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chun softさんにごめんなさいの第16話。
「不思議のダンジョンはほんのお遊びです。by.ハヤテ」


僕がヒナギクさんでヒナギクさんが僕で
作:Daisy Katsura



第16話:マラソン自由型其の三


 ヒナギクは遅れた分を取り戻す為、第一チェックポイントまでハヤテを背負って一直線に走っていた。
「すみません、ヒナギクさん。僕なんかを背負って走らせてしまって」
「良いのよ、別に。私がそうしたいからそうしてるんだもの」
 言ってヒナギクは頬を赤らめた。
 とても恥ずかしかったらしい。
「あ、見て下さいヒナギクさん」
 と前方を指差すハヤテ。
 進行方向には、日比野 文とシャルナが走っているのが見える。
「これは私たちが速いのかしら?」
 ヒナギクはふと疑問に思った事をハヤテにぶつけてみる。
「さあ」
「まあ良いわ。遅いわよ、あなたたち」
 とヒナギクが文たちに声を掛けて追い抜こうとすると、丸で文が邪魔をするかの様に前を塞いできた。
「失礼!」
 言ってヒナギクは跳んで彼女の上を越え、着地した。が、バランスを崩して転び、膝を擦り剥く。
「大丈夫ですか、ヒナギクさん?」
「有り難う。でも大丈夫、掠り傷だから」
 言ってヒナギクは立ち上がり、再び走り出す。
 そして文たちを見えなくなるくらい離し、通常コースに出て第一チェックポイントに辿り着く。
「あの、何着ですか?」
 ヒナギクはチェックポイントのスタッフにそう訊ねる。
「えーと・・・」
 スタッフは机の上にある記録を確認する。
「あなた方は現在二着ですね」
 その言葉がヒナギクを喜ばせた。しかし──
「但し、後ろからですけど」
 その言葉にヒナギクはこけてズザーッと言う音を出しながら地面を滑った。
「大丈夫ですか?」
 スタッフが彼女を心配して近付いてくる。
 ヒナギクはスタッフを思いっ切り睨み付けた。
 スタッフはそれに怯えながら訊ねる。
「な、何か?」
「別に?」
 とヒナギクは作り笑顔をスタッフに見せる。
(こわっ!早く行って貰おう)
 スタッフは慌てて薔薇の花を取りに移動した。
「では二人とも、これを着けてゴールして下さい。途中で花びらが散ったりした場合はその時点でリタイアです」
 言ってスタッフは薔薇をハヤテとヒナギクに渡す。
「前から思ってだけど、これって何か少女革命──」
 そこまで言うと、ハヤテが薔薇を着けながら掻き消す様に言う。
「それ以上は駄目ですよ、ヒナギクさん」
「ごめん」
 ヒナギクは立ち上がり、薔薇を装着して地図を取り出す。
「えっと此処からは、あっちが近道ね」
 そう言うとヒナギクは地図を仕舞い、コースを外れて森へと入った。
 そして森を暫く進むと、二人の目の前にいきなり洞窟が現れた。
 入り口には立て札があり、入るな、とだけ書いてある。
 だが人間、断られると余計行動を起こしたくなってしまう。
 ヒナギクは立て札を無視して中に入って行った。
 すると辺りが真っ暗になり、<迷宮の洞窟1F>と言う文字が二人の前に浮かんで直ぐ消え、視界が広がった。
 そこは、何もない部屋で、片隅に出入り口が一つだけある。
「突っ込んで良いかしら?」
「どうぞ」
 ハヤテの了承を得てヒナギクは突っ込む。
「何よこれ!?ト○ネコの不思議のダンジョンじゃない!」
「ああ、確かにそれっぽいですね。しかし何でこんなのが白皇の敷地にあるのでしょうか?」
 とヒナギクの背中から降りるハヤテ。
「背中大丈夫なの?」
「ええ、お陰さまで」
 と笑みを浮かべる。
「取り敢えず、階段探しましょう」
 言ってハヤテは部屋の片隅にある出入り口に向かって歩いていく。
「待って、ハヤテくん」
 ヒナギクは慌てて後を追い、一歩手前で地雷の罠を発動させてしまった。
ドカーン!
 地雷が爆発し、ヒナギクは10のダメージを受けた。
 残りHP5。
 ハヤテは爆発に巻き込まれて5のダメージを受けた。
 残りHP10。
「ちょっ、何でダメージにこんな差があんのよ!?不公平じゃない!」
「知りませんよ、そんな事」
 と一歩進むハヤテ。
 するとヒナギクも一歩進む。
「て言うか、何で同じ所通ったのにハヤテくんは地雷を踏まない訳?」
「ああ、それは・・・」
 ハヤテはメニューを開き、仲間からハヤテを選択し、強さを表示した。
 名前:綾崎 ハヤテ Lv.1 HP:10/15
 職業:桂家執事兼雪路のお世話係
 所属:白皇学院高等部2年
 特性:罠を踏まない 死なない
「だそうです」
「ムカつくステータスね!て言うか死なないって何!?」
「さあ」
 とハヤテは肩を竦めてみせる。
「所で、ヒナギクさんの特性は何ですか?」
 疑問に思ったハヤテはヒナギクの強さを表示した。
 名前:桂 ヒナギク Lv.1 HP:5/15
 職業:ハヤテの主人
 所属:白皇学院高等部2年
 特性:1ターンに2回行動 常時バーサーカー 会心の一撃が出やすい 偶にカウンター
「最悪なステータスですね」
「五月蝿いわね!」
 ヒナギクがハヤテに攻撃をした。
 会心の一撃。
 ハヤテは30のダメージを受けた。
