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フリーライフ ~異世界何でも屋奮闘記~ 作者:気がつけば毛玉

マイホームパパ編

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この子ネコの子

 下級区の孤児院は、口さがない者たちからは「動物園」と言われている。

 純粋な人間種を建国者とするこの国、イースィンド王国において、獣人の地位はあまり高くはない。

 人間至上主義を掲げる南東の王国に比べればまだマシな方だが、それでも、上級区以上の区画で獣人を見掛けることは全くと言っていいほどに無いことを考えると、この国の獣人に対する扱いがどれほどのものなのか分かるというものだ。

 だから、貴族や豪商の獣人の血が混ざった落し種は、もれなく下級区に流れてくる。遊び相手ならいいけれど、自らの跡継ぎに獣人などまっぴらごめんだとばかりに、下級区へと捨てさせるのだ。

 そうでなければ子どもは殺されてしまう。獣人の母親(多くが娼婦)は、隠して育てることもできずに、泣く泣く孤児院へと我が子を預ける。

 そんな理由もあって、下級区の孤児院は獣人の子が多い。犬、猫、羊、狐に兎、爬虫類(こちらは亜人の子)などの特徴をその身に備える子どもたちが孤児院の半数を占めている。

 その様を見て、口悪く「動物園」だと言う者も少なからずいるのだ。

「別に、人間のガキと大して変わらんのにな」

「なに~?」

「うんにゃ、なんでも」

 椅子に座らせたメイが振り向こうとするから、がっちり両手で固定する。羊獣人のこいつは毛の伸びが早いからな……前に向き直させ、もこもこと白い毛をちょきちょきと切っていく。ふむ、まさにウールみたいな髪質だな……。

「ありがと~」

「はい、どーいたしまして」

 軽くなった頭を下げて、走り去っていくメイ。決して上手とは言えない仕上がりだが、本人が満足そうなので良しとしよう。さて、次はどいつだ……?

「お兄ちゃん、次はボクだよ」

「ウィールか。よし、ここに座れ」

「は~い」

 今度はいたちの獣人、ウィールか。メイと同じく白色の髪だけど、こちらはさらさらと流れるようだ。体の細さも相まって、男のくせして実に中性的な八歳児である。

「で、どんな感じにして欲しいんだ?」

「えっとね、毛先が痛んできたから、そこは切ってもらって……」

 けっ、男なら、「適当に短く」って言えよ。毛先が痛んだ? 俺には違いが分からんわ。さっき済ませたベアードなんか、スポーツ刈りで満足してたぞ。でも、こいつをスポーツ刈りにすると、女性陣から不評を買いそう……大人しく言う通りにするか……。

「ありがとね、お兄ちゃん」

「はいはい、どーも」

 目を細めてニコッと笑うウィール。お礼を言いながら、ギュッと俺の手を握ってくる。こういう仕草が嫌味じゃない奴って、人生色々と得だよな。

 さて、ウィールも、いたちのような尻尾をふりふり去っていった。次は誰だ?

「わんっ!」

「クルミアか……って、お前は一番最初にしただろ」

「くぅ~ん」

「くぅ~んじゃねえよ。それ以上、どこを切れってんだ」

 そもそも、こいつが「髪を切って!」と甘えてきたのが今回の大量散髪の始まりだった。元々、女の子にしては短いクルミアの髪を、本人の要望通り肩にかからないようにしてやっていたら、他の奴らも次々と集まってきて……俺、散髪そんなに得意じゃねえのに。

 それでも、「やってやって」と群がられたら無下にもできない。結果として、十人ぐらいの髪を整える程度に切ってやった。

 クルミアは、横でゴルディとごろごろしながらそれを見ていたんだが、また甘えたくなったんだろう。

 他の子のものが欲しい、とか、自分もやってほしい、とかの我がままは、こいつぐらいの歳の子にはよくあることってのは、これまでの孤児院の手伝いでよく分かっていた。適当に、他のもんで誤魔化してやりゃあすぐに忘れるってのも学習済みだ。

