放言
時間はあっという間に過ぎる。
キヨちゃんの旦那さんがそろそろ帰ってくる頃だ。
そしてかずやも。
『キヨちゃん、電話借りていい?』
かずやの携帯にかけたら速攻繋がる。
『あや!!今どこ!?』
『あのね、かずや。今、県住に帰ってきてんの。なんだけど・・』
『なんで!?なんでな!!あや!!待っといてっていうたろ!!』
私の言葉をさえぎってスゴイ剣幕でかずやは言った。
『ごめん。でもね、今私の家じゃないんよ。同じ県住の友達のとこ。』
『・・・・。』
『かずや?』
『そっか。じゃ、今からすぐ迎えに行く。』
不機嫌な声でかずやは言った。
『い、今からすぐだね!?』
キヨちゃんがなんか言いたげに私を見てる。
『ちょ、ちょっと待って!!』
受話器を放すと、キヨちゃんが小声で
『会わせて!!玄関まで来させて!!』
『え!?いいの・・・』
ウンウンとうなずくキヨちゃんに言われるまま
かずやに号棟とキヨちゃんの部屋番を教えると
『わかった。』
そのままぶっきらぼうに電話を切った。
『なんか機嫌悪いみたいなんだ。彼氏。』
だけどそんなことまったく構わない様子で
キヨちゃんは例のいたずらっぽい目つきをして笑った。
20分位してピンポ〜ン♪が鳴ると
キヨちゃんが、私に
『彼氏に入ってもらって。』っと言った。
『え〜???旦那さんも帰るし、まずいよ。』って
焦って言ったんだけど、キヨちゃんに
『早く!!はぁ〜やぁく!!』
って押されてドアを開けた。
かずやは私の顔を見るなり
『あや、帰ろ!!』
『ちょっ、ちょっと入ってって!!友達が・・・』
『・・・俺に?』
『う、うん。』
一瞬かずやは戸惑ったみたいだけど、私が手を引くと
仕方ない素振りで入り、キヨちゃんに挨拶をした。
キヨちゃんは目をクリクリさせて、かずやを見た。
『どうぞ!!何か飲みます!?』
って言うキヨちゃんに、かずやは
『もう帰っていいですか?俺、あやと二人っきりでいたいので。』
と言い放った。
キヨちゃんも私も唖然となり一瞬固まってしまった。
『ご、ごめん。そりゃ悪かったね・・・。』
キヨちゃんの笑顔は明らかに引きつっていた。
かずやが玄関に向かった時、私はサイフを小脇に抱え
キヨちゃんに、ゴメンって手を合わせた。
キヨちゃんは呆れ顔で
『なんなん!!あの人!!』
って口をパクパクさせながら、それでも笑顔で返してくれた。
玄関で、キヨちゃんは私に
『いつでも連絡して!!待ってるからね。』
って言った。
だけど、私がキヨちゃん家にお邪魔したのは、これが最後。
もう二度とお邪魔することはなかったんだ。
かずやは車にもう乗り込んでいた。
私が乗ったら、すぐに車を走らせた。
そして
『あや!!なんか食べにいこうぜ!!』
っと、さっきまでの不機嫌さは全く・・・。
上機嫌で話しかけてきたんだ。
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