5:私はLです
とうとうライトが家の中から出てきた。彼の手にはゴミ袋がぶら下がっている。
「今日はゴミの日ですのね…」
梨依はより自分の存在が外へ見えないよう、身を隠している電柱に体を沿わせた。
ライトがゴミ出しを終えると、梨依は“普通”を装い、ライトの前に姿を自然に現した。
Lと名乗るその数瞬の前までは、ただの通行人と思われるように。その為今日の梨依の服は、“一般的な女の子”の格好だ。
「あの」
ライトと交差したその一瞬、梨依はライトに声をかけ、
「私はLです」
なっ…!?コイツ突然何を…!?Lだって…!?
エ、Lが僕に“L”と言うハズがない…!
「…何を言っているんですか?」
「いえ、過去に警察に助言し、賞まで貰っている夜神くんに、キラ捜査を一緒にやってもらいたいと思いまして。趣味で推理もしていらっっしゃるようですし…
あ、そのことは、申し訳ながら月くんにFBIを張りつけていたときに知ったんです」
!!…FBIを僕につけさせていた…!?
いくら馬鹿でも、そんなことを無責任に言う奴はいない…。
それに、FBIが僕についていたと知っているのは、あのバスジャックに使ったバスに同乗していた者の中の、それも極少数…!
コイツは間違いなくL…!いや、もしくはLの手の者…!
ライトはそう感じ、その相手、梨依を、一瞬だけ凝視し、中指を少し震わせてしまった。
ダメだ、動揺するな…。コイツがもし本当にLなら、
間違いなく、僕が動揺していないか観察している…。
しかし…Lが女で、こんなにも幼いとは思わなかった…。いや…まだLとは決まったわけではないが…だがもし、リンド=L=テイラーの時の様に、Lが僕に、Lの替え玉をここで使って来ているとして…こんな小さな女の子で、代役が務まるのか…?とてもそうは思えないが…。…それを逆手に取り、僕がそう思うことが狙いなのか…?
…今は何も考えるな…今はこいつの言う通り、警察に助言をし解決に導いた高校生、ライトとして、振舞うことに集中するんだ…。
「今から登校と言うのに、このようなこと突然に言ってすいません」
「いえ、もしあなたがLなら、僕の尊敬している、憧れの人です。会えて光栄です」
「どうも」
二人は手を差し出し、手を握り合った。
「ですが私は、夜神くんがキラでないかとも疑っているんです」
「僕がキラ?はは、だから僕に急接近したとでも言うんですか?」
「はい」
コイツがもしLでなくても、Lの手のもの…。僕がFBIの偽証明手帳を見たことは、FBIの手帳が偽者だったことから、もう既にバレているだろう…。とすれば僕がキラと言う推測は、コイツの中で完全に立っている…。
「なので、これから私は毎日、学校の敷地内外では、夜神くんに張り付きます。許可して頂けますね?」
…。…ここでコイツの言うことを蹴るのは簡単だが、既に策はある…。かえって好都合だ。
「僕自身が少し困ることもあるでしょうけど…キラ捜査を手伝って行くにも、こうしてあなたがそばにいてくれると頼もしいです。こちらからお願いしたいくらいですよ」
「決まりですね…では学校に行きましょう。遅れてしまいますよ?」
「そうですね…。少しまずいかも」
二人はゆっくりと歩を学校に向け、歩き出す。
L…お前を利用し、僕がキラでないと判断せざるを得なくした後、新世界の神に逆らおうとした罰で…
…お前は裁かれる…。 |