第4夜:ストーキング・ブギ 1番
何気ない、いつも通りの毎日
今日も俺は学校へ行く
只、違う点があるとすれば、一緒に通う人間が1人、昨日よりも多いという事だろう
そう、妹の小夜だ
小夜は公言どおりウチの高校に今日から通うらしい
本当は編入手続きやらがある小夜はもっと遅く登校してもいい筈なのだが
「いいじゃないですか、初めて兄さんと一緒に登校するのですから」
と、返されてしまった
そう言われてしまうと、こちらも少し照れてしまう
そうこうして学校に着いた俺は小夜を職員室に案内してから別れ、自分の教室に入りいつもの日常を乗り越えるべく席に着き授業を受けるのだった
*
そうして昼
弁当の包みを開けていると、数秒前に購買にパンを買いに教室を出て行った佐倉の奇声が聞こえてきた
「おぉぉぉぉぉい!いずみん!!今日一年に編入してきた黒髪美人がお前の妹ってマジかぁぁぁぁぁぁっ!?」
背中にロケットエンジンを背負ったような勢いで佐倉が教室に突貫する
コイツはこの数秒でその情報を耳にして飛んできたのか・・・・
ていうか早すぎだろ
佐倉の一声で教室内がにわかにざわめく
それも当たり前だ
編入生の事も俺に妹がいる事も今まで一言も言った事は無いからな
周囲の眼差しが「それは本当か」と俺に向けられる
まあ、今更とぼけても意味はないしな・・・・・
「あぁ、その通りだ」
正直にそう答える
「妹さんを俺に下さい御義兄様ぁぁぁぁぁっ!!!」
佐倉のヤツがトチ狂った事をほざきながら俺にダイブしてきた
すると周囲から佐倉に向かって
バキッ
バケツが飛んできた
ゴスン
広辞苑が飛んできた
ドガンッ!
机が飛んできた
ドガガガガガッ!!!!
無数の国語辞典が飛んできた
・・・・・・・・今回はクラスメートが制裁を与えてくれた(主に男子だったが)
すると辞典の山に埋もれてる佐倉を踏み越えて教室内に入ってくる女生徒がいた
「一純はいるか?」
女生徒は俺に話しかける
長い髪を後ろでアップで束ねた髪型が印象的だ
「・・・・・やっぱり来たか凛」
俺の馴染みの顔だった
類家 凛
俺の幼なじみで、才色兼備、文武両道、実家は地元の名家と非の打ち所のない完璧超人にして、この学校の生徒会長を勤めるという、もう漫画でも今時希少な位の完璧ぶりである
「小夜の奴が帰ってきたの言うのは真実か?」
予想通りの質問が凛の口から出てくる
そして心なし髪が逆立ってる
・・・・・・・・殺気だってるな
「生徒会ならそれ位の情報入っているだろう」
俺は軽く答える
生徒会には学校中のあらゆる情報が入ってくるらしいからな
「・・・・・受け入れ難い現実というものもあるからな」
一瞬苦虫を噛み潰したような顔をすると凛はサッと身を翻す
「もう行くのか?」
「ああ、・・・・・・・一応生徒会長なもんでな。編入生に生徒手帳を渡すのは私の役目だ」
行こうとする凛に一純は少し不安そうな表情を見せた
「・・・・・一応言っておくが」
「分かっている、分別はつけているつもりだ」
そう言うと凛は再び佐倉の埋まった辞典の山を踏んずけながら、教室から出て行った
「やれやれ・・・・・・」
まあ心配だが凛も小夜も子供じゃあるまいし、杞憂だという事にしておこう・・・・・・
一純は広げた弁当を口に運ぶ
そしてまたまたまた一純は気付かなかった
凛の目に宿る決意と殺気に
・
・
・
凛は早足で廊下を進む
挨拶をしてくる生徒への反応も薄い
そして、少し思い詰めたような顔をしながら凛は思った
(・・・・・・・すまん一純、小夜だけは何としてでも今の内に始末しなくてはならない・・・・・・小夜の奴にアレがバレる前に・・・・・・・・これも愛の為だ、許せ一純・・・・・・・!!)
生徒会室の向かいながら、凛は一純に懺悔した
そして生徒会室の前に着くと、その扉を勢いよく開ける
ガラガラッ
凛は生徒会室に入るとロッカーに入っていたモノを静かに握り締めた
(言い訳は小夜を討ち滅ぼしてからだ・・・・・・・!!)
凛はそう静かに心に誓うのだった
to be continued・・・・・・・ |