第7夜:ストーキング・ブギ バックステージ
時間は小夜と凛がドンパチやり始める前辺りまで遡る
場所は職員室、その中では緊急の職員会議が行われていた
議題は勿論、生徒会室周辺の異常の解決だ
「はてさて、どうしたものですかねぇ・・・・・」
いかにも教頭といった顔の教頭がため息交じりに呟いた
「近づいて調べようにもにも、その前に気絶してしまいますしね」
いかにも体育教師といったガタイの体育教師もため息混じりに呟いた
「逃げ延びた生徒の証言を聞くと『背中にまるでピストルと刀を同時に突きつけられたような
恐ろしい殺気がして急いで逃げた、少しでも遅れてたらその見えないピストルと刀で背中を貫かれていたかもしれない』・・・・・・・だそうです。」
モブ教師Aがそう告げた
「・・・・・モブはあんまりじゃないですか」
いいの!!
「それで、あの時間に生徒会室を使用してたのは?」
教頭が職員に聞く
「昼休みには確か生徒会長が編入生に生徒手帳の配布を行ってた筈です」
モブAが言った
「・・・・・略されてるし」
「ということは、その編入生が類家に喧嘩でも売ったのか?」
体育教師が驚いたように言った
凛の恐ろしさは折紙つきらしい
とその時
ズガァァァァァァァァン!!
まるで机が凛によって木刀で吹っ飛ばされたような音がした
「むう、何てわかりやすい音じゃ・・・・」
老齢の地学教師が言った
「生徒会室のほうから聞こえましたねぇ」
「ついに始まりましたか」
「・・・・もう一刻の猶予もありません、何とかして2人を止めないと午後の授業に支障がで
てしまいます」
教頭がスッと立ち上がった
「こうなったら突貫あるのみです!!」
「きょ、教頭先生!!あんた男ですよ!!私もお供します!!!」
体育教師が感涙しながら立ち上がった
無駄に熱血な空気をだしてる
「・・・・待ってください。神風特攻隊になるにはまだ早いですよ」
「「え?」」
特攻しようとしてた2人はその声に振り向く
声の主は数学教師にして2−Cの担任、瀬尾 南だった
「・・・・いいなぁ、名前までついて」
「主人公の担任ですから」
モブAは自分の出生を嘆いた
「確か編入生の苗字は高倉でしたよね?」
「はい、瀬尾先生の所の一純君と兄妹のはずです、自己紹介のときに妙にそこを強調して言ってましたから間違いありません」
小夜の担任の岡山がそう答えた
(・・・・・メインキャラの担任に生まれたかった)
モブAは心中でそう嘆く。もう何を言っても無駄らしい事を悟ったようだ
「そして、確か類家さんは一純君の幼馴染のはずです」
「おお!!という事は!!」
教頭は瀬尾の考えが分かったらしくポンと相槌を打った
「そうです、一純君の名前を利用します」
そういうと瀬尾は携帯を取り出して電話をかけ始めた
プルルルルルルルルルルルル
「・・・・・・・・・」
プルルルルルルルルルルルルル
「・・・・・・・・・・・・・・」
ガチャッ!
「一純君?ちょっと緊急事態なんだけどね・・・」
『留守番電話サービスセンタ・・・」
ブチッ!!