 さて、どうするかな……。

「ん? そういやあ、ニャディアはどうした? あいつもだいぶ、髪が伸びてたろ」

「にゃでぃあ?」

 そう、ニャディアだ。ミケロッティの嫌がらせが収まってから孤児院に入ってきた新入りの一人で、まだ八歳の黒猫獣人の女の子だ。猫のようにつややかな黒髪も、もう目にかかるほど伸びてしまっていたはずだ。そろそろ、切り時だろう。

「そう、ニャディアだ。あいつも髪切らんとな」

「わんっ!」

「わぅ!」

「おっ、案内してくれるのか。流石わんこだな」

 頭を撫でてやると、えっへん! とばかりに胸を張るクルミア。ゴルディもどこかしら誇らしげな様子だ。そうだな、犬と犬獣人なら嗅覚もバッチリだろう。

 こいつらにニャディアのところまで案内してもらおう。ここまで散髪しておいて、残り一人だけ放置するってのも決まりが悪いからな。



「「わんっ!」」

「おっ、この辺りか……おぉ、いたいた。おーい、ニャディアー!」

 わんこの導きによって、髪を切っていた風呂場から裏庭へと向かった。そこでは、昼飯も食べ終わったガキどもが遊び回っていた。年長組の奴らも、今は仕事もないのか思い思いに過ごしている。

 その集団から少し離れた木の上に、ニャディアはいた。気だるげに尻尾を垂らし、枝の上で器用に眠りこけている。

「聞こえなかったか……ニャディアー! にゃんこー! ちょっと降りてこーい!」

「わうー!」

 俺につられてクルミアも声をかける。だが、ニャディアは薄く眼を開いたかと思うと、顔を俺たちから背けてまた眠り始めた。

「あっ、こいつっ、また無視かこの野郎!」

 そうなのだ。ニャディアは基本的に俺に懐いていない。孤児院のガキどもからはそれなりに信頼されているとは思うが、こいつだけはどうにも俺に冷たい。

 みんなが言うには「いい子」だそうだが、こと俺に関わるとなると距離を置きたがるのだ。別に、他のチビたちと同じくべたべたしろとは言わないけれど、話ぐらいは聞いて欲しいものだ。

「お~い、降りて来いって!」

「わんわんっ!」

 さらに呼びかけるも、全くの無反応……よろしい、そっちがその気ならば!

「【ハイ・ジャンプ】!」

 少しばかり大人げないと思うが、一応、ルードスさんからここを任された身だ。スキルを使ってでも捕まえて、てめえの伸びきった髪、切らせていただきます!

 ほら、四メートルほどの高さの木の枝も、跳躍力を増す【ハイ・ジャンプ】を使えばひとっ飛びで……って、肝心のニャディアがいねえ!?

 周囲を見渡せば、隣の木へと飛び移り、こっちを見ているニャディアの姿が……むぅ、流石猫獣人。生まれ持っての身体能力とバランス感覚には驚くべきものがある。

 だが、こちらはカンストレベルに相応しいステータス持ちだ! 追いつけないはずがない! ほら、飛び乗ったこの枝を足場に、すぐにでもお前の所へ(バキッ!)お、おわぁぁっ!?

「わーっ!? 兄ちゃんが木から落ちたー!!?」

「だ、だいじょうぶ……?」

「うぐぐ……!」

 俺の体重とジャンプの際にかかる力を受け止めきれなかったのか、枝がボキリと折れて頭から落下してしまった。ぐっ、それなりに痛い……。首と頭を押さえてうずくまる俺の周りに子どもたちが集まってきて、さすってくれたりする。あぁ、こいつらええ子や……!

 それに比べて、ニャディアめ! 涼しい顔をして、木から木へと飛び移って、どこかへ行ってしまった。くそっ、どうしても俺に捕まりたくないってか! いいだろう、こうなったら勝負だ!



(くくく……見つけたぞ……!)

