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今回から夏休み編!
第十七話 夏休み突入! 海で錯乱
:ツムジ視点:

「ツムジさん! ツムジさん! 見えてきましたよ!」

「ツムジ! 綺麗だぞ!」

「旋風ぃ! わらわは感激じゃ!」

「そうか、喜んでもらえるのは嬉しいんだが……バスの中では静かにしとけぇぇぇぇえええええ!!」

今日から俺達は夏休み。高校生活最初の夏休みだった。
期末テストの結果は全員まぁまぁよかったので補習はまのがれた。
よって、楽しい夏休みを送る事ができるのである。いやー、よかったよかった。

そして、察してもらうと嬉しいのだが、アパートの住人全員で海に行く事になった。水着や遊具、色々な事を思い浮かべて今日を楽しみにしていたのは主に異世界から来た三人だった。海は三人とも見たこともないといったので初めて海が見えたときはよほど嬉しかったのか、立ち上がって大声で叫びだした。

俺は先ほどのように三人を注意し、席に座らせる。
まぁ、バスの中には俺達以外誰もいないというのが幸いだった。
いや、バスの運転手がいたのだが、ちらちら俺達を見て苦笑していた。

「フリスちゃんは海は初めてって言っていたよね? 亡霊騎士(ゴーストナイト)君からどんなところか聞いていたの?」

「はい、人が多いけどとても楽しいところだと聞きました。絵本でしか見たことなかったので実際と比べると全然違いますね」

テンションのあがっているフリス達。
俺は窓側に座り頬杖をついて外の様子を見ていた。
水平線に浮かぶヨットやサファー達。砂浜には多くの人たちが集まっていた。

隣に座る光斗はイアホンから流れる最近の歌を聞いているようだ。
俺はあまりそんなのには興味がないから聞く事はないが、光斗は音楽鑑賞が好きだ。
そんなところが俺と光斗の違い。だが、共通点が多い仲間。一番の親友である。

「旋風、あんた、遠い目をしてどうしたのよ?」

と詩得が前の席から身を乗り出して俺に質問をしてきた。
横に向いていた頭を前に向けて「別に、なんか嫌な予感がするだけ」と言った。
ふ〜ん、と興味なさそうに答えた詩得は再び席について隣の龍守さんに「嫌な予感がするんだそうです」とつたえた。

すると今度は龍守さんが身を乗り出して俺に質問をしてきた。

亡霊騎士(ゴーストナイト)君はなんで嫌な予感がするんの?」

「いやー、勘ですよ。第六感。何時もの予感ですよ」

「ふーん、ま、頑張ってね」

何を頑張るんだよ。
心の中の呟きは本人にとどく事はないのだが愚痴ってしまう。
でも、逆に聞こえたら困るんだけどね。

「黒マフラーのお兄ちゃん、宿題明日にでも教えてよ」

と今度は後ろの席から瑠雨が俺の頭を手で掴んで耳元で呟かれた。
背筋がゾクゾクとして身震いをする。その後は冷静に瑠雨の額にデコピン。

「いたっ!」

「甘ったれるな。俺たちだって宿題はあるんだよ。龍守さんがいるだろ? 天才の中の天才がお前のすぐ傍に」

「別にいいじゃん」

そう言って諦めたように席に戻る。
ああ、なんか今年は今まで以上に疲れると言う予感は当たりそうだ。

「旋風ぃ! 海は広いのう!」

「当たり前だ。そして俺の座っている椅子を蹴りながら興奮するな」

俺の丁度後ろの席にいる風菜は椅子を蹴り飛ばしながら大声で言った。
もちろん頭を悩ましたのは言うまでもない。




バスを降りた後に俺と光斗、女性陣で分かれて着替えをしに一時的に別れる事にした。
とりあえず女性陣は時間がかかるといっていたので俺と光斗で場所取り、パラソルやシートを敷かなければならない。

とりあず、着替えを済ませて砂浜までやって来た。人はたくさんいるが去年よりはマシだと思う。去年は一人出来たが人が絨毯のように敷き詰められていた。今日はまだ隙間がたくさんある。マシなほうだろう。

