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54.ゆったりまったり、せん滅


 久しぶりに俺は庭でぐでーっと日向ぼっこをしていた。


「すごく、気が抜けてるね、アナタ」

「いいじゃないか、ヘスティ。こうして一日中、ゆったりできるのは久々なんだから」


 思えば、最近、動き過ぎたような気がする。


 たまにはこういう何にも考えず太陽の光を浴び続けるのもいいじゃないか。


「……で、ヘスティは何やってんだ?」


 俺の傍で、ヘスティは山盛りの魔石をより分けていた。


「杖に使えるものと、使えないものの、より分け」

「違いとかあるのか?」

「ある。大きければ、魔力を貯めこむから、使いやすい。小さければ、使い捨てるのがいい。だから小さい魔石は、魔法弾とかの推進剤とかに、なったりする」


 へえ、そんなことも知ってるのか。


「一応、武器関係なら、我、知ってる。あと、昔は、使い捨ての魔石を一杯使って、人間砲弾とか、やって遊んでたから、詳しい」

「それは本当に遊びなのか?」

「空を怖がってとべない飛竜とかにも、やったりする。これで推進剤にして、無理やり、飛ばせる。飛べて一人前、みたいなもの、でもある」


 逆バンジーみたいなものか。スケールが違うけれども。


「今回は大量だったから。飛ぼうとすれば、一杯飛べる。アナタもやる?」

「いや、遠慮しておく。俺はそんな勇気を試す遊びよりも、こうして日向ぼっこでまったりしてる方が好きなんでな」

「んー……、周囲のモンスター、ぼこぼこにしているけど、それでも、まったり、できてる?」


 ヘスティの言うとおり、俺は庭に集まってきているモンスターたちを、ゴーレムで迎撃していた。

 だがまあ、いつもの作業だ。特に肩に力を入れるでもなく、寝転がったまま出来る。


「ん、結構、強そうなの、来てるのになあ。……あ、今、吹っ飛んだ」


 俺が任意で動かすゴーレムの他にも、自立型のゴーレムがいて、自動迎撃してくれるシステムになっている。だから、物凄く楽に片が付けられる。


「うん、こういうまったり感、いいわあ……」


 なんて、思っていると、


「え……ちょ、た、たまには裏口から来ようと思っただけだ。私は何もしてないぞ?!」

「アレ? なんか変な声が聞こえるな」

「ま、待ってくれ、ゴーレム! 私はほら、武装解除しているだろう? だから、あっ、装備を脱がさないでくれ。その鎧は駄目だって、こらあ!」


 なんだか自立型ゴーレムとイチャついている姫魔女の姿が見えた。


「……あいつ、なにしてんだ?」


 いつもの方角から来ればゴーレムの感知に引っかかったりしないのに、なんでわざわざ北側から俺の家に向かってきたんだろう。

 

 一応、敵意さえ見せなければ、ゴーレムは武装解除するだけの設定にしてある。

 だから、服を脱がされているのだろうけれども。


「さあ、分からないけど、止めなくて、いいの?」

「あー……そうだな。もう少しまったりさせてくれ。そしたら、止めるよ」


 まだモンスターがいるし。自立駆動ゴーレムを止めるの、手間だし。


「ん、分かった。あと数分で全滅すると思う」

「そうか。じゃあ、それからだな」

「ちょ、誰か! というか、ダイチどの!? た、助けて――!!」


 モンスターが全滅した後、俺は自立駆動ゴーレムを止めた。

 ディアネイアは半泣き状態でひんむかれていたけれど、重要な部分の服は残っていたし、無傷だったし、まあ、いいだろう。


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