 下級区の住宅街、平屋根の民家の上に寝そべるにゃんこ発見。【隠蔽5】をオンにしているため、どうやらここまでは気付かれていないようだ。だが、念のため【インビジブル】と【シャドウウォーク】も発動して、気配や姿を完全に消しておくか。

 足音も立てずに忍び寄る俺。未だ気付かずに眠りこけるニャディア。この勝負、もらった!

 が、足に何かが引っ掛かる。ん? 洗濯紐? ニャディアに集中し過ぎていたため、気付かなかった……あ、ヤバイ!? 両端に括られた物干し台が倒れ……!?

 ガンッ! ガラガラ!

「っ!?」

 あぁ……!からまった紐を解いている内に、ニャディアが逃げていく……! くそっ、それにしても何でこんな低い位置に洗濯紐が……ま、まさかニャディアの仕業か!? おのれ、あのにゃんこめ、末恐ろしい技能の持ち主……。

「これ、人ん家の屋上で何やっとるね」

「えっ?」

「誰だね、あんた? こんなところで何やっとる」

「あっ、これは、その……」

 家主様がいらっしゃった!? こ、これも見越してのトラップか? ニャディアめ! つくづく恐ろしい……。

「これ、人の話はちゃんと聞きなさい」

「は、はいっ!」

 その後、倒れた洗濯台を元に戻すだけではなく、何故か屋根の修繕までやらされた。くそっ……。



「そうだよ、わざわざこっちから出向く必要はないんだ」

 元に戻って、ここは孤児院の前庭。干物台を避けるように火鉢で炭を熾し、網を乗せて魚を焼いている。

「くくく……多少小賢しいといっても、奴は所詮にゃんこ。本能からは逃れられぬわ!」

 ぱたぱたと、手に持った団扇で焼けた魚を扇ぐ。辺りには、焼き魚の良い匂いが漂っている。犬獣人ほどではないが嗅覚の鋭い猫獣人のことだ。きっと、好物の魚の匂いを無視はできないはず……おっと、寄ってきおったわ。

 干物台の影に隠れて、こちらを窺っている。ゆらゆらとしっぽを揺らし、ぴこぴこと猫耳を動かしている。そして、その視線は焼き魚に釘付けだ。

「ちちち……ほ~ら、おいしい焼き魚だぞ~、おいで~」

 誘ってみるものの、なかなか近づこうとはしない。OK、ここまでは想定通りだ。

「俺が傍にいたら食べられないってんなら、ここに置いとくわ。後で食べろよー」

 そう言って、その場をあっさりと後にする。そして、急いで孤児院二階に上がり、こっそりと様子を覗き見てみた。おぉ、まだ焼き魚の周りをうろうろしてる……流石に疑い深いな。

 おっ、近づいてきた。いよいよ食べるか? きたきたきた……よしっ、食べた! おいしそうに、はむはむと手づかみで焼き魚を食べている。この勝負、もらった!

「にゃ~……? にゃにゃっ!」

 夢中で焼き魚を食べ尽くすニャディア。さぞかし旨かろう。それも当然。今、奴が食べているのは、サンマぐらいの大きさで、一匹がまんぷく亭の定食にも匹敵するような値段の高級魚だ。

 焼き魚にすると、適度な脂が口いっぱいに幸せをバラ撒く……まさに、至福の味だ。ただでさえ魚が好きな猫獣人だ。この魅力には抗えまい。

「どうだ、旨いか」

「っ!」

 手についた脂をぺろぺろと舐めているニャディアの後ろから声をかける。にゃんこは、すぐさま逃げ出そうとするが……。

「ほほう、これが欲しくはないのか?」

「にゃっ!?」

 これが俺の切り札。二匹目の焼き魚だ! 一度食べれば三日は舌に残ると言われるこいつの味を知ってしまえば、それを放り出して逃げることなどできまい! ふっふっふっ、高い金を出してまで揃えた甲斐があった。ニャディアがここまで俺の接近を許すとは、な。

「な~……」

「ほう、欲しいか、こいつが欲しいか」

 か細く鳴き声を上げるニャディア。目は焼き魚だけをじっと見据え、よだれを垂らさんばかりの顔をしている。所詮はガキだな。本能を御し切れていない。

「欲しいだろう? なら、俺の言うことを聞いてもらおうか」

「にゃ、にゃっ……」

 もう、頭は焼き魚でいっぱいなのだろう。これなら、捕まえられる! うっとおしく伸びた髪を切らせてもらうぞ!

