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腹グロ王子と子羊ちゃんsideM 3
作:狐狸川ゆうら



再び、あさ。


「ん…むぅ……」

 俺は自分の体に掛かる圧迫感から逃れる為に寝返りを打った。
 腹の辺り、上も下も妙な感じがして目をうっすらと開けてみる。

「ぬぉ!!」

 驚きすぎて、俺はまったく昨日の朝と同じコトを繰り返した。
 びきっ。と固まり、慌てて逃げ出すと、勢い余ってベッドから落ちる。そしてやっぱり後頭部をしたたかに打ち付けて、痛みの余りに悶絶する。

「う…う…うわぁぁぁ!?ぬおっ!!」

 毎朝こんなに頭を打ってたら、俺、今以上にバカになるんじゃない…?

「な、なんで!?」

 ドッキンドッキンと心臓が踊り捲くり、あわよくば口から外に出ようとしている。とにかく落ち着こう、と立ち上がって胸に手を当て深呼吸。

 よく見ると中内の手が、俺の寝ていた辺りをパタパタと叩いて何かを探していた。

 もしかして、俺を探してるの?

「ん…」

 しかし見つからなくて諦めたのか、微かに眉を顰めると手は引っ込み、中内は膝を抱えるように丸くなって眠っている。

「…………」

 寝てる、よね?

 俺は昨日と今のドキドキの違いを知りたくて、恐る恐る中内の寝顔に顔を寄せてみた。

 一体ドコに行って来たのか知らないけれど、洋服のままベッドに転がっている。半開きに開いた口が、規則正しくスウスウと寝息をたてていた。
 その無防備ともいえる姿に、俺の鼓動は落ち着きを取りもどし、ホッとする。
 昨日の気を失うほどの高鳴りは消えているし、今までみたいに恐怖に竦む事も無い。

「…なんだ、大丈夫じゃん」

 俺はそう呟いて、顔を引き掛けた。

 すると、ふいに寝ていた筈の中内の口元がニヤリと歪み、気が付けば素早く伸ばされた腕に引き寄せられ、俺は再びベッドに逆戻り。

「おはようございます、室尾」
「あ……う…ね、寝てたんじゃ無いのかよ!?」
「寝てましたよ。でも、室尾の声で目が覚めました。大丈夫って云いましたよね?」
「!!」
「それって、昨日の答え?」

 冷や汗がタラリと頬を流れ落ちる。

「そ…そんなの知らねぇ!とにかく放せ!昨日のとかって、全然、覚えてねぇし!」
「ふぅん?…ね、キスしていい?」
「ぎゃー!!ダメダメ!絶対ダメ、止めろ!!」
「どうしてですか?昨日はよかったのに…」

 駄々っ子のように、口を少し尖らせて中内はそう呟いた。俺は、全身から溢れる冷や汗を止められない。
 ダメだ、ココで認めてしまったら最後だ!!負けるな守!何が何でも知らぬ存ぜぬで押し通せー!!

「ば、バカ!!違う、違うぞ!アレはなんかの間違いだ!気の迷いだ!!だからダメ!ダメったらダメ!!」
「なんだ、ちゃんと覚えてるじゃないですか。まぁいいですケド。だったらもう一度、試しませんか?」
「い・や・だ!!あ、ちょ、バカ、どこ触ってんだ!待て、コラ!!ナニ朝から発情してんだよ!!わぁぁ放せー!変態!!」

 俺はギャーギャーと喚き、中内の腕から逃れようと身を捩る。
 何でこうなるんだよ!?
 中内はとっても嬉しそうに、且つ、俺から見れば邪悪そのものでしかない笑みを浮かべて、頬や耳や首筋なんかにキスをしてくる。

「大切にしますよ」
「しなくていい!!しなくていいから、俺を放せ!いやだぁぁぁ!!」
「え、乱暴に扱われる方が好きですか?」
「はぁ!?ちっがーう!!何ソレ!?どおいう意味だコラ!!あ、バカバカバカ!!ヤメロってば!!」

 冗談じゃネェェ!!流されて堪るか!俺の人生、そう簡単に手放さないよ!?頑張っちゃうよ、俺!

 Tシャツに進入してくる中内の手を止めながら、俺は全力で抵抗した。そりゃもう必死で
すよ?
 その甲斐もあって、俺の悲鳴に麻広先輩と香川がすっ飛んでくる。

「コラ!宏二!!いくら春だからって、朝からうるさいよ!?」
「おーい、守、無事かぁ?」

「たすけてぇぇぇ!!」



 こうして俺の災難はまだまだ果てなく続く。



 もうイヤ、こんな生活。元の生活に戻りたいぃ〜…。
 ちくしょー!!何で俺ばっかりこんな目に遭うんだっ!
 やっぱり俺、絶対死んだら神様に文句を言ってやるっ。

 今だって言うケドね、絶対、絶対、全力で、耳元で、力いっぱいこう叫んでやる。


 神様のばかぁぁぁぁ!!


 コレがオチかよ!!ってツッコミが聞こえる…(涙)でも、一応これでsideM3はお終いです。
 しかし室尾クンの災難は、これからもっとエスカレートしていきます。でも……もしこれ以上書くと18禁になる恐れが(汗)
 付いて来て下さる奇特なお方はいらっしゃいますか?(笑)
 今はちょっと私事で余裕が無く、直ぐには出来ませんが…そのうち香川や麻広sideも書いて見たいカモ。
 読んで下さった皆様、本当にありがとうございました!













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