挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
【完結絶対保証】ロシアンルーレットで異世界へ行ったら頭脳派の魔法使いになっていた件【三部作:完結】 作者:日比野庵

第三部:フォーの迷宮編

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

155/200

18-155.私のをおひとつどうぞ

 
 漆黒の帳が辺りを包むのを合図に、天空の星達が息を吹き返したかのように瞬き始める。

 満天の星空。

 空気が澄んでいるせいなのか、驚くほど星が近くに感じる。

「光の精霊ヴァーロ、リーファの名の下に命じます。此処に集いて我らを照らしなさい」

 リムが両の掌を上に向け、精霊魔法を詠唱する。光の珠が四つ、リムの手元から生まれた。白色に輝く珠はヒロ達四人の頭上で止まり、その場を明るく照らした。

 焚き火で明かりを取ろうとしたヒロをリムが制しただけのことはある。互いの顔がハッキリと分かる。もちろん、昼同然とはいかないが、燭台の灯りよりもよほど光量がある。余りの明るさに、ヒロは一瞬何処かの宿の軒先か何かだと思ってしまったのだが、お陰であるアイデアを思いついた。早速試してみる。意識を集中させ、心にイメージを描く。それは直ぐに物質化した。

 パシッ。

 高い音を立てて、周囲が六角模様に包まれた。ヒロが自分達を包み込む形で、魔法のバリアを半球状に張ったのだ。

「これで、どうかな」

 ヒロのバリアの直径は十メートルはあった。ちょっとしたテントだ。この世界で野宿をしたことがないので、夜露に濡れるといった心配があるのかどうかも分からなかったが、突然の天候変化や万一、モンスターに寝込みを襲われた時の事を考えると悪くない考えに思えた。

 バリアに断熱性があることは、犬山(カニスガラ)小悪鬼(ゴブリン)達を火葬したときに確認済みだ。空気だって、これくらい空間を取っておけば、()()になることもないだろう。

 ヒロ達は、石を並べただけの粗末な竈の回りに腰を降ろすと、食事を始める。ソラリスが待ってましたとばかりにカダッタの所で仕入れた携帯食料を取り出す。といっても見慣れた団子(キビエ)だ。普段から食してはいるが、日持ちはするし、意外と腹持ちがいい。ここにくるまでは、寝床を借りた村で食事も出して貰ったから、保ってきた携帯食を食べるのはこれが初めてだ。

「ヒロ、いつもの団子(ヤツ)だけどよ。迷宮(ダンジョン)探索の目処がつくまでは、腹一杯は食べれないぜ。何があるか分かんねぇからよ」

 ソラリスがさも何か言いた気な視線をリムに向ける。その意味はヒロにも直ぐに分かった。

「あ~。ソラリスさん。食いしんぼの私でもそれくらいは分かってますよ~」

 リムが握り拳を作った両手を上げて抗議する。釣られて一同が笑う。

「リムちゃん。私のをおひとつどうぞ」

 エルテが、笹皮に乗せた自分の団子(キビエ)を差し出す。リムがありがとうございますといって摘むと、これもといって、木の板を懐から出す。

 それは二枚の板の一辺を蝶番で繋いだ蝋板(ワックス・タブレット)だった。だが蓋を開けた中に入っていたのは、蜜蝋ではなく黄金色の蜂蜜だ。

「これを少し付けると美味しいわ」

 リムは言われるがままに団子(キビエ)に蜂蜜を付けて頬張る。彼女(リム)の顔が途端にぱあっと明るくなった。相当旨いらしい。エルテはヒロとソラリスにどうぞと勧め、二人も倣う。

 蜂蜜の香りを甘さが、味の無い団子(キビエ)を生まれ変わらせる。確かに美味しい。この世界の住民は、こうした食べ方をなぜしないのだろう。ヒロは不思議に思った。

「変梃な食べ方だが悪くないね」

 ソラリスが満更でもない顔をした。

「変梃なのか?」
「甘いのなんざぁ、最初から酒か茶に入ってる。わざわざ分けるなんて手間掛ける必要なんてないさ」
「俺の国では、こっちの喰い方が普通だったんだがな。お茶に蜂蜜を入れないからかもな。お茶が甘くない代わりに、団子を甘くする。どっちがどうとは言わないが」

 ソラリスのコメントにヒロが応じる。ヒロは蜂蜜がついた団子(キビエ)を見ながら、元の世界のみたらし団子を思い出していたのだが、こちらの世界の団子に味がついていない理由がなんとなく分かった気がした。

「口に入れりゃ同じさ」

 ソラリスがへへっと笑った。

●新連載はじめました!

「絶対無敵の聖剣使いが三千世界を救います」(旧題:覚醒した俺は世界最強の聖剣使いになったようです)
※リンクを張っていますので、上記をクリックしていただければ直接飛びます。 URLはこちらhttp://ncode.syosetu.com/n2085ed/

本編の八千年前の物語。レーベの秘宝に纏わる秘密・背景が明らかに!
こちらもよろしくお願いいたします

script?guid=on俺Tueee.Net! Ψ(`∀´)Ψ
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