかに機械の馬に乗っている。
「それでは。いいですね」
 その笑みのまま魔法を使いはじめる。するとめくるめく魔法の世界が拡がった。


第三十七話   完


                  2007・5・23
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