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  魔と人との物語 作者:黒山 仁
第三十八話:過去と決意
エリスが泣き止むのには、二時間程の時間がかかった。

「じゃあ、エリスも泣き止んだ事だし。ミズキ、今まで何をしてた聞こうか?」

マチルダが瑞希に向かって言った。

「そうですね、話しましょう。取り敢えず二回の一番奥の部屋まで行ってきてください」

瑞希は、マチルダ達にそう言い自分は、酒場に居る人達に指示を出していた。

「取り敢えず今日俺は、何も言わないから。さっきみたいに騒ぎ過ぎるなよ俺の客人が来ているからな。後は、好きにしていろ」

瑞希は、そう言いマチルダ達三人の所に行った。
瑞希達四人は、何も喋らないで一番奥の部屋に着いた。

「取り敢えず適当に座って」

瑞希は、三人にそう言い椅子に座った。三人も近くの椅子に座り瑞希は、話し出した。

「何から話そうかな?まぁ、エリス達三人と別れた後の話からしようか」

そう言い瑞希は、エリス達が館を逃げた後の話をし始めた。




【三十分後】
瑞希は、あの日の事を全て話した。

「そうか、ブラットが死んだか」

マチルダは、そう言い。龍也は、俯いたまま黙り込み。エリスは、また泣き始めた。
部屋に重い空気が流れているとドアが開いた。
エリス、マチルダ、龍也三人は、ドアの方を見た。部屋に入って来たのは、一人は、黒い服を着た女性で髪と肌が雪の様に真っ白だった。もう一人は、白い服を着た女性で肌は、浅黒く髪は、漆黒の様に黒い人だった。

「ミズキ誰だ?その二人は?」

そう言いマチルダは、二人の事を指をさしながら言った。

「あぁ、その二人。マチルダさんも知っていますよ。ユキとヤミです」

「はぁ!ユキとヤミって、あのよくお前の頭に乗かっていた!」

「そうそう、その二人です。ビックリしたでしょう」

瑞希は、少し楽しそうにしながらマチルダや龍也、エリスが驚いていた顔を見て昔に戻った感じに、懐かしい思いになった。

「久し振りです。こんな姿になっていてビックリしたでしょう」

ヤミがそう言った。

「ヤミ。いきなりドラゴンから人になっていたら誰だってビックリする」

とユキがヤミに言っていた。

「そろそろ続きを話したいから二人も適当に座れ」

瑞希に言われユキとヤミは、瑞希の両隣に座った。それを見た瑞希は、苦笑いになりながら話し出した。



【三年前】
公爵家館の襲撃があってから一ヶ月と十三日瑞希は、寝たっきりな状態が続いた。次の日の朝瑞希は、目を覚ました。

「ミズキさん!おい!皆、ミズキさんが目を覚ましたぞ」

瑞希の直ぐ近くに居た男が部屋に居る人達に声をかけた。すると部屋で寝ていた者や外に居た人が瑞希が寝ている所まで駆けつけた。

「ん、んん〜。・・・・・・・・・此所、何処?」

瑞希は、部屋の中を見回した。
部屋は、木で出来ていてあまりいい造りとは、言えなかった。部屋の中には、何人もの男女がおり全員瑞希の周りに来て瑞希を心配そうな顔で見ていた。

「ミズキさん。俺の事解ります」

最初に瑞希が起きた事に気ずき他の皆を呼んだ男が瑞希に話し掛けた。瑞希は、見たことが有ると思い脳内の記憶に当てはまる人物を探した。適合する人物は、直ぐに見付かった。それは、ハルキ・パーパシーだった。
その他にも知っている人物が居た。アリス・グラスとその双子の姉のテセリナ。アスコ・クルーパーとカマカヤ・サーストル他もちらほら見たことがある人が沢山、瑞希の周りに居た。