「さぁ、俺の言うとおりにするん」

「なにしてるの……?」

「あ? 見りゃわかんだろ。今いいところなんだから邪魔すんな……えっ?」

 予期せぬ声に振り返れば、そこには狐耳のエステルほか数人の女子たちが……ん? 奴らの目が剣呑だぞ?

「さいってー! 食べ物で女の子に言うことを聞かせようとするなんて!」

「タカ、さいてー……」

「えっ、えっ?」

 あれ? 何で責められているんだ? 俺はただ、ニャディアの髪を切ろうと……。

「お母さんが、食べ物をエサに子どもに悪いことをする人がいるって言ってたけど、お兄ちゃんがそうだったなんて……」

「あっ、あ、そういうことな!? でも、違うぞ! 俺はただ……」

「さいてー!」

「サイテー!」

「あだっ、こ、こらっ」

 次々と俺の脛に蹴りを放つチビども。その猛撃におろおろしていたら、ニャディアが俺が持つ皿から焼き魚を掠めていった!

「あっ、こら、待、いたっ、ちょ、お前ら止めろって!」

「サイテー!」

「へんしつしゃー!」

「人聞きの悪いことを!?」

 そのまま、ニャディアを追うこともできず、女子パワーにさらされ続けてしまった……うぅ、体より心が痛い。



「そうだよ、悩むことなんてなかったんだ! 俺にはこの体があったぁぁぁ!!!」

 ビュンビュンと、屋根の上を跳んで逃げ続けるニャディアを追いかける俺。そうだ、俺のステータスならば、下手な小細工をせずとも捕まえるのは容易いことだったんだ! 難しく考えるからいけなかったんだ……くくく、ほぅら、もうすぐ手が届くぞ~!

 狭い路地や屋根の上、果ては民家の塀の上までを織り交ぜて逃げ続けるニャディア。体格差を活かして、なるべく俺が通りづらい道を選んでいるのは流石だ。だが、そのような小賢しい真似は、いずれ万策尽きてしまうものだ。

「にゃ、にゃ~……」

「で、どうするんだ? 行き止まりだぞ? くくく……」

 下級区も、近年の区画整理でそれなりにマシになったとは聞いたことがあるが、それでも雑然としていることは変わりない。大通りから外れた住宅街など、どこがどう繋がっているのか正確に把握している者は少ないだろう。そう、下級区の住人、ニャディアでさえも、な。

 幾度も分岐を通り抜け、曲がり曲がって、遂には袋小路に辿り着いた俺たち。いくら猫獣人でも、三階建ての建物に三方を囲まれては脱出不可能だ。

「さて、追いかけっこはもうお終いだ。その長い髪だとさぞ暑かろう? 切ってやるよ……」

「な~……」

 おや? まだ諦めていないようだ。きょろきょろと辺りを見回している。

「無駄だ。お前はもう逃げられん。さぁ、大人しくするん」

「捕まえたぞ! 不届き者め!」

 がしっと、両脇をガタイのいい男たちに固められた。えっ? ええっ!?

「ちょ、お前ら何すんだ!?」

「それはこっちの台詞だ! いたいけな少女を追いまわして何をするつもりだったんだ!?」

 よく見れば、青いお揃いの制服を着ている。すると、こいつら下級区の自警団か!? 次々と駆け寄ってくる自警団員に、体の各所を固められていく。吹っ飛ばすこともできるけど、そんなことしたら後がめんどくさそうだ。

 こ、ここは口で説明を……!

