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第二十五話
                  第二十五話  アキレス腱
 六人は動きを合わせる。そうしてエンペライザーのある場所を狙っていた。
「あれ、博士」
 最初にそれに気付いたのは小田切君であった。
「彼女達何かしようとしていますよ」
「何をじゃ?」
 気付けば博士は昼食を摂っていた。わざわざイタリア料理店からスパゲティやピザとワインを頼んでテーブルに座って食べている。
「何処から出したんですか?それ」
「異次元ポケットから出した」
 博士は平気な顔でそう答える。
「大したことはない。ついでに言えば食べ物を自由に出せるテーブルかけとかも発明はしておるぞ」
「そんなものまでですか」
「うむ、じゃがここの店のものがかなり美味くてな」
 食べながら述べる。見ればイカ墨のスパゲティである。
「それで特別に頼んだのじゃ」
「そうだったんですか」
「どうじゃ?君も」
 小田切君にも勧めてきた。
「一緒に」
「一緒にですか」
「遠慮はいらんぞ。何ならすぐに頼むしな」
 決して吝嗇な博士ではない。実際に小田切君への給料はかなりのものである。それに騙されて就職したのが彼の運の尽きでもあるが。月に手取り五十万、特別ボーナスありという破格の条件である。もっとも金の入所はヤクザ屋さんよりも余程やばいのであるが。
「いえ、私はそのテーブルかけを」
 小田切君はそう述べてきた。
「それでいいですか?」
「うむ、それではほれ」
 博士はタキシードのポケットからそのテーブルかけを出してきた。
「使うがよいぞ。何でも出せる」
「何でもですか」
「うむ、あの娘御達も呼ぶがいい」
 必死にエンペライザーと戦う華奈子達に顔を向けて言う。
「腹が減っては戦ができぬであろう」
「いいんですか?」
 テーブルかけを一緒に出してらってテーブルの上に置いて問う。
「戦ってるのに」
「何、構わん」
 優雅にワインを飲みながらそれに応える。
「わしの勝利は確実じゃからな。今更何をしたところで」
「そうですか。ねえ君達」
 小田切君が六人に声をかける。
「一緒に食べないかな」
「えっ!?」
 流石にこの言葉には目を丸くさせる。
「今何て!?」
「一緒にって」
「だから一緒に昼食でもどうかな」
 話は大きく変わった。こうしてとんでもない方向へと向かうことになるのであった。全くもってこの博士の頭の中だけは予測がつかない。


第二十五話   完


                 2007・4・10


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