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第二百九十九話
           第二百九十九話  お茶を飲んでいる間にも 
 先生達が華奈子達にもお茶を振舞っているその間にもだった。博士は生首と身体を日本中に放って大騒ぎを引き起こしていた。そしてそれだけではなかった。
「またですか」
「そうじゃ。またじゃ」
 小田切君に胸を張って返す。
「その通りじゃ」
「生首と身体を調達ですか」
「広島の方にあれを出張させてじゃ」
「クビゲル○をですね」
「それで暴走族を三百人ばかりじゃ」
 殺したというのである。
「どれも人相の悪い連中の断末魔の顔じゃ。よいものじゃぞ」
「そしてその生首をですね」
「飛ばす。身体は徘徊させる」
 無駄なく使うというわけである。
「この世のダニ共をあえてわしの役に立たさせる。いいことじゃな」
「いいことですか?」
「ゴミがわしの様な偉大な天才の研究や発明の役に立てるのじゃぞ?」
 実に平然とした言葉である。
「それで何でよいことでないのじゃ」
「人権とかは?」
「人権?何じゃそれは」
 小田切君の問いに真面目な顔で返す。
「聞いたことがないぞ。何処の国の言葉じゃ?」
「何回も話してません?」
「知らんな。わしはそんな言葉は知らん」
 こう言うのだった。
「人権などという言葉はな」
「じゃあ暴走族を殺しても平気ですね」
「全く平気じゃ」
 いつもの博士である。
「何ということはない」
「よくわかりました」
「うむ。では引き続き留守番を頼むぞ」
 小田切君の今の仕事である。
「トレーニングルームを使っていいし風呂も自由じゃ」
「サウナもですよね」
「どれも使っていい。くつろいでくれ」
「わかりました」
「研究所にいてくれるだけでいいからのう」
 それで月給は手取り四十万である。そうした面だけを見ればこんなに割りのいい仕事はないと言えた。問題は勤務先とその責任者であるが。
「そういうことじゃ」
「ええ、じゃあまたそうさせてもらいますので」
「自分とタロやライゾウの御飯は忘れんようにな」
「博士はどうするんですか?」
 小田切君は博士のことも尋ねた。
「それは」
 ここでまた一つ博士の発明品が出るのであった。とにかく天才であることは間違いないのでそれが実に厄介な博士なのであった。


第二百九十九話   完


                 2010・6・23
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