第五十九話~実の姉にここまで…………。~
とりあえず、今日は入学式だけで終わりで、僕たちは帰ろうとしていた。
なんだか僕、クラスですごく浮いてるような気がするよ。
だって、みんな髪なんて染めてないし。
まぁ、僕も染めてないんだけど。
僕は歩きながら、色々考えていた。
「優衣ー、優香ー。」
そう言って手を降りながら兄さんが後ろから走ってきた。
葵さんを背中にのせて。
「兄さん、葵さんどうかしたの?」
「寝てた。」
今も葵さんは寝ているようだ。
「すいません、迷惑ばかりかけちゃって。」
「別にいいよ。いつものことだし。」
「すいません。今起こしますから。」
そう言って、茜は葵さんをビンタをした。
…………が、起きない。
「やっぱり起きない。」
そう言って、茜は往復ビンタをし始めた。
あれから100回くらいビンタをした頃に、葵さんは起きた。
「…………おはよう…………頬っぺた痛いよぅ。」
まあ、赤くなってる。
このとき僕は茜を見て、実の姉にここまでするか普通、と思っていた。
「大丈夫か?」
「…………大丈夫じゃないから、頭撫でて。」
頭と頬に関係はあるの?
「おう。」
そして、何故撫でるの?
この二人は一体なんなんだろう? と、僕は二人を見て思っていた。