河野裕一の事件簿(5/10)縦書き表示RDF


いよいよ事件も終わりに近づいて来ました。
最後までお読み下さい。
河野裕一の事件簿
作:Daisy Katsura



須佐之男の正体


裕一達は、大堰川殺人事件の小説の作者を捜していた。
裕一:「ずは、小説の出版社である宮本出版へ行きましょう。
そうすれば、作者の名前が解ると思います。」
郡山警部:「で、その出版社は何処にあるんだね?」
裕一:「東京です。」
郡山警部:「と、東京!?
我々京都府警は管轄外だぞ!?」
裕一:「あ、それならご心配なく。
先ほど、電話で本庁に頼んで京都府警が東京で捜査をするって事で許可を貰いました。」
郡山警部:「君は一体、何者?」
裕一:「警視庁捜査一課に勤める、河野 裕二警部の息子です。」
郡山警部:「何!?
君があの警察の中で最も変人な人で有名な河野 裕二の息子!?」
裕一:「親父を馬鹿にしないで下さい。
あぁ見えても、推理力は抜群なんですよ?」
郡山警部:「あぁ、すまん、すまん。」
裕一は、ジュンを旅館に帰し、郡山と京都駅に来ていた。
二人は、東京行きの新幹線の切符を買い、新幹線に乗った。
郡山警部:「お、そろそろ東京だな。」
と、郡山が言う・・・。
東京に着いた裕一達は、小説の出版社である宮本出版を目指した。
宮本出版は、東京駅から徒歩10分の所にある。
出版社に着いた彼らは、受付で出版担当の方を呼ぶようお願いした。
暫くすると、出版担当の方が現れた。
浩:「初めまして。
出版担当の川間 かわま ひろしと申します。
出版のご相談ですか?」
郡山は、警察手帳見せながら「京都府警の郡山です」と、言った。
浩:「あ、警察の方ですか・・・。
警察の方が私に何かご用ですか?」
と、言う浩に対して、郡山は事の事情を公開可能な範囲で説明した。
浩:「そうですか・・・。
そう言う事でしたら、お教え致しましょう。
実は、あの小説の作者は不明なんですよ。
要するに、一方通行って訳ですね。
毎年、6月になると、差出人不明の小包が届き、その中に執筆された原稿用紙が多い時には5000枚程入っているんです。」
そう言うと、浩は立ち上がって「今朝方届いた原稿用紙を持って来ますね」と付け加え、倉庫へ入って行った。
時間にして2分くらいだろうか・・・。
倉庫から浩が大きな袋を抱えながら出て来た。
浩:「これがその原稿用紙です。」
見ると、原稿用紙は何百枚も重ねられていた・・・。
郡山警部:「ほぉ、これはかなりの量ですなぁ。」
浩:「今朝、届いた時に数えたら、5500枚入ってました。」
5500枚も入っていたのか・・・。
やれやれ、数えるのも大変だ・・・。
「ご苦労様です」と言ってあげたい。
郡山警部:「因みに、これはどんな内容なんですか?」
浩:「まだ読んでいないんですが、原稿用紙に付属されていた手紙には、ストーリーの簡単な説明が書かれていました。
これがその手紙です。」
と、浩は手紙を取り出した。
手紙にはこう書かれていた。
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出版担当の川間 浩 様。
こんにちは、須佐之男すさのおです。
これを読んでいると言う事は、既に原稿用紙が貴方の下に届いていると言う事ですね。
今年の作品は、日本神話に出てくる八岐大蛇やまたのおろちを利用した推理小説です。
今回の作品をお読みになられ、採用される事を願って応募致しました。
是非、私の作品をお読みになり、採用して頂きたいと思います。
宜しくお願い致します。
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郡山警部:「この、須佐之男と言うのは?」
浩:「最初に送られて来た『大堰川殺人事件』と言う小説に付属していた手紙によると、須佐之男と言うのは、素戔嗚尊すさのおのみことの事だそうです。
恐らく、ハンドルネームでしょう。」
郡山警部:「素戔嗚尊と言うのは?」
裕一:「素戔嗚尊は、日本神話に出てくる1柱の神。
日本書紀では、伊弉諾尊いざなぎのみこと伊弉冉尊いざなみのみことの二人の間に産まれたと記されている。
また、三貴神の末子に当たる。
しかしながら、その与えられた役割は、太陽を神格化しんかくかした天照大神あまてらすおおみかみ、月を神格化した月夜見尊つきよみのみこととは少々異なっている。
伊弉諾尊は、天照大神に高天原を、月夜見尊に夜を、素戔嗚尊に、海原を治めるように言った。
古記事によると、須佐之男はそれを断り、母神である伊弉冉尊のいる根の国に行くと言い始め、伊弉諾尊は怒り近江の多賀に引きこもってしまいました。
須佐之男は根の国へ向う前に姉の天照大神に挨拶をしようと高天原へ行った。
天照大神は須佐之男が高天原に攻め入って来たのではと考えて武装して須佐之男に応対し、須佐之男は疑いを解くために誓約を行う。
誓約によって潔白であることが証明されたとして須佐之男は高天原に滞在するが、そこで粗暴な行為をしたので、天照大神は天の岩屋に隠れてしまった。
そのため、須佐之男は高天原を追放されて葦原中国へ降った。
葦原中国の出雲へ降った須佐之男は・・・・・・大国主の神話において根の国の須佐之男の元にやってきたオオナムヂ(大国主)は、須佐之男の娘であるスセリビメに一目惚れするが、須佐之男はオオナムヂに様々な試練を与える。
オオナムヂはそれを克服し、須佐之男はオオナムヂがスセリビメを妻とすることを認め、オオナムヂに大国主という名を贈った。
と言うのが、素戔嗚尊の話です。」
と、裕一は終わるまで語り続けた。
だが、語り終えた頃には二人とも上の空だった・・・。
よほど話が長かったのだろうかと裕一は思った・・・。
裕一:「警部、京都へ戻りましょう。
ちょっと気になる事があるんです。」
郡山警部:「それじゃ、戻ろう・・・。
川間さん、私たちはこれで・・・。
お忙しい中、大変ご迷惑をおかけして申し訳無い・・・。」
浩:「いえいえ、良いんですよ。
おかげで歴史の勉強も出来たことですし・・・。
あ、そうだ。
東京の土産にこれを持って行って下さい。」
浩は、郡山に「つまらない物だ」と言いながら、東京のお菓子「ひとつぶ桃」を手渡した。
郡山は、「頂きます」と言うと、裕一と一緒に出版社を後にした・・・。
彼らは、東京駅に向かい、京都府に戻った。
京都府に戻った彼らが真っ先に向かったのは、高山 香織の自宅だ。
インターフォンを押すと、高山 香織が顔を出した。
香織:「あ、刑事さん・・・。」
裕一:「一つお聞きしますが、事件当時は遠山 のぼるさんの推理小説を1時間程聞かされていたと証言しましたよね。
そのときに、聞かされていた小説の内容を教えてくれませんか?」
高山は、「日本神話に出てくる八岐大蛇を利用した推理小説です」と答えた。
それを聞いた裕一と郡山は顔を合わせる・・・。
裕一:「それ、本当ですか!?」
香織:「えぇ、本当です。」
これで、須佐之男の正体が解った。
後は直接本人に会うだけだ。
裕一と郡山は、須佐之男こと遠山 徳がいる自宅へと向かった・・・。












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