ここは警視庁の女子寮。今、1人の婦警が目を覚ました。
宮本由美
「ふあぁ・・・」
彼女の名前は、宮本由美。警視庁捜査一課の交通課に勤務している婦警である。
いつもなら、駐禁やらスピード違反やらで取り締まりに駆り出される忙しい毎日なのだが、今日は日曜日で、久しぶりに非番だった。
由美
「あーあ、ヒマだわぁ・・・そうだ、美和子をカラオケに誘ってみよう!」
由美は同僚で親友の、佐藤美和子にメールをしてみた。
しかし、数分もしないうちに断りのメールが返ってきた。
由美
「ああ、そういえば、美和子今日は高木君とデートだったっけ・・・恋人同士の甘い一時を邪魔するワケにはいかないか・・・」
そう思った由美は、私服に着替えて部屋を出た。
由美
「こうなったら、あの子達の中の誰かを誘ってみよう!」
あの子達とは、もちろんコナン達少年探偵団の事である。
由美は、一件一件まわってみた。
しかし、歩美は母親と買い物で、元太は酒屋の手伝い、光彦は勉強で、断られた。
由美は続いて、阿笠邸に行ってみた。
哀
「ゴメンナサイ、今日はちょっと研究があって・・・」
哀にまで断られた。
由美
「ハァ・・・私って、人望ないのかなぁ・・・そんなワケ、ないない!!」
由美は負けじと、最後のメンバーの所に行った。
毛利探偵事務所
コナン
「で、結局最後にボクが残ったってワケね・・・」
由美
「そうなのよ・・・でも、コナン君も忙しいわよね・・・」
コナン
「ボクはいいよ!行っても・・・」
由美
「ホント?」
コナン
「うん、一度由美さんともじっくりお話がしたかったんだ。」
由美
「あ、ありがと・・・(うーん・・・確かにコナン君って、美和子が言ってた通り大人びてるわね・・・そういえば、哀ちゃんも大人びてるって高木君が言ってたっけ・・・コナン君と哀ちゃんって、何か秘密の関係があるのかも・・・よし、今日はコナン君の監視をしよう!)」
喫茶店
由美
「さあ、今日はお姉さんのおごりよ!何でも注文していいからね!」
コナン
「えと・・・それじゃあ・・・チョコレートケーキとアイスコーヒー・・・」
由美
「わかったわ!店員さーん!チョコレートケーキ2つと、アイスコーヒー2つ!」
「かしこまりました。」
数分後、アイスコーヒーとチョコレートケーキが運ばれてきて、コナンと由美は話を始めた。
由美
「で?コナン君。彼女との関係はどこまで進展してるの?」
コナン
「彼女って?」
由美
「またまたぁ、トボケちゃって〜!哀ちゃんの事よ〜!」
コナン
「なっ・・・」
コナンは、赤面した。
コナン
「な、何言ってんですか由美さん!!」
由美
「隠したってダメよ!私はいつもあなた達2人を見てわかってるんだから!」
コナン
「うぅ・・・」
コナンはどんどん顔が真っ赤になっていく。
まさに、ユデダコ。
コナン
「か、からかわないでくださいよ!!」
コナンはもう、冷静ではなくなっている。
由美
「モテモテねー、コナン君!」
コナン
「え?」
由美
「蘭ちゃんに聞いたわよ!幽霊船の事件の時には三上鈴ちゃんって子にくっつかれてて、旅芝居一座の時にも女の子になつかれてたそうじゃない!」
コナン
「・・・」
コナンは、無言でアイスコーヒーを飲み、チョコレートケーキを口に運ぶ。
由美はそんなコナンを見て、クスクス笑った。
由美
「(からかいがいがあるわよねー、コナン君って・・・)」
コナン
「(まちがいない・・・由美さんは園子以上に人をからかうのが好きな人だ・・・)」
しばらくして、2人は食事を終えた。
由美
「じゃあ、コナン君、出ようか。」
コナン
「うん。」
支払いを終え、コナンと由美は喫茶店を出た。
