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ユダの即興曲
作:マギ



7B.こうして道は重なった


いつもこうだ。
何時もどんな事でも平然と受け止めるくせに
たまに物凄く脆く見える。
俺はルベルの相棒なのにあいつの事を何も知らない。
俺はそんなに頼りないのか?

「オルクス、私の話を聞いてるか?」
「へ?うん、聞いてるよ。」
「…………。」
そんなうっさんくさそうに見なくてもいいじゃん……。
いや、そりゃ聞いてなかったけどさ。

「とにかく、旅の支度だけはして置くように。」
「何処に行くんだ?」
「やっぱり聞いてなかったな。」
「………ごめんなさい。」

ため息をついてからルベルは面倒そうに語る
「リュエインへ行くんだ。」
「りゅえいん?」
どっかで聞いたことのあるような、無いような?
「教会の本部…つまりは聖地だな。」
「ルベルって、神様なんか信じてないよな?」
すくなくとも、教会で祈ってる姿なんか見たこと無いぞ。

「神の存在は信じているが、それに祈ろうとは思わない。」
「……どういう意味だ?」
ルベルはまためんどくさそうに、それでも答えてくれる。
「神はいるが、私はそいつが嫌いだ。」
簡単な返事をありがとう。

「それじゃぁ、行っても意味ねぇじゃん。」
「私が用があるのはそこに住んでいる人物だ。」
「誰?」
やっぱ、気になるだろ。

「ヤペテ・ノア」
預言者だ、と彼女は続けた。

「その、預言者に何の様なんだ?」
「オルクスは預言者がどうやって予言をするか知ってるか?」
手をあげて
「未来予知。」
「豆腐の角に頭をぶつけて悶絶しろ。」
豆腐ってあのプルプルしてる四角くて白い、喉越しさわやかな食べ物だよな。

「涎を出すな。」
慌てて口を閉じる。
ぎりぎり垂れて無いみたいだな。
「…………。」
何でそんな呆れた目線を送られなきゃいけないんだよ〜。

「預言者は神の糸を見ることができる。」
ふむふむ。
「人にはその糸が繋がっていて、一般的に糸の事を『運命』と呼ぶ。」
「でも、ルベルは未来が知りたいわけじゃないんだろ?」
彼女は頷く。

「糸の先に用がある。」
つまり………
「神だ。」

ルベルの言葉に、久し振りに楽しいことがありそうな、そんな予感を抱いた。












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