Prologue〜悲哀なる生命〜
19年前…
〉科学と魔法学の発達が一つの罪を作り出したんだ。
えっ?
〉正確には、心なるモノから生み出された大罪。
何を言ってる?それに君は?
〉人にあらざる者、彼を生み出したのは彼女。彼を望んだのは人。
さっきから何の話をしてるんだ!
〉いつか彼はその罪を贖おうとする。もうすぐ、命あるもの………………
ここは?
はっと意識が明瞭になる。今まで寝ていたことが嘘のように目は冴えていた。
「ゆ…め、夢を見た気がします」
そう、誰かが贖罪と言っていた。確かなのは二人いた。彼と彼女。
彼は座り、まるで罪人のようなひどい表情をしていた。
そこには生気を感じられない、人じゃない?否、人だったはず。
「幽閉されて、もう一年経ちました。あの時から………」
周囲を見渡す。何もない部屋。窓も、机も。まるで牢獄だ。あるのはベッド、それもこの景色とは似合わない高価なものだった。
ガチャ、
「!!」
誰かがドアを開ける。咄嗟に身構えたが、すぐにそれを解く。
「おめざめですか?」
「………あなたでしたか、はい。先程ですが」
それを聞いて満足したのか、青年は魔法でテーブルを出現させ、その上に食事を置く。
「最近、食欲がないようですが、きちんと栄養を摂取しないと身体に……」
「いいえ、私は大丈夫ですから」
私は無理矢理に笑顔を作る。あれからこの笑顔しか出来ない。
いつの間にか感情が消滅したかのように、作為的に。そう、ブリキ人形のように。
「……そう、ですか」
おそらく、彼は気付いている。私の虚偽を、そして、見ぬふりをしている。事実を、人形と化した私を
彼は無言のまま部屋を出る。少し前からカギは掛けられていない。もう私には逃走する意思がないと知っているから。
「…………あなたを、必ずここから出してみます。だからもう少しだけ待っててください。セラ様」
彼、ジルハーツはそう言い残し、ひっそりと消えいく。
セラ?私の名前。否、私はセラだった、そう一年前までは…… |