「留守電でした・・・・」
教師達から落胆の色が隠せなかった
「いや、まだ大丈夫です」
そういうと瀬尾は再び電話のボタンに手をかけた
*
所変わって2ーCの教室
「ねえ、さっきの凄い音何だったんだろうね?」
御崎が佐倉に尋ねる
「そりゃあ、机が凛によって木刀で吹っ飛ばされたような音じゃないか?}
「もう、トンチンカンな事言わないでよ。僕までおかしい人だと思われちゃうじゃないか〜」
「おかしい人って言うなぁぁぁぁぁぁぁ!!」
辞典に埋もれた姿では少しの説得力も無かった
ピロロロロロロロロ♪
すると突然御崎の携帯が鳴った
「誰からだろう?」
そういうと御崎は電話に出た
「はい、もしもし?・・・・瀬尾先生?・・・・はい今2−Cですけど?・・・・・・・・・
・・はい?・・・・・いや、そこで寝てますよ?・・・・はい・・・・・・・はい・・・分かりました」
ピッ
「何だ?瀬尾ティ〜チャ〜がどうしたんだ?」
「うん、何か今の状況を打破するために、早急に一純君を起こしてくれだって」
「?なんとも不思議な電話だな?起こすだけでいいのか?」
「そうみたい、・・・・・・でも一純君さっきから何やっても起きなかったしなぁ・・・」
御崎はさっきまで一純の頬を引っ張ったり、鼻と口を塞いだりと様々な悪戯に興じていた所
だった
「だったらこうすれば一発で起きるぞ〜、ちょっと耳貸せ」
御崎がトコトコ佐倉に歩み寄り耳を貸した
ゴニョゴニョリ・・・・・・・
「あ〜、確かに基本を忘れてたね♪」
御崎は一純の所に静かに歩み寄り、その耳元に弱くそして長く息を吹き込んだ
「フ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ」
*
時間を同じくして放送室
中には3人の生徒がいた
一人が床に寝かせられたまま2人にパタパタ下敷きで扇がれてる
「せんぱ〜い、伝令さん大丈夫でしょうか〜?」
間延びした声の女生徒がもう1人の女生徒に聞いた
「・・・・ま、二階級特進ってとこかしらね」
先輩はサラリとそう言った
「殺さないであげてくださいよ〜」
伝令をパタパタ扇ぎながら後輩が言う
どうやら爆心地からココまで進入禁止の旨を直接伝えに来た生徒会の人間らしい
・・・・・・・・親分が元凶なのに・・・・・不憫な人達だ
「全く、何時になったら戻れるのかしら?」
先輩が苛立たしくそう言う
「さあ〜?」
音響設備の整ったこの放送室は壁も厚く回りの音も聞こえないので状況が分かりにくいのだ
「あ〜!!もう回りはどうなってんのよ!!」
先輩のストレスもピークだ
と、その時
プルルルルルルルルルル
内線が鳴った
ガチャ
「はい放送室です・・・・あ、ちょっと待ってください、メモ用紙出しますで・・・・・・・はいOKです・・・・・・はい・・・・・・・はい・・・・はい・・・・わかりました、じゃあスグに流します」
ガチャ
「お上からのお達しよ、今からこの通りに流してだってさ」
先輩は後輩の部員にさっきのメモを渡す
「了解しました〜」
そして後輩は放送器具にスイッチを入れていく
そして最後にマイクの電源を入れスイッチを押した
ピンポンパンポ〜ン
『お呼び出しいたします〜。・・・え〜と会長と妹さん、一純君が呼んでますので至急2−Cまでお越しください〜』
*
「ふ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「きいゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!」
そこに居合わせた2−Cの生徒はこう語った
男子生徒A
「いや〜、一純のあんな声初めて聞きましたよ。最初は一純だって気づきもしませんでした」
女生徒B
「もういつものイメージからは想像もできない声で・・・・もう教室中唖然としてたわ〜」
との事でした
「起きた〜?」
御崎がにこやかにそう言った
一方一純は自分の身に何が起きたか理解できず挙動不審状態になってた
お構いなしで御崎が続ける
「あのね?さっき瀬尾先生から電話があって『次の放送をよく聞いていて?そしてアドリブで頑張って!』って一純君に伝えるように言われたんだけど」
「は?・・・・放送?・・・・・・・アドリブ?・・・・」
起きたばかりの一純の脳には未だに現状が読み込めないでいた
「一体なんの・・・・」
ピンポンパンポ〜ン
「あ、放送始まったよ」
「え?」
『お呼び出しいたします〜。・・・え〜と会長と妹さん、一純君が呼んでますので至急2−Cまでお越しください〜』
(なるほど・・・・・)×2−Cの皆さん
一純以外の2−Cの生徒全員は瀬尾の意図を理解した
つまりこの事件の元凶は一純の幼馴染である生徒会長と一純の妹によるものなので、とりあ
えず一純の名前を使って喧嘩を止めるけども、そのアフターフォローはよろしくね♪・・・
っていう事だ
(・・・・でも余計な事言うと会長と妹に何されるか分からないから、喧嘩してたことは黙っ
ておこう・・・・・)×2−Cの皆さん
命より大事なものは無い
生物の生存本能がそういっていた
そして間も無く廊下から誰かが走ってくる音が聞こえてきた
一純は未だに状況が分からないままだった・・・・
to be continued・・・・・ |