由美
「コナン君、次、どこに行きたい?」
コナン
「そうだね・・・」
その時、コナンと由美の前を1人の男が通り過ぎた。
由美
「あ!あの男、どこかで見た気がするんだけど・・・」
コナン
「うん・・・例の逃走中の麻薬の運び屋なんじゃないかな?」
由美
「よし、コナン君!私達2人で、あの男を尾行しましょ!」
コナン
「えぇ!?びこ・・・」
コナンが叫ぶ前に、由美が口を塞いだ。
由美
「ダメよ、コナン君。大声出したら聞こえるでしょ?」
コナン
「そ、そだね・・・」
由美
「ゆっくり尾行するのよ・・・」
コナンと由美は、男の尾行を開始した。
男が小走りに歩き、その後ろから、コナンと由美が彼を尾行している。
コナン
「アジトを何としても突き止めなきゃね・・・」
由美
「そうね・・・でも、そのアジトに仲間がいたらどうしよう?」
コナン
「その時は、また考えるよ。」
男は、尾行しているコナンと由美に気がついたらしい。
携帯電話を取り出すと、早打ちで誰かにメールを打った。
『刑事らしき女と、その助手らしきボウヤがオレを尾行中。アジトに着いたら、よろしく。』
男はパチンと携帯を閉じると、また少し小走りになった。
コナンと由美は、男を見失わないようについていった。
しばらくすると、男は山中の廃屋にたどり着いた。
その後ろの木に、コナンと由美が隠れている。
由美
「コナン君、いつ出るの?」
コナン
「もう少し待って!ヤツが中に入るまでは・・・よし、入った!行くよ、由美さん!」
由美
「う、うん・・・」
コナンと由美は、廃屋の中に入っていった。
由美
「さて、入ったのはいいけど、どこに行けばいいのかしら・・・」
コナン
「あ、これ見て、由美さん!」
由美
「床に矢印がついてる・・・」
コナン
「これをたどればいいのかな?」
由美
「きっとそうよ、行きましょ!」
コナンと由美は矢印をたどり、ある部屋に入った。
コナン
「ここは、いったい・・・」
その時、扉がバタンと閉まった。
由美
「え!?」
コナン
「しまった!これは罠・・・」
不意に、下から何かが入って来た。
シュウウウウ!!
由美
「うっ・・・」
由美がドサッと倒れた。
コナン
「ゆ、由美さん!!ダ、ダメだ!これはクロロホル・・・ム・・・!!」
コナンも、薬を吸い込んで気絶してしまった。
由美
「コナン君!起きて、コナン君!!」
コナン
「え・・・?」
由美に声をかけられ、コナンは目が覚めた。
コナン
「こ、ここは・・・?」
由美
「どこかの一室みたいよ・・・」
コナン
「ボク達、閉じ込められたのか・・・」
由美
「うん、それもやっかいなオマケつきでね・・・」
コナン
「!」
コナンは体を縄で縛られ、由美とつながっていた。
由美も、体を縄で縛られている。
コナン
「縄でつながれてる・・・簡単には外れそうにないね・・・」
由美
「油断したわ・・・コナン君、どうしよう・・・?」
コナン
「シッ、黙って!何かの会話が聞こえてくる・・・」
由美は壁に寄りかかり、コナンは由美の方に体を倒して、2人は気絶しているフリをした。
すると、数人の男が部屋に入って来た。
「まだ眠っているようだな・・・」
「ああ、クロロホルムの威力は高いからな・・・」
「この2人、どうする?」
「ここからズラかるまでは、せいぜいいい夢でも見ててもらおうぜ・・・」
「悪く思うなよ、お2人さん・・・」
4人組は、部屋にカギをかけて、出て行った。
男達が出て行った後、コナンと由美は目を覚ました。
由美
「あの男達、私達を殺す気なのかしら?」
コナン
「たぶんね・・・アジトを見つけられた口封じってところかな?」
