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不在家族
作:いち


何故急にこんな事を思い出したのかと問われれば、たわいもない理由だ。
今迄私の右隣はずっと空席であったし、長方形をした食卓の上には母と父それから二つ上の兄の分の椅子が置かれている。
家は、両親の使う二階の和室。その隣にある私の部屋に向かいに位置する兄の部屋。それから一階はリビングとキッチンが連なっており、奥にはこじんまりとした客間があるだけだ。
他の誰の分の隙間もない一般的な家庭。
話しは戻るが例えば、我が家には不思議な風習があるのだ。
食卓につくさいには確かに4つの椅子が並べられているのだが、一つの隙間をあける。私の右隣は空席で兄は簡単に言うなら上座に追いやられる。もっとも我が家に上座やら下座やらの風習を重んじる家ではない。
他人が見れば不思議な食卓かもしれないが。私の家ではこれが常だった。勿論食卓がリビングのテーブルから和室の火燵に移ったとてこのフォーメーションが崩れた事は一度足りともない。兄にとっても私にとっても両親にとってもそれはごく普通な事だった。
そして私の部屋の寝具は二段ベッドを下から半分を切り放したものだった。上にあった寝具は何処にあるのだろうか、兄の部屋をそれとなくのぞき見してみても、兄の部屋には万年床である、布団が部屋の一角を閉めていた。そして兄の部屋には勉強机が二つ並べられている。
一つはパソコンが置かれ教科書や参考書が散乱と置かれている。ペンやらルーズリーフの切れ端が所せましと敷き詰められていた。
しかしもう一つの机は、まったく同じ作りであるものの所有物は少なく緑色のペン立てに12種類の色鉛筆と赤と青のマジックが並んでいるだけだった。
私は確かに感じてしまったのだ。有る筈の気配の存在を
16年間と3ヶ月見た事の無い家族の存在を・・・。


読んでいただき有難うございました・∀・一応終わりです。













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