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14.サクラとの関係


 ウッドアーマーとウッドゴーレムのお陰で庭作りは順調である。


 例え大きな岩があっても、合成量を増やせば、更にアーマーも大きくなるので、対応可能だったりする。


 問題は、やはりでっぷり体形だが、最近は記憶の中の仁王像を使ってシェイプアップしたりしているので問題なし。

 

 庭も庭で、拡張したのに合わせて、リンゴ畑とトラップを一気に増やした。


 トラップの作り方にも慣れてきた。

 体の中にある魔力を、家を通して出す感覚だ。


 何もかもが、順調に進んでいたのだが、


「ふう、腹が減った。サクラ、メシでも――って、大丈夫か?」


 その日、サクラの様子がおかしかった。

 いつものように昼間に起きて、夕方まで活動して家に戻ったのだが、


「は、はい……大丈夫、ですよ」

 

 どうにも、顔色が悪いような気がする。


「どうした? 一旦、家で休むか」

「いえ、それは主様の迷惑に――」


 喋っている最中に、サクラは俺の方に体を倒してきた。


「とと、本当に大丈夫か?」

「あ……すみません」


 立ちくらみするなんて、明らかにおかしい。

 でも、このまま聞いても、『大丈夫』の返答がきそうなので、


「サクラ、俺は君の所有者として確認したいんだが……今の体調はどうなっている?」


 そう言うと、観念したようにサクラは喋り出した。


「魔力を、一時的に消耗しすぎたようです」

「あー」


 最近は、罠を作ったり、アーマーを常に改良したり、とサクラと同期し続けるのが多かった。

 サクラと同期すると、俺の魔力消費はかなり抑えられる。だが、サクラの消費が多くなるようだ。

 だからか。


「それに加えて、つい、主様といるのが楽しくて、補給せずに過ごしてきてしまいましたから、自業自得です」

「治るのか?」

「龍脈から常に供給されているので、それを受け取れば大丈夫です。数時間休めば元気になりますので」


 汗をかいた顔で笑うが、辛そうだ。

 しかも、彼女の体調が悪いからか、家の調子がおかしい。


 ギシギシと軋んでいるような音がしている。


「申し訳ありません。私が弱っているから、家も弱っていますね……」


 家の精霊だ。

 彼女が弱れば、その家も弱るのだろう。


「……早く治す方法はないのか?」


 なんだか、心配だ。

 俺みたいに食ったり寝たりで、すぐに補給するとかできないのだろうか。


「あるには、あるのですが……。主様から補給することになるかと」


 なんだ。方法があるんじゃないか。


「俺が補給することで治るんなら別にかまわん」


 存分にやってくれ。

 どうやって補給するんだ?


「あの……そうですね。ええと、魔力を満たすには、三大欲求を満たすのが一番と言われていますよね?」


 ああ、そうだな。

 食事とか、睡眠で俺は回復するわけだし。


「それで、その……私の場合は、性欲、を満たしてもらう必要があります」

「……うん?」


 聞き間違いかな。

 サクラ、もう一度言っておくれ。


「ですから、性欲、です……」


 サクラは顔を赤くして、恥ずかしそうに言ってくる。


「えっと……食欲とか、睡眠欲じゃ駄目なのか?」

「私はほとんど睡眠もしませんし、食事でもほとんど回復できません。むしろ食事で回復できる主様がすごいんです」


 そう言えば、サクラが眠った姿を見たことがない。

 あと、食事もそこまで取ったりしない。かなりの小食で、よく持つなあ、と思っていたのだが、


「なるほどなあ……って、いつもは、どうやって補給を?」

「ええと……こんなに消耗することは無いので、自分で慰めていたりとか。でも、それだけじゃ間にあわなかったようです」


 気付かなかった。

 思いっきり爆睡してたし、俺。


「と、ともあれ、一度、休めば治りますので……」


 サクラは申し訳なさそうに顔を伏せた。


「んー……でもさ、サクラ、俺から補給を受けた方が、確実に、早く治るんだよな?」

「は、はい、それはもう。休憩するよりはるかに、効率的に魔力を回復できますので」


 なるほど。

 じゃあ決まりじゃないか。


「よし、サクラ。やるぞ」

「え?」

「君の欲を満たそう」

「――よ、よろしいのですか?!」


 うお、声がでかくなったな。

 そんなに驚くことか。


「だって……私は、ただの精霊ですし。主様に見合うかもわかりませんし。いいのかな、と思って……」

「少なくとも俺は、良いと思っているよ」


 サクラを可愛いし、性格も好ましい。いなくなられると困る位に、大事だと思っている。

 サクラが拒まないのであれば、俺は喜んでこの体を貸そうと思う。


「それは……本当に嬉しいです……」

「サクラ……?」


 サクラはほほ笑みながら、涙ぐんだ。


「私は……主様が生まれた時からずっと、お慕いしておりましたので。……なので、これは本望です」


 そんなに前から俺の事を見ていてくれたのか。有難いな。


「ああ、俺もサクラのつらそうな姿は見てられないからな。俺の安住の地が無くなるのと同じくらい困る。だから――」

「――はい、一緒に……」


 そして、俺とサクラはそのまま体を求めあった。

サクラとの関係が少しだけ変化しました。


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