コナンの冷静な言葉に、由美は唖然となった。
由美
「私・・・まだ死にたくないわ・・・コナン君、どうしたらいいの・・・?」
由美は、涙声になっている。
コナン
「泣かないで、由美さん!アイツらはボク達が絶望したと思って油断してる・・・脱出するなら、今だよ・・・」
由美
「でも、どうやって脱出すれば・・・」
コナン
「まずは、この縄を外さなきゃね。」
由美
「コナン君、外せるの?」
コナン
「うん、とても軽くつないであるからね。」
コナンは、難なく縄を外した。
コナン
「由美さん、何か切れる物持ってない?」
由美
「ソーイングセットのハサミなら、私のバッグに入ってるけど・・・」
コナンが辺りを見回すと、壁の方に由美のバッグがあった。
コナン
「わかった、取ってくるね。」
コナンは走って、バッグを取りに行き、バッグを後ろ手に持って戻って来た。
コナン
「よし、このハサミで縄を・・・」
コナンは後ろ手にハサミを持ち、後ろを確認しながら由美の縄を切った。
バサッ・・・
由美
「ありがと、コナン君!コナン君の縄もすぐほどくね。」
由美はコナンの後ろに回ると、コナンの縄を切った。
バサッ・・・
由美
「ふぅ、苦しかった・・・」
コナン
「さ、早く逃げよう!」
由美
「そうね。」
コナンと由美は、部屋を抜け出した。
由美
「それで、脱出したのはいいけど、これからどうするの?」
コナン
「アイツらをこのまま野放しにしておくワケにはいかないよ。一網打尽にするなら、ヤツらが油断してる今がチャンスだ・・・」
由美
「でも、どうやって?」
コナン
「ボクにいい考えがあるよ。」
数分後、男達が部屋に入って来た。
「あ、アイツらがいねぇぞ!!」
「そんなバカな!ちゃんと縛っといたはずなのに・・・」
「まだこの近くにいるはずだ!」
「取っ捕まえるぞ!!」
男達は、部屋を飛び出した。
「どこに行きやがった・・・」
コナン
「こっちだ!」
「そうか、こっちか・・・」
「覚悟しやがれ・・・」
男達は、ある部屋に入り込んだ。
「あ!」
「オマエら!!」
コナン
「あ、見つかっちゃった・・・」
由美
「アハハ・・・」
「取っ捕まえろ!!」
男達は、コナンと由美に飛びかかろうとしたが・・・
プスッ!
ドサッ。
「あ、おい!」
「どうした?」
由美
「今よ、コナン君!!」
コナンはキック力増強シューズのスイッチを入れ、ドラム缶を蹴り飛ばした。
ドガァァァン!!
「がはっ!!」
「ぐっ!!」
男2人が倒れた。
「このガキ、ナメた事を・・・」
由美
「ハアッ!!」
ドッ!!
「がっ・・・」
由美
「ハアアアアーッ!!」
ヒュオオオオ・・・
ドコォ!!
由美の腹打ちとかかと落としで、男は床に倒れた。
コナン
「由美さん!」
由美
「美和子に教わった護身術、少しは役に立ったわね・・・」
その後、オレと由美さんの通報を受けた刑事が到着し、男達は逮捕され、麻薬もすべて回収された。
そして由美さんは、寮に戻る事になった。
由美
「またね、コナン君!今度会った時は、哀ちゃんとキスする関係までいってるんだぞー!!」
コナン
「由美さん!!」
由美
「じゃあねー!!」
由美は、足早に駆けていった。
コナン
「由美さん・・・もう・・・」
その同じ頃、阿笠邸では・・・
哀
「ち、ちがいますよ高木刑事!私と江戸川君はそんな関係じゃ・・・」
高木
「あれ?じゃあどうして赤くなってるのかな?」
哀
「うぅ・・・」
哀も、高木刑事にコナンとの関係を質問されてユデダコになっていた・・・
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