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Episode:07
 どうにか戦力になりそうなのは、一番上の学年のあたしたちくらい。でもAクラス以外は、やっぱり力不足だ。
 しかもそのAクラスも、実質的に戦力って言えそうなのは、実戦経験のあるあたし、イマド、シーモア、ミル、ナティエス、この辺だろうか? でもこれだってかなり甘い見積もりで、実際に使えるのは、あたしとイマドだけじゃないかって気もする。

 そこまで考えて気づいた。
「もしかして、戦力低下狙い……?」
 これだと何となく、筋が通る気がする。

 あたしがよく分からない理由でここへ呼び出されたり、常に連絡がつくはずの学院長と連絡がつかなかったり、何か起こってるのは間違いない。しかもそれが、コントロールしづらい上級生が不在の間に起こってる。
 偶然と言うには出来すぎだ。このタイミングを狙って、と考えたほうがいい。

 そういえば今日は、教官たちもほとんどが訓練島へ行ってて不在のはずだ。いつもの年は行かないムアカ先生も、何故か今年は行くことになったと、診療所を休みにしてた。
 残ってるのはあんまり評判のよくない、嫌なタイプの教官だけだ。いつもの年は下級生に好かれてる先生たちが残るのに、今年はメンバーがぜんぜん違う。

 ナティエスに話を聞きたいな、と思った。彼女はそういう、先生同士の力関係とか生徒同士の勢力図とか、そういう噂に詳しい。だから顔ぶれを見れば、何か情報が出てきそうだ。
 いずれにせよ「何か」起こってるのは確実だから、ここから出られるようにしておいたほうがいいだろう。

 まず錠前を調べてみる。
「あれ、これ……」
 つい声が出て、誰も聞いてないかとあたしは辺りを見回した。けど幸いさっきの教官が出てったきり、人の気配はない。聞いてた人は居なそうだ。

 錠前は、昔からある古いタイプのものだった。これなら開けられる。
 シエラで開錠を教えるのは10年生以上で、あたしたちは新学期からだ。だから本来なら、あたしたちの学年は知らない。

 けどこの学院にはいろんな子が集まってるわけで……中でもスラム育ちのシーモアは、ふつうに育ったら覚えないようなことをたくさん知ってた。開錠の技術もそのひとつだ。
 それをイマドが教わって、さらにこの間あたしが教えてもらって。だからこの程度なら、何とか開けられる。

 もしかしたら魔法でも施錠されてるかもしれないけど、そっちはあたしは前から開けられる。ここじゃ魔力が弱まるみたいだけど、全く使えないわけじゃないから、何とかなるだろう。

 教官も甘いな、と思った。
 もちろん鍵があたしでも開けられる物だったのは、幸運だったってだけだ。でもイザとなったら被害無視で牢ごと壊す方法もあるから、これじゃ完全に閉じ込めたことにはならない。

 あたしを収監したかったのは分かるけど、だったらもっと厳重にしたほうがいいと思う。
 ただ出られるって分かっても、イマドの身の安全が確認できないうちは、動けないのだけど……。






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