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第二百八十九話
                  第二百八十九話  舞首
 かくして大量の生首をだ。博士は街に放った。
「さて、どうなるかじゃ」
「大騒ぎになるに決まってるじゃないですか」
 すぐに答える小田切君だった。
「生首が空を漂ってたら」
「それだけじゃないしな」
「だよね」
 小田切君だけでなくライゾウとタロもここで言う。
「身体もあるからな」
「首のない身体がね」
「両方を動かすんですよね」
 小田切君もここで問うた。
「やっぱり」
「無論じゃ。どちらも動かさなくては面白くないじゃろ」
 博士の返答はいつも通りへ依然としたものだった。
「そうじゃろ」
「どっちでも大騒動だよな」
「そうだよね」
 ライゾウとタロが顔を見合わせて話をする。
「首でも身体でもな」
「どっちでもね」
「さて、では最高の大騒動を起こしてやろう」
 完全にそれがメインだった。今回は愉快犯に徹している博士であった。
「日本中をな」
「そのうち日本政府も切れますよ」
「今の日本政府なぞ怖くとも何ともないわ」
 少なくとも今の日本政府では相手にならないというのである。
「大したことはない」
「昔の日本軍がいた政府とはですか」
「明治政府とは何度も大立ち回りをしたわ」
 その時の姿が絵に残っていたりする。白衣の博士が警官や軍人達と戦い見得のポーズをしている浮世絵さながらの絵がである。
「面白かったのう。それに対して今の日本政府はじゃ」
「何だっていうんですか?」
「腑抜けじゃ。あんなのでは駄目じゃ」
 こう言うのであった。
「何が平和憲法じゃ。非武装じゃ」
「自衛隊は?」
「警察は?」
「今の警察は怖くない」
 博士は腕を組んでライゾウとタロに述べた。
「それに自衛隊なんぞ。金をかけているだけで気合も根性も敢闘精神も何もないではないか」
「完全にカスなんだな」
「つまりは」
「そうじゃ。あの時の日本軍のようになればじゃ」
 またライゾウとタロに告げる。
「面白いのじゃがのう」
 こう言ってであった。生首と首なしの身体を一斉に日本中に放ったのだった。 
 そのうえでだ。博士は言う。
「昔の日本軍ならこの程度すぐに解決じゃったぞ」
「つまり自衛隊への嫌がらせなんですね」
「全く。あれで日本軍の代わりが務まるものか」
 こう言ってであった。今回も博士は騒動を起こすのであった。


第二百八十九話   完


               2010・5・17
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