僕がヒナギクさんでヒナギクさんが僕で(15/21)PDFで表示縦書き表示RDF




執事は死なない第15話。
「怪我はありませんか、ヒナギクさん?by.ハヤテ」


僕がヒナギクさんでヒナギクさんが僕で
作:Daisy Katsura



第15話:マラソン自由型其の二


 ハヤテが校庭に着くと、体育着を着用したヒナギクに叱られた。
「遅い!何やってたのよ!?」
「すみませんすみません。ほんとすみません」
 とハヤテは頭を下げて必死に謝る。
「まあ良いわ。取り敢えず位置に着いて頂戴」
 ヒナギクはそう言うと、ハヤテを連れてスタート地点に着く。
「位置に着いて!」
 と掛け声が上がり、
「よーい!」
パアンッ!
 その音を合図に、全員が走り出す。
(このマラソン、何としても優勝しなくては。その為には・・・)
「ヒナギクさん、ショートカットを使いましょう!」
「はあ!?」
 ヒナギクは何故と言う顔で素っ頓狂な声を上げた。
「ヒナギクさんが通りたくないと言うのは解ってますが、僕はどうしても勝たなきゃいけないんです!一憶五千万の借金を返す為に!」
「・・・そう言う事なら、仕方ないわね。協力してあげる。先ずは第一チェックポイントまで行くわよ」
 そう言ってヒナギクは敷地図を出すと、現在走っている場所を確認した。
「ハヤテくん、此処から右に真っ直ぐ行けば近道よ」
「ではその道を」
 二人は右に折れ、森の中へ入った。
 だがそれが拙かった。
 その道には大きな崖があり、真っ直ぐ進めない。
「何でこんなのが立ってるのよ?」
「可笑しいですね。この前は何も無かったのに」
 と崖を見上げる二人。
「元の道に戻りますか?」
 ヒナギクの高所恐怖症を案じたハヤテは彼女にそう訊ねた。
「な、何言ってんのよ!?そんな事してたら負けちゃうじゃないのよ!」
「じゃあ登りますか?」
「・・・・・・」
 ハヤテの問いにヒナギクは沈黙した。
(迷ってる暇なんて無いわ。登るのよ、ヒナギク)
 と内心自分に言い聴かせ、崖を登り始めるヒナギク。
 そんな彼女を追う様に、ハヤテも続く。
「ヒナギクさん、絶対に下を見ちゃ駄目ですよ?」
「下?」
 ハヤテの忠告にも関わらず、ヒナギクは下を見る。
 地上約3メートル。
 全身に悪寒が走り、鳥肌が立つヒナギク。
「だから見るなって言ったんですよ。僕の忠告無視しないで下さい」
「そんな事言ったって、見るなって言われたら余計見たくなるじゃないのよ」
 ヒナギクは震えた声でそう答えた。
「はあ、そうですか。兎に角、これを登りましょう」「無理」
 ヒナギクは即答した。
「では僕一人でゴールするので、ヒナギクさんはそこで待ってて下さい」
 そう言ってハヤテはヒナギクを追い越し、あっと言う間に頂上に登ってしまった。
「一寸ハヤテくん!?置いて行かないでよ!」
 そう言って目を潤すヒナギク。
「でしたら頑張って登ってきて下さい」
「そんな事言われたってこんなの無理よ!落ちたらどうすんのよ!?」
「その時は僕が助けます。ですから登ってきて下さい」
 言ってハヤテは笑みを浮かべる。
 ヒナギクはそれに応えて真剣な顔になり、崖を登り始める。
(怖くない、怖くない)
 とヒナギクは自分に言い聴かせながら、着々と登って行く。しかし──
 右手で掴んだ崖の一部が外れ、バランスを崩して落下を開始。
 ハヤテは「ヒナギクさーん!」と叫びながら崖を下り、足場を蹴って彼女を空中で捕まえると、近くに生えていた木の枝を掴んで落下を止めた。
「大丈夫ですか、ヒナギクさん?」
「う、うん。何とか・・・」
 とその時、バキッと枝が折れ、二人は再び落下を開始した。
 ハヤテはヒナギクにダメージを与えまいと、彼女を抱き抱えて上を向く。
 その直後、ハヤテの背中が地面に叩き付けられた。
「がはっ!」
 ハヤテは吐血した。
「一寸、ハヤテくん!?」
「う・・・怪我、しません・・・でしたか・・・?」
 ハヤテは顔を引き攣らせながらそう訊く。
「私は大丈夫。それよりハヤテくんの方が」
「僕なら平気ですよ。少し休めば復活します。て言うか、退いてくれますか?」
「え?」
 ヒナギクは言われて今の状況を確認すると、頬を赤らめた。
(嫌だ。端から見たらこれ、私がハヤテくんを押し倒して・・・っ!?)
 その時、元来た道に何者かの気配を感じたヒナギクは、その方向を向いた。
 その先には、見たら誰もが勘違いをするこの光景を見て固まった日比野 文とシャルナが居た。
「ち、違うのよこれは!先刻、崖から落ちた時に!」
 ヒナギクが必死にそう弁解すると、二人は辺りを見回して訊ねる。
「崖なんて何処にも無いですよ?」
「え?」
 ヒナギクは崖を探した。しかし、辺りは森だらけ。崖など見付からない。
 そもそも、校内に崖がある事自体可笑しい。
「それじゃあお二人とも、お先に失礼します」
 文たちは律儀にお辞儀をすると、二人を置いて先に進んで行った。
 残されたヒナギクは、
「何だったのよあれは!?」
 とムカついて思わず叫んだ。




何か凄え飽きた。と言うかこれからも困難が待ち構えてるのを描くとなると正直面倒。誰か、変わってくれ。
と言うのは置いといて、崖が消えるとはミラクルだぜ。有り得ないぜ。
けどこれは原作の設定に則った小説なので、ハヤテや他の執事が空を飛んだり、何も無いところにいきなり山、川、橋、吊り橋、崖などが現れたりするのは自然な現象なのです。
て事で、次回は、ト○ネコも驚き。モンハウだらけのダンジョンをお送り・・・せず、マラソン自由型の続きをお送りします。












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