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【完結絶対保証】ロシアンルーレットで異世界へ行ったら頭脳派の魔法使いになっていた件【三部作:完結】 作者:日比野庵

第三部:フォーの迷宮編

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20-176.どうやら、間に合ったようですね

 
 二つの人影の正体は、ロンボクとミカキーノだった。ロンボクはミカキーノに肩を貸していた。ミカキーノは細身の剣を杖代わりに床に突き立てている。その鋭い切っ先には緑の血液がこびり付いていた。さっき、小悪鬼(ゴブリン)達が混乱したのは、ミカキーノが切り捨てたからなのだろう。

 ロンボクは手にした杖を下げた。それに合わせ、杖の先端にはめ込まれた宝石から放たれていた白い輝きが消えた。

「どうやら、間に合ったようですね」

 ロンボクは、ほっとした表情を見せた。

「どうして君達が此処へ?」

 驚くヒロにロンボクが微笑みかける。

「ヒロさん、フォーの迷宮(ここ)にくる前、ギルドで万一の為に、救援隊を出すクエストをしていたのをお忘れですか。僕達がその救援隊ですよ」

「あれは十日経っても戻ってこなかった時だ。まだ五日も経ってないぜ」

 ソラリスが口を挟む。

「ミカキーノさんですよ」
「?」
「一昨日、ロッケンを見舞ったとき、救援隊のクエストの話をしたら、ミカキーノさんが俺を連れていけって言ったのですよ。今直ぐにってね」

 ロンボクがミカキーノを向いてニコリとしたが、ミカキーノはケッと言ってばつが悪そうに顔を背けた。

「でも、この間、リーファ神殿で治療を受けていたんだろう。動いてもいいのか? しかも此処はマナを……」

 マナを吸い取られるフォーの迷宮では、いつも以上に消耗が激しくなるのに大丈夫なのかと言い掛けたヒロをロンボクが制した。

「もとより承知の上ですよ。最初は僕も断ったのですけどね。冒険者としてはこれが最後になるからって」
「どういうことだい?」
「ヒロさん。フォーの迷宮(ここ)には、沢山のモンスターが住み着いていることは御存知だと思いますが、ミカキーノさんは親玉が居る、と」
「親玉?」
小悪鬼騎士(ゴブリンロード)ですよ」

 この場にはヒロ達とロンボク、ミカキーノしかいない筈なのだが、何故かロンボクは少し声を落とした。

小悪鬼騎士(ゴブリンロード)って、この間、君が言っていた小悪鬼(ゴブリン)達の王か?」

 ヒロの言葉にロンボクは首肯する。

「はい。小悪鬼騎士(ゴブリンロード)を斃すのは、ミカキーノさんの宿願です。ただ妙な噂を聞いたといってましてね。迂闊に踏み込んだら危ないと……」

 ロンボクはそこまで言って、ミカキーノに続きを促した。

「……仲間の冒険者からの話なんだがな。最近小悪鬼(ゴブリン)共が魔法を使うようになったらしい」
「魔法?」
「これまでの小悪鬼(ゴブリン)と思っていたら、怪我するぜ」

 意外なミカキーノの言葉だった。ヒロはロンボクに顔を向ける。 

「ロンボク、君は前、小悪鬼(ゴブリン)は魔法を使えない種族だと言ってなかったか?」

 ヒロが眉根を顰める。

「その通りです。ヒロさん、いや、その通りでしたというべきですかね」

 ロンボクの言葉が終わる前にミカキーノが口を開く。

仲間の冒険者達(そいつら)が、クエスト帰りに、この近くの村に泊まっていたんだが、小悪鬼(ゴブリン)達の襲撃を受けたんだ。仲間の冒険者達(そいつら)にとっちゃ、数匹程度の小悪鬼(ゴブリン)なんざぁ、相手にもならねぇ。だが、奴らの持っている矢や剣に硬化魔法が掛かっていたらしくてな。蹴散らすことは出来たには出来たんだが、かなり苦戦したそうだ」
「それは、魔法を使うというより、魔法が掛かった道具を使っただけなんじゃないのか」
「そうかも知れねぇがな。ゴブリン(あいつら)が魔法の弓矢を使うなんて聞いたことがねぇ。もしかしたら小悪鬼騎士(ゴブリンロード)がなにかやってるのかもな」
小悪鬼騎士(ゴブリンロード)は魔法が使えるのか?」

 ヒロの言葉にロンボクが首を横に振った。

「分かりません。ですが、王といっても小悪鬼(ゴブリン)小悪鬼(ゴブリン)です。普通に考えたら使える訳がありません」
「……ロンボク、思い当たることがないこともない。俺達はここの上の階層でも小悪鬼(ゴブリン)と戦闘したんだ。その時はバリアを張ったんだが、小悪鬼(ゴブリン)の矢が貫通しかけた。あの時はフォーの迷宮(ここ)のせいかとも思ったんだが、もしかしたら、あれにも魔法が……」
「ヒロさんのバリアがどれくらいの堅さを持っているか分かりませんけど、話を聞く限りでは否定できませんね」

 ロンボクが少し考え込むような表情で答える。

 この間の承認クエストの時もそうだったが、小悪鬼(ゴブリン)は囮や集団戦で襲い掛かってくる。単体では左程強くない小悪鬼(ゴブリン)だが、作戦立ててくる分、厄介な相手だと思っていた。その上に魔法まで使われたら増々大変になる。ヒロは頭が痛くなる思いだった。
  

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