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ユダの即興曲
作:マギ



2A.これも日常の一部分


「まさか…噂が本当だなんて。」
ギルはそれから二、三歩距離をおく。
それは片翼で3メートルはありそうな翼を広げ、蒼い硬質な輝きを放つうろこがびっしりと生えた
トカゲのような顔と肝の小さい者なら、みただけで倒れそうな蛇の瞳を持ち
一振りするだけで簡単に人を殺せる尾をもった。
ブルードラゴン
「グルルルル。」
低い声でドラゴンがうなる。
「へッお客様かと思ったらただの女とガキか。」
「でもよ、女のほうは結構上玉だぜ。」
砦から目障りな虫が五,六匹出てくる。
「お前らドラゴンなんて使って勝って嬉しいのか!!」
正義感丸出しのギルが声を荒立て盗賊たちを問い詰める。
盗賊たちがニタニタと下衆な笑いを浮かべ、リーダーらしき人物が口を開く
「俺達は試合してるわけじゃねぇんだ。
勝つか負けるかじゃねぇ。奪うか奪われるかなんだよ。」
「……。」
「おやおや、お嬢ちゃんは怖くて悲鳴をあげそうなのかい?」
再び耳障りな笑い声が響く。
「早く逃げろ!!」
ギルが盗賊たちを睨みながら叫ぶ。
「………うな。」
「…ッ!」
「声がちっちゃくて聞こえないな〜。」
すぐ隣にいたギルだけが俺の言葉に身を堅くする。
「だったら奪われる覚悟、出来てんだろうな。」
俺がさっきから沸き起こる憎悪と破壊衝動に駆られるままに力を使おうとすると
「おぃ、なに俺に内緒でキャラ変わってんだぁ。」
後頭部にトラックに引かれたとき並みの衝撃が!
俺、15999999のダメージ!!
「ァン?むやみやたらに足がはぇーんだよ。
追いつくのに貴重な体力を使っちまっただろうが。」
わかったから、瀕死状態の俺の頭から足をどけてください。
いやいやいや、何足ぐりぐり動かしてるの!
俺、地面に埋まるよ?!
「こんな屑でも首に賞金かかってんだよ。殺したら半額になるだろうが。」
「「「「「…………。」」」」」」
俺ら以外の人は全員固まってるし。
あの、ドラゴンですら固まってるよ。
レリエルのヤンキーモードは怖いからな。
………なんか俺の出番をさりげなく奪われた気がする。
「グッ、グガアァアァァァ。」
ようやく我に帰ったドラゴンが攻撃態勢となる。
ただその行動も、レリエルに正当な攻撃だといえるだけの理由をを与えただけだけどな。
「ブルードラゴンか、なかなかいい獲物じゃぁねぇか。」
「俺もたたかう。」
「お前はうろこを傷つけるからダメだつってんだろぉ。
ドラゴンは血の一滴から骨まで高値でさばけるんだからなぁ。」
売る気かよあれ。
レリエルは懐から15cmほどの黒い針を数本取り出す。
「そんなやわな獲物で何しようってんだ。」
「柔かどうか、てめぇの体で試しやがれ。」
針の一本を思いっきり男のなかの一人に投げる。
右肩に見事命中。
「へん?これぐらいどうってことねぇよ。」
右肩を針が刺さったままぐるぐると回してみせる男。
懺悔は終わったか?アンサズ・ゲボ
針は黄色く染まり、いや帯電する。
我が裁きと罰ナウシズ
 バチ
放電する音と共に男は悲鳴をあげる暇もなくぶっ倒れる。
ちょっとスッキリ。
「行けドラゴン!!」
リーダー格の男の言葉でドラゴンが口に炎を溜め始める。
地面にめり込んでると喉の奥でちらちらしている火まで見える。
…ここの位置危険じゃねぇ?
「炎には水と相場は決まってるだろぉ?!」
思いっきり喉の奥へ針を投げ入れるレリエル
「グァッ?!」
どうやら喉の奥で刺さったようだ。
きっと魚の骨が喉に刺さったたような感じがするんだろうなー。
あれ、呼吸するたびに揺れて痛いんだよ。
そこの美人のお姉さん(ウィルド)
ちょっと笑顔だぞアイツ。
「|俺とダンスを踊りましょう?(ケン・ベオーグ)」
しかも二段詠唱!
水と風のワルツを!(ラグズ・イーサ)
レリエルとドラゴンの攻撃は同時で、俺は当然のごとく両方の攻撃に巻き込まれた。
薄れゆく意識のなかで俺の言いたい事はただ一つ。

お前ら人のいない場所でやりやがれ〜!!!












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