「残念です。貴方のような好青年が、このような悪事に手を染めようとするとは……」

「だ、誰だ……って、ミケロッティ!?」

 自警団の制服に身を包んだ禿頭の小太りの中年が、腰の後ろに手を回し、ゆっくりと袋小路へと歩いてくる。まさか、自警団顧問直々のお出ましとは……ま、まぁ、いい! こいつとは面識もあるから、話も聞いてくれるはず……。

「連れていきなさい!」

「「「ハッ!」」」

「ちょ、おいい、む、むがぁ!?」

 問答無用かよ!? 猿ぐつわまで噛まされて、腕を縛りあげられて担ぎあげられてしまった。そして俺は、幼児暴行未遂の容疑で、そのまま留置場へと直送された……下級区の住人たちから、「にやついた男が幼女を追いかけ回している」って通報があったそうだ。

 まぁ、状況だけ見ればその通りだけどさ……迎えに来たユミエルに「……世間を騒がせてはいけません」とムチでしばかれちゃうと、流石に「理不尽だな」、と思ってしまうニ十歳の冬でした。



「なぁ、ニーナ……俺、ニャディアに嫌われてるのかな……」

「ええっ? 突然どうしたの?」

 お風呂上がりに二階のバルコニーに出て、六つも年下の少女にお悩み相談……だって、もうどうしていいのか分からないから!

「いや、だってさ……何だか避けられてるような気がして……今日だって、髪を切ってやろうと近づいただけなのに全力で逃げられたし……」

「あ、ああ、そういうことね」

 牛乳が入ったマグカップを片手に、備え付けのテーブルに手をつくブライト孤児院の長女格ニーナは、あはは、と俺の悩みを笑う。

「笑うなよ……今日の事で結構傷ついてんだぞ、俺」

「いや、ごめんね? でも、あたし、そんなことないかな、って思うの」

「そんなことない……?」

 どういうことだ? 実際に、ニャディアは俺から逃げ回ってるんだぞ。

「そうね……まだニャディアとは出会ってそんなに経ってないけど、分かるの。あの子、ほんとにキライな人が相手なら、姿さえ見せないわ」

「そうなのか?」

 俺はそんな光景を見たことがないから分からんが、ブライト孤児院の女子たちのまとめ役がそう言うなら、本当なんだろう。

「そうよ。タカは、結構気に入れられていると思うよ。ニャディアって大人の男は基本的に苦手なんだけど、一緒の部屋で寝てるんでしょ? それが嫌われていない証拠だよ」

「そう、なのか……?」

 そう言われても、いまいち確証は持てない。そんな俺の鼻先に軽くデコピンを喰らわして、すっ、と去っていくニーナ。

「あはは、他のチビちゃんたちからは好かれてるんだから、もっと自信持ちなよ! じゃあね」

 そのままニーナは、ひらひらと手を振って、バルコニーから屋内へと消えていった。

「自信、ねえ……まぁ、いいや」

 この生活も、残り三日だ。あんまりくよくよ考えていてもしょうがないだろう。ニャディアの髪を切るのはユミィにでも任せて、俺はつかず離れずぐらいのスタンスでいよう。

「じゃ、歯ぁ磨いて寝るか……」

 俺も、カップに残った牛乳をぐいと一息に飲み干して、バルコニーを後にした。



(んん、なんだぁ……?)

 夜、チビどもの部屋で雑魚寝をしていたら、俺の布団の中にもぞもぞと入ってくる奴が……おおかた、甘えん坊のクルミアかテオだろう。一番ちっちゃいリラードかもしれない。まぁ、かまわん。これまでのお昼の添い寝で、こんなことも慣れたもんだ。

「ほら、隙間作ったら寒ぃだろ……」

 潜り込んで来た奴をぐいと引き寄せ、布団の隙間を閉じる。なんか、布団の中でもぞもぞしていたから、まどろみながらも撫でて寝かしつけてやりもした。ふ~、これでゆっくり眠れる……。

 そして、俺はまた夢の中へと落ちていった。意識が途切れる間際、どこからともなく猫の鳴き声が聞こえた気がしたが……まぁ、気のせいだろう。




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