 しかしハヤテの特性によりHPが1残る。
「仲間に攻撃しないで下さい!」
「そんな事言われても特性なんだから仕方無いじゃない」
「・・・・・・」
 ハヤテは言葉を失った。
「兎に角、階段を見付けるまでの辛抱よ」
「ですね」
 言ってハヤテは通路に出て進み、次の部屋に入る。
 モンスターハウスだ!
「マジですか!?ヒナギクさん、代わって下さい!」
 そう言ってハヤテはヒナギクと場所を交換した。
 ヒナギクの攻撃。
 ハヤテに5のダメージを与えた。
「ちょっ、相手が違うでしょ!?」
「だから、バーサーカーだからしょうがないのよ」
 モンスターたちが一歩動く。
 ハヤテは1ターンやり過ごした。
 ヒナギクは正宗を装備。攻撃力が5上がった。
 ヒナギクはスライムに攻撃した。
 ミス。スライムはダメージを受けない。
 スライムの攻撃。
 ヒナギクは3のダメージを受けた。
 残りHP4。
(いかん!このままではヒナギクさんが死んでしまう!)
 ハヤテは覚悟を決めてヒナギクと場所を代わった。
 ヒナギクは様子を見た。
 スライムの攻撃。
 ハヤテは2のダメージを受けた。
 残りHP2。
 別のスライムが2匹ハヤテに近付く。
 ハヤテは正面のスライムに攻撃した。
 スライムに5のダメージ。
 スライムは倒れた。
 ハヤテとヒナギクはは2の経験値を手に入れた。
 ヒナギクの攻撃。
 会心の一撃。
 ハヤテは30のダメージを受けた。
 しかし、特性により1残る。
 スライムたちの攻撃。
 ハヤテは合計4のダメージを受けた。
 しかし、特性により1残る。
 ハヤテは斜め左前のスライムに攻撃。
 スライムに5のダメージを与えて倒した。
 ハヤテとヒナギクは2の経験値を手に入れた。
 ヒナギクは正宗で壁を破壊し、斜めに進んだ。
「一寸、何やってんですかヒナギクさん!?」
「何って加勢よ」
「ヒナギクさん、死んじゃうのでやめて下さい」
「大丈夫よ。いざとなったらハヤテくんの後ろに隠れるから」
 言ってヒナギクは笑みを浮かべた。
 それと同時にスライムがヒナギクに攻撃した。
 ミス。ヒナギクはダメージを受けない。
 ヒナギクはカウンターを放った。
 スライムは5のダメージを受けて倒れた。
 ハヤテとヒナギクは2の経験値を手に入れた。
 ハヤテはレベルが2に上がった。
 HPが3増えた。
 攻撃力が1上がった。
 守備力が1上がった。
 素早さが1上がった。
 命中が1上がった。
 特技・ハヤテのごとく!を覚えた。
 ヒナギクはレベルが2に上がった。
 HPが3増えた。
 攻撃力、守備力が5上がった。
 素早さ、命中が3上がった。
「ハヤテくん。私、レベルが上がったわ」
「ああ、良かったですね」
 この時、ハヤテは思っていた。これ以上強くなられては困る、と。
「それより、僕の特技で部屋のモンスターを一掃します」
 言ってハヤテは特技・ハヤテのごとく!を発動した。
 部屋のモンスターにそれぞれ10のダメージ。
 部屋のモンスターは全て倒れた。
「では行きましょうか、ヒナギクさん」
 言ってハヤテが振り向くと、ヒナギクが全裸になっていた。
「一寸、何脱いでんですか?」
「・・たの・いよ」
「はい?」
「ハヤテくんの所為だって言ったのよ!」
 怒ったヒナギクが、正宗を振るう。
 ハヤテは避ける間もなく彼女の攻撃を喰らい、9999のダメージを受けた。
 ハヤテ、特性発動せず死亡。
 それにより二人はダンジョンから追い出された。
「あ、あの、その、お、お二人で何をなさっているんですか!?」
 その問いと共に、顔を真っ赤に染めた文とシャルナが現れた。
「先輩方はこんな所でそんな事をしてたんですか?」
 突っ込み担当シャルナの問いにハヤテはヒナギクの全裸姿を見る。
「何見てんのよ?」
 ヒナギクがハヤテを睨む。
「すみません、ヒナギクさん。僕の所為で服が無くなってしまって」
「あの、服ならそこにありますけど?」
 そう言ってシャルナがヒナギクの後ろを指差す。
「え?」
 ヒナギクが振り向くと、そこには体育着が落ちていた。
「良かったぁ」
 ヒナギクは体育着を拾い、頬にくっつける。
「あの、どうでも良いですけどヒナギクさん。早く着ちゃって下さい」
「え?」
 ヒナギクは自分が置かれてる状況を確認し、裸である事に気付くと、ハヤテに助走無しドロップキックをお見舞いした。
 ハヤテはその場に倒れ、ピクピクと痙攣を起こす。
「ハヤテくんのスケベ!」
 そう言って物陰に隠れ、ヒナギクは体育着を着用した。
「あの、私たち先に行ってますね」
 文たちは律儀にお辞儀をすると、先に進んで行った。
「ヒナギクさん、僕たちも行きましょう」
 そう言って立ち上がり、先に進むハヤテ。
「一寸、置いてかないでよ」
 と慌てて後を追うヒナギク。
 それから暫くして、二人は通常コースに出て第二チェックポイントに辿り着いた。


To be continued...




次回は第三チェックポイント。
巫座戯ず真面目にやります。












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