私の名前は宮野志保。現在、帝丹大学の大学院生。
私は今、つき合っている人がいる。
工藤新一君っていう、無鉄砲な男の子。
彼は私の命の恩人で、私も彼の命の恩人。
そんな縁で、私達はついに彼氏彼女の関係になった。
でも、私は今、困っている。
新一君が、なかなか私にプロポーズしてくれないのだ。
新一君は刑事の仕事と学業の両立で、なかなか家に帰って来ないし、私は私で講義が山ほど詰まっていて、なかなか2人きりになるチャンスがない。
私は、早く新一君と結婚したいとつねづね思っていた。
志保
「ふあぁ・・・後の講義は何が入っていたかしら・・・」
そんな事を言いながら、私はロビーの掲示板に目を通す。
志保
「あら?今日、薬学概説、休講だわ・・・」
私は、少しマシになったと思い、新一君にメールを打った。
『新一君、今日は薬学概説が休講だったから、今から家に帰るね。 志保』
私はメールを送信すると、パチンと携帯を閉じた。
志保
「さ、帰ろ!」
私が工藤邸に着いた時、新一君からメールが来た。
『志保、今日はオマエに渡したい物があってそれを買いに行くから、先に寝といてくれ。 新一』
志保
「は〜い!ルンルン♪」
私は、少し上機嫌になった。
風呂にも入り終え、眠くなった私は、2階に上がっていった。
志保
「ふあぁ・・・眠いわ・・・」
私は、そのままベッドに突っ伏し、眠りに落ちた。
それから数時間後、工藤邸に怪しい人影が現れた。
空き巣である。
男は工藤邸に近づくと、呼び鈴を鳴らした。
ピンポーン、ピンポーン。
しかし、志保は未だに起きない。
男はニヤリとし、覆面をかぶって、工藤邸に忍び込んだ。
男は、懐中電灯で辺りを照らしながら進んでいた。
やがて、2階から志保の眠り声が聞こえてきた。
男はそれを聞くと、またニヤリとし、2階へと上がっていった。
男が新一と志保の寝室に入ると、志保はまだスヤスヤと寝ていた。
男はニヤリとし、ベッドに近づくと、志保の口を塞いだ。
ガバッ!
志保
「ん〜っ!?」
「おとなしくしろ!!」
志保は、なす術もなく空き巣に捕まってしまった。
数分後、志保から金のありかを聞き出した男は、物色を始めていた。
志保はヒモで両手両足をグルグル巻きに縛られ、口にガムテープを貼られ口を塞がれて、壁にもたれさせられている。
志保
「う〜ん!う〜ん!!」
志保は、ジタバタともがいていた。
志保
「うぅ〜ん!!」
男は、せっせと札束を数えている。
「ヘヘヘ、やっぱり工藤優作の家だ・・・金がたんまりありやがるぜ・・・」
その男を、志保はふるえながら見つめていた。
志保
「(どうしよう・・・このままじゃ私・・・殺されるかも・・・)」
覆面をしているため、男の顔は見ていない志保だが、彼女の不安はなくならなかった。
「・・・さてと、そろそろズラかるとするかな・・・」
男はそう言うと、志保の方を向いた。
志保
「!!」
男は、ゆっくりと志保に近づいていく。
志保
「んっ!んん〜っ!!」
志保は、ジタバタともがいた。
「さて、どうしたものかねぇ・・・」
男は、ふるえている志保をジッと見つめた。
「この娘、けっこう上玉だよなぁ・・・」
そう言うと、男は志保ののど元に手をかけ、持ち上げた。
グイッ。
志保
「んんっ!!」
男は、ニヤリと笑みを浮かべる。
「こんな上玉、この家の主のモンだけにしとくのはもったいねぇな・・・」
志保
「んんっ!」
「ヘヘヘ・・・ちょっとかわいがってやるか・・・」
男はそう言うと、志保の服に手をかけた。
志保
「んっ、んんっ、んん〜!!(な、何するのよぉ〜!!)」
志保はジタバタともがいたが、男はなおもニヤニヤしている。
「ヘヘヘ、いい体してるぜ、お嬢ちゃん・・・」
男は、志保の服を脱がせようとする。
志保
「(くっ・・・口を塞がれてなかったら、かみついてやるのに・・・!!)」
志保は、歯ぎしりしていた。
「さて、この邪魔な物をはがすか・・・」
男は、志保のブラジャーを外そうとする。
志保
「くっ・・・(助けて、新一君!!)」
志保が目を閉じたその時、扉がガチャリと開いた。
「な、何!?」
志保
「(え?)」
男と志保が振り向くと、そこには新一が立っていた。
新一
「困るなぁ・・・人の家に勝手に入っちゃ・・・」
「だ、誰だオマエは!!」
新一
「工藤新一・・・探偵さ・・・」
「な、何!?」
志保
「(新一君・・・)」
新一君は、いつもの笑みを浮かべている。
「ふざけるんじゃねぇ!!」
男は、新一君に飛びかかろうとしたが、それよりも新一君の方が速かった。
新一
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
ドドドドドド!!
「がはっ・・・」
新一
「ハアアアアーッ!!」
ドゴォ!!
新一君のかかと落としが決まり、男は床に崩れ落ちた。
新一
「志保!!」
新一君は私に駆け寄り、口のガムテープをはがしてくれた。
ピリリ・・・
志保
「イタタ・・・ケホケホ・・・」
新一君はそれから、手足のヒモをほどきにかかる。
数秒後、私は拘束状態から解放された。
新一
「志保、大丈夫か?」
志保
「新一君!ありがと・・・!!」
私は新一君に抱きついた。
新一
「ゴメンな・・・オレが早く買って帰って来ないばっかりに、オマエを怖い目にあわせてしまって・・・」
志保
「ううん、大丈夫・・・ちゃんとあなたが助けに来てくれたもの・・・それより、買って来た物って・・・?」
新一
「これ・・・」
新一君は、私に何かの箱を渡した。
私は、箱を開けた。
志保
「これは・・・」
中には、キレイな指輪が入っていた。
新一
「これ、婚約指輪だよ。」
志保
「婚約指輪・・・」
新一
「志保、オレと結婚してくれないか?」
私は、目が涙でいっぱいになった。
志保
「は、はい・・・喜んで・・・」
私と新一君は抱き合い、キスを交わした。
それから1ヶ月後、私と新一君は結婚式を上げた。
式には多くの人が詰めかけ、『事件を乗り越えて結ばれたカップル』としてテレビでも話題になった。
その後、私と新一君に2人の子供ができた・・・
7年後・・・イギリス−ロンドン
「ねえ、お母さん・・・お母さんは、今幸せ?」
志保
「ええ、幸せよ、哀子。」
哀子
「お父さんは?」
新一
「もちろん、幸せだよ、哀子・・・」
「哀子ー!向こうでサッカーしようぜー!」
哀子
「あ、今行くよ、一保!」
私と新一君との間に生まれた双子の兄妹・・・工藤一保と工藤哀子。
2人は今年、ロンドンブリッジジュニアスクールに入学する事になっている。
志保
「子供って、本当にカワイいわよね・・・」
新一
「ああ、オマエには負けるけどな・・・」
志保
「んもぅ、新一君ったら!」
一保と哀子に、これから先どんな困難が待っているかはわからない。
でも、この2人なら、どんな困難も乗り越えていけるだろう。
何てったって、私と新一君の子供なのだから・・・
一保と哀子の未来に、幸あれ。
おしまい
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