「さてと、場所取りと」

「旋風はどこがいい?」

俺と光斗の水着は特に目立たないトランクスタイプのものだ。
俺は黒、光斗は青色だ。何故か知らないが龍守さんが俺達の分までの水着を用意していた。
備えあれば愁い無し、よく言ったものだ。

「とりあえずもうここで良くねぇ? 何となくもう疲れた」

「早いよ……まだ海にも入ってないのに」

「マフラーを脱ぐとどうも調子が狂う」

「ははは、それはさすがに大げさだと僕は思うよ」

さすがにマフラーを着たままでは泳げないので置いて来たがどーも調子がおかしい。
なんというかそんというか、違和感が残ると言うか……

「とりあえずシートとパラソルを準備しようよ」

光斗の言う事に肯いて、とりあえず準備だけでもしておく事になった。



「あ〜、暇だ」

「いや、まだシートとパラソル用意して三分も経ってないから」

野郎が二人そろってシートの上で寝転がっている光景はどうっからどうみても寂しい光景だろう。あれだよ、華がない。本当に何もない。

「お待たせぇ」

後ろから龍守さんの声が聞こえた。
その声に振り向くように上半身を起こし後ろを見た。

「「お、おおおー」」

この一言で終わってしまいそうだった。
龍守さんは大人の魅力をかもし出すような黒いビキニ。瑠雨は可愛らしいワンピースの水着で、浮き輪を体に通している。詩得はビキニに下は太ももまでしかないジーパンのタイプの水着。フリスは水色のビキニで上から白のシャツを着ている。ルーノは青色のビキニにサングラスをつけていた。あれだね、周りからの目線がこの五人に集まっている。

そして俺等も口あんぐり、いや、だってね、そうだろ?
いや、絶対にこれ目のやり場にいろいろ困るって。

亡霊騎士(ゴーストナイト)君、場所取りご苦労。大変だったでしょ?」

「い、いや別にそこまで苦では……」

「はは〜ん、亡霊騎士(ゴーストナイト)君は私たちの姿に戸惑っているんだな? 沈黙信号(サイレント・メーデー)君なんて私達と目をあわそうとしてないもん」

ああ、そうですよ。
こっちが恥ずかしすぎてまともに顔すら見れないですよ。

「ツムジさん……似合ってますか?」

頬を赤らめて俺を見詰めてくるフリス。
ヤバイ……マジでヤバイ。目のやり場に困るし、そんな頬を赤らめていわれてもこっちが緊張して返答に困る。どうにか答えなきゃいけないと。

「えっと、まぁうん。可愛いよ」

何とか声を出すことができたが俺からしたらそのセリフすら恥ずかしかった。
だが、フリスは嬉しかったようで「やった」と小さな声で呟いた。

「私もどうだ?」

「ああ、うん。似合ってる」

するとルーノも同じように呟き、小さくガッツポーズ。
俺は首をかしげていると、

「つ、旋風! 私はどう思う?」

「詩得? うん、似合ってるよ」

さすがに三人目は慣れたのか笑顔で返す事が出来た。
詩得はゆでたように赤くなり、もじもじとし始めた。それはそれで可愛い。

「で、風菜はどうした。風菜は」

とりあえず風菜がいないことに気がつき、五人に問う。
返ってきた言葉は「もうちょっとで来るわよ」という龍守さんの答えだった。

そんなことを言っている傍から前から風菜が走ってくるのが見えた。
その姿に俺は口元を吊り上げるばかり、隣の光斗も苦笑している。

「どうじゃ! 旋風!」

やって来てそうそう質問された。
何がどうなのかと言われても困る。風菜の着ている水着はどこからどう見ても小学生用のスクール水着。ああ、うん。

「似合ってる」

「よし!」

何がよしだ。
どのあたりが良いのかがさっぱりだが喜んでもらえたのなら良かっただろう。

そして俺達は、この海で新たな出会いをするとは思いもしなかった。
作者「今回から夏休み編に突入です!」

旋風「んで、次回は新キャラ登場?」

作者「イエス! さてさて、誰が出るんでしょうか?」

旋風「前作の魔法が効率よく使うべしみたいに人数が多くて混乱しない程度にな」

作者「サーイェッサー!」
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