これ、ダウンタウンの昔のコントを下敷きにしてます。今、DVDが出てるのでよろしかったらどうぞ。おもしろいよ。でも、収録されてるかなぁ。タイトルを忘れてしもうたんで確認できん。
射殺するのに飽きてきた。去年は二千人くらい射殺してるけど何だかくだらなくなってきた。
ちなみにオレは警察官。
まったく腹が立つ。一日に数人は必ず悪いことをするヤツが出てくるからつい射殺してしまうが、これじゃ弾のムダだ。
給料を上げてくれればオレも喜んで射殺してあげるのだが、いかんせんこの安給料じゃねェ。拳銃ってね、撃つとごっつ腕が痛くなるんよ。
まぁしかしそれでも撃たねばならない。仕事だからな。いや、というより初心を思い出せ。お前はカネのために警官になったのか? 違うだろう。世のため人のためになったのだろう。だったらちゃんとやれ。
てな感じで町内を巡回。てゆっとるうちに、やれやれ。また「ワル」がおる。
「こらぁ」
ぱああああああああああああああああああん。
「ぐぎゃあああ」
自転車の後ろに乗ってた女子高生の額に弾が命中。オレってほんとプロだぜ。
額から血をプシューと出した女子高生は吹っ飛んで宙に舞い、道路に飛び出した。ノーヘルでしかも二人乗りしてたのだ。なんというワルだろう。
道路に飛び出した女子高生は車にはねられた。
車は足止めされ、一挙に交通渋滞になってしまった。迷惑なガキだぜ。ったく。
もう一人の女子高生が自転車から飛び降り、道路に倒れてる相方、グチャグチャの肉の塊に駆け寄った。
「よしこォ。よしこォ」
相方の死体を抱きかかえ、空に向かって叫んでる。やかましい。
仲間の警官が交通整理のためにやってきた。
「田中さん。どうなされました?」
「いやね。こいつら、二人乗りしとったんですわ」
「マジですか? そいつはひでえ」
女子高生は今にもオレたちを殺しそうな目つきで睨んだ。
「なにがひどいだよ! 人殺し!」
オレたちは、手を広げ、やれやれ、ふぅとため息をついた。
「あのね。君たち、二人乗りしてたでしょ。違法なんだよ。わかってる?」
「てめえ!」
女子高生は制服の内ポケットからジャックナイフを取り出すと、山本巡査に向かって突進した。
突然のことだったので、山本巡査は胸を刺され即死した。
「はぁはぁはぁ。ざまーみろ」
返り血を浴び顔が真っ赤になった女子高生はしばらく興奮していたが、だんだん冷静になってきて、怖くなってきた。
「ど、どうしよう。あたい、人殺しちゃった!」
今にも泣きそうである。
オレの足にすがり泣きついてきやがった。うぜえ。
「どうしよう、おまわりさん。どうしよう、おまわりさん。あたい、人殺しになっちゃったよぅ。人殺しになっちゃったよぅ」
まったくこいつはアホか。法律をちっとも知らんな。
「お前なぁ。何うろたえてんだよ。別に刑務所とかには入らくていいんだから安心しろよ」
「わぁーん! わぁーん!」
まったく聞いちゃいねえ。でもこれも仕事だから一応説明する。
「いいか? お前が山本巡査を刺したのは、友達の敵、つまり復讐のためだろ? そういうのは合法なんだよ。そりゃ、遊びで撃ち殺したとか試し撃ちしたとかだと罪になるけど、そういう立派な理由があるなら罪にはならないんだよ。食べ物を得るために八百屋の親父を射殺するとかね、そういうのはいいだろ? 食うためってちゃんとした理由があるからね。射殺も食うための仕事労働になるわけ。逆にね、昔、石油のためにアメリカ合臭国って国が石油のよくとれるイラクって小さな国を分捕ろうとした時に、イラクの子供たちを劣化ウラン弾ってものすごい兵器で吹っ飛ばしてぐっちゃぐちゃにぶっ殺したって犯罪事件があったでしょ? 我が国も喜んで支持してたけど、ああいうのはいかん。だって、それってアメ車を小さくすれば済む話やん。アメ車はデカいからガソリンがかかりすぎんねん。燃費のかからない日本車に切り替えれば済む話やん。そりゃアメリカの言い分もわかるよ。今、あの国は大量の二酸化炭素を撒き散らしながらも環境問題に取り組もうとしてるからね。劣化ウラン弾だってその一環だ。あれは核の廃棄物で作ってるのにものすごい殺傷力のあるエコ兵器だ。リサイクルだ。再利用なのに、しかもクソの役にも立たん発展途上国のガキどもを大量にぶっ殺すことができる。環境にいいよね。ああいうのはいいわけ。わかる?」
涙と鼻水で顔がグシャグシャになった女子高生は道路にげろげろゲロを吐き始めた。
「うわ。汚ねえなぁ」
しかたなしにオレは女子高生を射殺した。
「ぐぎゃあああああああああ」
女子高生は額から血を噴出し、ゲロにまみれた山本巡査の上に倒れた。
「道路はきれいにしなきゃいけないという法律も知らないのか。近頃の女子高生は」
オレは腹が立って女子高生の死体の腹を蹴飛ばした。すると、死んでるのにぷぅと間抜けな屁をぶっこきやがった。
ったく。最近は常識のないヤツばかりで困る。こういう「ワル」がいるからオレたち警官の仕事が増えるのである。困ったものだ。(了) |