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第百八十九話
第百八十九話  滝を降りる
 滝を降りていくボート。その中で華奈子は言うのだった。
「これってやっぱり凄いわよね」
「凄いってものじゃないわよ」
「ねえ」
 彼女の言葉に赤音と梨花が続く。
「美樹ちゃんこんな魔法使えるなんて」
「何時の間に」
「それは私だって言いたいわよ」
 しかし美樹は二人にこう返すのだった。
「美奈子ちゃんからお話聞いたけれど」
「ええ」
「それで?」
「四人共何よ。召喚魔法とかソナーみたいなのとか探索に使えるのとか覚えてるじゃない」
「普通よね」
「ねえ」
 しかし華奈子と赤音は平気な顔で言うのだった。
「それ位ねえ」
「普通よ」
「私だって音を出すのは」
 美奈子もまた言うのだった。
「これ。ただの応用だし」
「応用できるのが凄いのよ」
 美樹の言いたいことはそれであった。
「それよ。それができるのがよ」
「凄いの?」
「凄いわよ」
 そしてまた言う。
「私のより絶対に凄いわよ」
「そうかなあ」
 華奈子はそう言われても実感が湧かないのだった。
「あたしにしろこれ位普通でしょ。火の玉出して」
 実際にここで火の玉を幾つか出してみせる。
「自由に動かすのって」
「それ前にできた?」
「いいえ」
 それは否定するのだった。
「それは無理だったわ」
「それができるようになったのが凄いのよ。皆攻撃魔法だけじゃなくなってきたから」
「魔法は千変万化」
 美奈子の言葉だ。
「そういうことね」
「そう、それ」
 美樹が言いたいこともそれであった。
「それができるようになったって。何か私も負けていられないわ」
「それはあたしの台詞」
 しかしここでまた華奈子が言う。
「美樹ちゃんにも負けていられないわね」
「望むところよ」
 そして美樹は今の華奈子の言葉に微笑んで返すのだった。
「私も。負けないからね」
「競争ね」
 仲間うちでの切磋琢磨であった。彼女達もいい意味でライバルになってきているのだった。


第百八十九話   完


                  2009・5・5
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