第十八話:防衛戦一日目
「魔獣が来たぞーーーーーー!!」
見張り台の者が叫んだそれが合図のように皆、武器を持った。皆の目は、迷いが無い者と迷っている者、今にも逃げ出しそうな者等様々だった。
それを見たブラットは、声を張り上げ言った。
「はっきり言って今から戦う敵に勝てるかわ解らん勝ったとしてもこの中から沢山の仲間が死んで逝くだろう、最後まで愛する者達を守れず死んでいく者達もこれから沢山でる。戦いが始まって魔獣が恐くて怯む奴もいるだが決して『怯むな』とは言わん『逃げるな』とも言わんだがこの事だけは、心に刻んでおけ・・・・・明日の未来とこの街の人々の未来は、俺達にかかっていることを!」
すると皆が武器を掲げて
「「「「「「オォォォォォォォーーーーー」」」」」」
と叫んだ皆の目には、迷いは、無くなっていた。
それを近くで聴いていたマルチダは、ブラットに皆に聞こえない様に話し掛けた。
「茶番だな」
「そうでもないさ迷いが有れば死ぬ確率が上がる。今の演説で皆の迷いが消え士気が上がったから良いんだよ」
「そうか?そう言うもんか」
「そう言うもんだ、そう言えば上の部隊の配置と指揮は、誰がやってるんだ?」
「ミズキに任せた、俺が遣るより適任だ」
「そうなのか」
またも見張り台の者から声が響いた。
「魔獣、接近中!まもなく此所に到着します!」
それを聞いたブラットは、マルチダに早く持ち場に着くよう言って自分も地上部隊の指揮を始めた。
【城壁上部】
マルチダは、ブラットに言われ持ち場に着いていた。隣には、瑞希がいる。
「もうすぐだな」
マルチダが独り言のように瑞希に話し掛けた。瑞希は、ただ普通な感じに返した。
「そうですね、僕達が頑張って殺らないと後ろの人々が死んでしまいますから張り切ってやり遂げましょう」
「あぁ、さっさと終わらせて酒が飲みたい」
「そう言わず、勝ったら美味しい勝利酒ですよ」
「どのみちさっさと終わらせなきゃならんな、勝利の美酒の為にな・・・・・・オレが手前やるからミズキは、奥な」
「マジですか?」
「マジだ、精霊魔術と一緒に使えよ」
「分かりました」
瑞希は、項垂れながら返事をして魔獣が来る前に魔術の準備をしだした。
《我は、汝の力を借りる者、我は、汝との契りを交わした者である、汝今ここ現れ我に力を貸し、我の願いを聞き入れたまえ雷を操り豪傑なる者よ、水を操り知識なる者》
瑞希は、二体の精霊を呼び出した。精霊は、水の精霊と雷の精霊だった。
《我は、汝の力を借りる者、我は、汝の隣人で汝と共に歩む友である、汝今ここ現れ我に力を貸し、我の願いを聞き入れたまえ火を操り破主たる者、風を操り誇り高き者》
マルチダも呼び出した。精霊の数は、こちらも二体で火の精霊と風の精霊を呼び出していた。
周りの魔術に詳しく無いギルドハンター達は、特に魔術師達は、驚愕していた。
まだマルチダなら二体同時召喚が出来ても可笑しくは、無いだってマルチダは、特A級のモンスターをブラットたった二人で足止めをしたのは、この街周辺のギルドハンターなら皆が知っている英雄談的な物なのだそんな大魔術師に近いマルチダと肩を並べ大量の魔力や技術力がいる精霊召喚を一体でも一国の宮廷魔術師になれるのにそれを同時に二体召喚する少年に驚愕してしまった。
皆が驚愕している間も魔獣やモンスターなど関係無しに向かって来る。段々近ずいてくる魔獣達の咆哮に意識を戻したハンター達は、急いで気を引き締め直した。
魔獣達が後少しで着くというところで瑞希が魔術を行使した。
《雷の槍よ、千の刃となり雷の雨を降らせ、千雷槍雨》
瑞希がそう唱えると精霊で強化されたどう見ても千以上ある雷の槍の雨が飛行型魔獣達に降り注いだ。
飛行型魔獣は、今の魔術でかなりを落としたがまだまだ空に沢山の魔獣が飛んでいる。
瑞希の雷の矢が当たらなかった飛行型魔獣達が一気に近ずいて来る後少しで城壁にたどり着くというところで
《猛狂う風、灼熱の業火、敵を阻む壁となれ 業火風壁》
マルチダそう唱えたら空高くそびえ立つ炎の壁が迫って来た魔獣を一掃した。
半分程の魔獣は、此所が危険と思ったのか感じたの知らないが別の方へ行った。
それを見た地上部隊は、半分近く居なくなった魔獣達の群に向かって突撃して行った。それを確認した瑞希は、弓兵と魔術師に地上部隊の援護をするように指示した。
【日が傾きだした頃】
ようやく瑞希とマルチダの地上部隊に配慮が無い魔術の雨で東側の飛行型魔獣は、一掃したが地上にいる魔獣達は、数が減っていないように見える。日も暮れ出したのでブラットは、撤退をし始めた。
ブラット達が城壁門を潜り終わると瑞希が魔術で土の城壁をもう一枚作った。地上部隊は、いきなり出来た城壁に戸惑ったが先ずは、城壁とさっき出来きた城壁の間の魔獣をかたずけた。
日も完全に落ち月が登って来たら魔獣達は、森へ帰って行ったが『警戒を怠るな』と中央から指示が出ていた。
一日目の被害は、東側地上部隊、二十三名が戦死した。どの防衛場所も似たような数の戦死者が出ていた。各ハンターや兵士達が散っていった者達に黙祷をしていた。こうして一日目が過ぎていった。
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