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ユダの即興曲
作:マギ



8A.買出し途中


「ほら、譲ちゃんこれはおまけだよ。」
大量に買い込んだ携帯食糧が詰まった紙袋と一緒にみずみずしい真っ赤な林檎が手渡される。
「ありがとう、おじさん。」
ここは聖地とかでここに住んでいる人たちはみんな信仰深い。
だから俺の着ている修道服で俺を教会の人間だと勘違いして
いろいろとおまけをしてくれたりする。
あったから着せられたという俺は、かなり複雑な気分だけどな。

シャリ
「歯ごたえは林檎なのに味は桃かよ……。」
いや、美味いからいいんだけどさ。
林檎と紙袋片手に街をぶらぶらする。
レリエルの奴は教会に用があるとかで今はいない。
それにしてもすごい人ごみだなー。
そんなことを考えてきょろきょろしてたら

ドカッ
正面衝突した。

「うわぁ。」
「いっつー。」
相手が走ってたらしく派手に転ぶ。
大して痛くはないが、紙袋の中身が道に派手に散らかる。

「あっ、ねーちゃんごめん。」
そう言ってぶつかってきた人が謝りながら、荷物を拾い始める。
くりっとした茶色の目が特徴的な赤茶短髪の青年。
どうやら悪い奴じゃなさそうだ。

「別にいいって。」
俺もそう言って拾い始める。
さすがに二人がかりだとあっという間に集まる。
「俺、オルクスって言うんだ、ねーちゃんの名前は?」
自分が拾った分を紙袋に入れながら彼が聞いてくる。
「アテルだ。」
偽名を名乗る心苦しさを飲み込みつつ答える。

「アテルは今暇か?」
「暇といえば暇だけど。」
これは、この雰囲気はナンパか?
俺は男なんだけど、それは通じないだろうし……。
どうやって断ろうかとぐるぐる考えていると

「それじゃぁ、ルベルを探すの手伝ってくれねぇか?」
ま・さ・か
「お前迷子か?」
「はぐれただけだ!!!」
むきになって答えてくる。

あぁ、わかりやすい。
レリエルにもこれの半分ぐらいの素直さがあれば、
もうちょっとらくな旅になるだろうに。

「そのルベルってどんな奴なんだ?」
「青くって冷たくって……でも、無視されたことは無いなー。」
レリエルとおんなじタイプか。
でも青って……それ人間なのか?

「んじゃいくか。」
「おう!!!」

そうして俺とオルクスは人ごみの中へと消えたはずだった。
なのに
なのに

なんで不良達に囲まれてんだよおぉぉぉーーー!!!!












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