第3話 エリコ
元旦。おせち料理を食卓に並べ、新年を祝う用意をしながら、エリコは鼻唄を口ずさんでいた。いつもより広告の多い元日の新聞をテーブルの上に置き、新年の挨拶が書かれた、家族宛の年賀状をその横に並べた。
「おはよう、エリコ。それと、あけましておめでとうございます」
昼近くまで寝ていた旦那が、寝惚け眼を擦りながらソファーに座り、自分宛の年賀状を一枚一枚じっくりと読んでいた。
鼻唄を歌いながら用事を済ませる妻の様子を不思議に思っていた。
「どうしたんだ? 新年早々何か良い事でもあったのか? あ、もしかして、年末ジャンボ宝くじが当たったとか!」
旦那はソファーから急に立ち上がり、目を丸くしてエリコに尋ねた。エリコはニコッと笑いながらそれを否定した。
「お前が鼻唄を歌いながら家事をするなんて珍しいな。余程嬉しい事があったんだな。その幸せを俺にも分けてくれよ……なあ、いいだろ」
旦那はそう言うと、台所で用事をしていたエリコの後ろに回り、両腕を回してエリコをギュウッと抱きしめた。先程まで上機嫌だったエリコの表情が曇った。
「あなた……新年早々ダメよ……それに、もうすぐ綾香が帰って来ちゃう」
「大丈夫だよ。親父達と一緒に出掛けたなら、そんなにすぐに帰ってきやしないって。親父が出掛けたついでにどこかに寄って遅くなるのはいつもの事じゃないか。誰もいないうちに……」
旦那はそう言うと、後ろからエリコの胸を、エプロンの上から両手で激しく揉み始めた。
いつも突然、自分の性欲を満たす為だけに行為を始める旦那に、エリコは正直ウンザリしていた。
結婚当初は、エリコもそれなりに旦那とのセックスには満足していた。仕事が遅くなっても、毎晩求めてくる旦那に、エリコは愛情を感じていた。求めてくる事イコール愛情のしるしだと思っていたから。しかし、旦那はそれから数ヶ月、毎晩のようにエリコの身体を求めた。毎日毎日求めてくる旦那に対し、エリコは少し疑念を抱いていた。この人は本当に自分を愛してくれているのだろうか? 旦那とのセックスは本当に愛情を示す為の行為なのだろうか? 旦那はただ自分の欲求を満たす為だけにセックスをしているのではないのか? 旦那の腕の中で、エリコはいつしかそんな事を考えるようになった。
旦那が性欲を満たす為だけにセックスをしていると分かったのは、娘の綾香が出来てすぐの時だった。
つわりで食事をすることも儘ならないエリコに対し、旦那はいつものように身体を求めた。体調が悪いといってそれを断ると、へそを曲げた。エリコが旦那とのセックスを断ったあと、暫くの間は、エリコの身体を求めるような事はなかったのだが、旦那の性欲は他の場所で発散されていたのだ。上着のポケットからは、風俗店の割引券やら、店の女の子の名刺が出てきた。
「なあ、早くしないと親父達帰ってきちゃうじゃないか」旦那はエリコの服の中へと手を伸ばし、下着の上からエリコの胸を揉みしだいた。
うなじに舌を這わせ、そのまま首筋を通り、耳たぶを甘噛みした。舌を耳の輪郭にそって這わせ、耳の後ろに軽く口付けをする。エリコは、身体をゾクッとさせる『振り』をした。エリコはすでに旦那とのセックスでは感じなくなっていた。それでも、夫婦関係が不味くなる事を心配し、演技をして、感じている『振り』をしなければならない。子供の為にも、自分が我慢しなければという気持ちが、エリコの中にはあった。
スルスルとスカートを下ろし、来ていたセーターも脱がせたあと、旦那はテーブルにエリコを座らせた。
下着の上からエリコの割れ目に沿って舌を這わせる。徐々に下着が濡れはじめ、割れ目がクッキリと浮き上がってきた。下着が濡れているのは、旦那の唾液がそれを染めえているからであって、決してエリコの陰部からあふれ出た愛液ではない。
旦那は下着の隙間に舌をねじ込み、直接、ビラビラとした花弁に舌を這わせた。
舌を膣内へとねじり込み、右手の人差し指でクリトリスを刺激した。
エリコは、さも感じているかのように身体をねじった。
旦那の唾液で潤ったエリコの陰部に、右手の人差し指を挿入した。そして左手の親指でクリトリスを弄る。愛液というよりも唾液で濡れたエリコの陰部からはクチュクチュと音が漏れた。
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