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10.自宅を安住の地に変えていこう

「今日は庭づくりをしよう」

「トラップ作りですね。了解です主様」


 先日、竜が絡んできたわけだが、今のままでは対空装備が少ない気がしたんだよな。

 

「対空ですか」


 地表の相手に対するトラップはある。


 けれど、空に対しては各個迎撃しかない。それは手間だ。


 だから、庭造りのやり直しする必要があるのだ。


「了解しました。では、どんなものを作りますか?」


「うん、そこが一番の問題だよなー」


 どんなものを、と言われても、材料はリンゴの木しかない。

 空にリンゴを打ち出しても、特に何の意味もないし。


 どーっすかなあ、と思っていると、


「ん? アレって、まさか――」


 この前、飛竜が焼けて落ちてきた所に、金色が見えた。


「――こっちにも金のリンゴついてら」

「あら、本当ですね」


 しかも一個だけではなく、二~三個、まとめて付いている。


 本当に竜のエキスを吸うと金になるらしい。

 法則性が見えてきた。竜は金。覚えておこう。


「それでは、この金のリンゴ。今、食べちゃいますか?」

「いや、これはこのままにしておこう」


 今は元気満タンなのに、精力がギンギンになっても仕方ないし。


 体力が無くなった時に残しておくとして、まずは庭の対空化だ。


「って、竜とリンゴで思い出したけど、あの姫魔女は、竜に炎の槍を投げていたな」

「そういえば、そんな魔法を使っていましたね」


 なら、樹木の槍はどうだろうか。


 鋭利な樹木を空に打ち上げれば、そこそこの威力になる筈だ。


「樹木に、俺の魔力を『上乗せ』して打ち上げたり、出来るかな?」

「出来ますが、『上乗せ』はする必要がないと思いますよ? あれ、同期の下位互換ですから、同期で十分です」

「あ、そうなの?」


 なんか、姫魔女の奴が感動していたけど。

 そんな大した技術じゃないんだな。


「はい。上乗せの方が簡単ですけれどね。一方的に魔力を渡して、魔法を行使させるだけですから。私たちからすれば簡単な技術です」


 なるほどなあ。

 俺、魔術、魔法の事は良く分かっていないまま、魔力を使っているからな。


「魔力の使い方を形式化したのが魔法、魔術なので。主様ほどの魔力があれば形式を使う必要、ありませんから。常にイメージで大丈夫です」


 お墨付きを得てしまった。

 まあ、俺も長い呪文を詠唱するとか、呪文の単語帳を覚えたりとか、したくないからいっか。


「それじゃ、上乗せは使わないことにするよ」

「はい、足元の石を投げたりする時くらいは、上乗せの方が楽かもしれませんが、それくらいですね。基本的に私(自宅)との同期で、全部動かせますので」


 改めて思うけど、本当に便利だな、サクラは。


「えへへ……おほめ頂き光栄です」

 

 それにしても、同期にせよ、上乗せにせよ、基本的に触れる必要があるのは変わらないんだな。

 だから互換って言ったのかもしれないが。


「はい。魔力の受け渡しは接触が基本です。といっても、上乗せした魔力は一時的にしか留まらず、すぐに使われてしまうので、補給にはならないのですが」

「それじゃ、回復したい時は、生理的欲求を満たす必要がある、と」


 なるほど。そういうことらしい。

 なんだか少しだけ魔力について知れた気がする。

 

「ん、いい話もきけたし、作業に入ろう。のんびり作っていこうぜ、サクラ」

「はい、主様っ」



 

 そのまま俺は庭の一部を改造した。

 やったことは簡単だ。よくしなる木を、曲げた状態で地中にセッティング。そこに槍を仕込めば、ばね式対空槍の完成である。

 

 あとは魔力を込めれば、ばねが動き、垂直に打ち出される仕組みだ。

 軽く実験してみたが、


「おお、意外と飛ぶな」


 上空一〇〇メートルくらいは余裕で飛んだ。

 作るのも楽だし、木の槍を量産していこう。


「これで空からの問題も投げやりで解決できるな」

「はい!」


 というわけで俺の家、対空装備の設置、完了。

 また一つ、俺の実家は安住の地に近づいたのだった。

うおお、本当に沢山の応援、感謝してもしきれません! 少しでも応えるべく今日も複数本更新します! 明日から土日ですし、そこでも一本でも多く更新できるように、がんばります!

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