「あぁ、君達か。所で此所は、何処だ?」

瑞希は、冴えない頭で考えた。

「此所は、ルノーノーツから南東に進んで十日程の距離にある森の中の山小屋です。あの襲撃からもう一ヶ月以上たちました」

「・・・襲撃・・・」

瑞希は、呟いた。
(そうだ。あの夜に・・・ブラットさん)と思った。

「ハルキだったけ。どれだけ生き残ったんだ」

「あの時逃げた奴等は、今、此所に居る全員です。人数は、二十七人です。他の隊の隊長や副隊長、指揮がとれる人は、皆死んじゃって取り敢えず此所まで逃げてきたです。敵も俺等が生きているのに気ずいていて追っ手が来るのも時間の問題で・・・・・ミズキさんの力が必要なんです。どうか俺達を助けてください」

そう言いハルキは、瑞希に頭を下げた。すると周りに居る人々は、頭を下げ始めた。
瑞希は、皆を見回しそして口を開いた。

「一つ聞きたい事があるエリスは、エリスは、生きているのか?」

「エリスお嬢様が生きているかは、分かりません。館が跡形もなく吹き飛んでいて生死を確かめる事が出来ませんでした」

「・・・そうか・・・」

瑞希は、そう呟いた。そして顔を上げ皆を見回しハッキリ宣言した。

「よし!分かった。僕、いや。俺がお前達の上に立ってふりかかる火の粉を打ち払おう」

瑞希は、皆の前で宣言した。

「ほ、本当ですか!?ミズキさん!」

「あぁ」

「やったーー。これで希望が見えてきたー」

ハルキを中心にかなり喜んでいた。
瑞希は、そんな様子を眺めているいるといつの間にかユキとヤミが擦り寄ってきていた。そんな二体を瑞希は、優しく頭を撫でてやった。



【夜中】
瑞希達二十八人は、静かに夜の森を東に進んでいた。
瑞希達は、取り敢えず東の小国が乱立している人族国家と魔族国家が境の一国家に逃げる事にした。
敵が追い掛けて来ている可能性が有る為、闇夜に混じって目的地を目指していた。瑞希達の進行は、取り敢えず基本は、夜の闇に紛れて進み、昼は、食糧や仮眠、資金調達などをして進み続けた。



【東の魔族国家バルハラン】
一ヶ月で東の諸国群の一つバルハランに着いた。その頃には、ユキとヤミは、急成長していて十代後半位の魔人の姿になれるようになっていたがその間、瑞希は、魔力不足による疲労に悩まされた。
この一ヶ月かなりのハイペースで進んだ為、皆には、疲労の色が見てとれた。
瑞希は、疲れている皆を労い宿をとって休む事にした。この国で過ごしていくため瑞希とハルキ、他数人は、部屋で今後の事を話し合っていた。



【翌日】
瑞希達は、傭兵ギルドに来ていた。瑞希達二十八人は、全員で登録に来ていた。

「取り敢えず此方に全員の名前と傭兵団団名を記入して下さい」

受付嬢は、そう言いながら紙を瑞希に渡した。
瑞希達は、紙を貰って集まった。

「取り敢えず名前を書いけ」

瑞希は、そう言い皆は、名前を書き始めた。
全員の名前が書き終わった後、自分達の傭兵団の団名を何にするか考えていた。

「書き終わったな。団名どうする?」

「どうするって言われても」

瑞希達は、考えていた。

「クリムゾン」

瑞希が呟いた。

「クリムゾン?なんですか?」

「昔に読んだ本に〈クリムゾン〉って言う騎士団が出てきたんだ。その騎士団は、国や家族、仲間を救う為に無理難題な任務をこなし最終的には、国の為に死んでいったんだ。その騎士団の名前」

「最後死ぬのは、嫌だけど無理難題な任務をこなす程強かったってところは、いいと思う」

「そうだな、他にいいやつ無いしな」

皆、賛成の意を唱えそして記入欄に書いた。

〈クリムゾン〉

と。
その日、アビアル第三大陸に名を響かせた傭兵団が設立された。





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