君から奪ったもの(24/43)縦書き表示RDF


君から奪ったもの
作:ERIKA



24.平次が見たもの


和葉たちと別れた後、和葉の姿が見えなくなったのを確認して、蘭とゆりはさっき見たことを伝えた。





「新一、私たち見たの。」


「何か気づいたのか?」

何か気づいたら報告し合うと決めていた。



「あたしも蘭ちゃんも思ったんや、もしかして和葉は。」

「ほんまか!?何見たんや?」

勇樹の顔にも期待の色が浮かんでいく。




「和葉ちゃんが、服部君と色違いのお守り持ってるでしょ?」

「鎖のかけらが入ってるやつやったな。」

「それがどうかしたのか?」

「二人がトイレに行ったやろ、あん時和葉、コート脱ごうとしてお守り落としたんや。」

「それで、拾ったんだけど。その時の、和葉ちゃんの顔、同じだったの。」



「同じ顔?」

「どういうことや?」

「和葉、ずっと前からお守り持ってたやろ。まだ二人が離れてへんかった時に、よくお守り見て話してたんや。」

「私も見たことがあるの。新一も知ってるよね?和葉ちゃんがどれだけあのお守りを大切にしてたか。」



「そうだな。服部も、なんだかんだ言って大切そうに見てたよ。」




「それや。和葉も前と同じ顔で見てたんや。な!蘭ちゃん!!」

「うん!たいしたことじゃないかもしれないけど、あのお守りを見つめる目は和葉ちゃんの気持ちを表してるんじゃないかなと思ったの。」

「お守りを大切にするのは当たり前なんやろうけど・・・・。あの中には、二人を繋いだ鎖が入ってるし。」





「遠山があれだけ大切にしてたんは、それだけ嬉しかったからやろうな。」

「和葉ちゃんがあのお守りをずっと持ってたのは、服部への想いが届くようにって意味もあったんだろうな。」



「・・・まだ、和葉ちゃん・・・服部君への想いは・・・・残ってるんじゃないかな・・・・」






『昔、平次と遊んでて間違うて繋がったままになってしもた、手錠のかけらが入ってるんやで!』







今ここにいない和葉のお守りに、どうか、そうでありますように・・・と願いを送る。













服部家のチャイムを鳴らすと、静香ではなく平次が出てきた。



「・・・・早かったんやな・・・・まぁ、入れや。」

「おばさんはいないのか?」

「おぉ・・・なんやオトンのとこへ着替え持ってったわ。」

「そうか。市川君と泉さんにも来てもらったぞ。」

「服部・・・俺らもええか?」
「当たり前やろ。」






平次を先頭に2階へと上がり、部屋に入ると平次はベッドにもたれて座った。
それぞれが平次を囲むように座る。


重い空気の中、話し出したのは新一だった。



「服部。オマエ、あれから何かあったんだろ?」



「・・・・はっ・・・・もうわけわからんわ・・・・」


勇樹にもゆりにも言ってない。

目を瞑れば、1週間前に見た和葉の赤い・・・




新一は、平次の顔が苦痛に歪むのに気づいた。




「この前電話した時は、和葉ちゃんを諦めないと決めたんだろ?」



「・・・・・そうやな。」


「オマエ・・・和葉ちゃんに言わないのか?」


新一の顔をまじまじと見る。

薄ら笑いを浮かべて、新一に返す。



「無駄や。和葉はアイツが好きなんや。・・・俺に入る隙間は無いんや。」

「まだ、わからないだろ!そう思ってしまうことがあったんじゃないのか!?」



「服部君・・・・何かあったの?」


蘭も勇樹もゆりも、こんな平次を見て何かあったのだと気づく。

「服部、俺らも知らへんことがあるんか?」

「なんなん!?服部君、教えてえな。」








『ココ』




と言うかのように、和葉がしたように首を傾げて指差した。




「・・・首?」

「首がどうかしたの?」








口が聞けないのかと思ってしまう程の沈黙。

蘭が聞いても、答えない。

首を傾げた方を向いたまま。






(・・・首?・・・・服部がそれ以上言わないってことは・・・・)




平次が言わないので言っていいか迷うが、言わないと話が進まない。






「・・・痕が・・あったんだろ?」




「痕ってなんなん?」

「新一、どういうこと?」



新一に何が言いたいのかと、視線を向ける。

そんな二人に、新一は困ったように笑う。





「・・・・あ・・・新一・・・」


「え?蘭ちゃん?・・・・まさか・・・」



気づいていた勇樹は、動揺し始めるゆりの手を握った。




「本当なのか?」




「・・・こんな嘘ついてどないするんや。」





やっと指を下ろす。






「・・・・話、聞こうて思うてな。・・・・こないだの土曜日に呼んだんや・・・・」


全員が平次が話し始めた内容に、集中する。



「そんで・・・途中で・・・・見えてしもたんや・・・。」


「・・・相手は・・・聞かへんでも、わかるやろ?」



こんな風に笑う平次を見るのは、初めてだった。




「・・・・信じられへん・・・」

「・・・・・ほんとに・・和葉ちゃん、どうしっちゃたんだろ・・」

「服部、遠山に何話してたんや?」

新一も頷く。蘭たちがショックを受けている中で、そのことが気になっていた。






「・・・・あの日」


「先輩と別れるために、街におったから近くの公園に呼んだんや・・・」


「和葉ちゃんのこと、諦めないためになんだな。」




「・・・・そうや。・・・・でも、意味わからんのや・・・」


「どういうことや?」






それから、先輩とキスしたこと、和葉が見ていたこと、そして泣いていたこと。
でも、その日の夜に和葉に聞いたら、泣いてないと言われたことを告げた。

そして、和葉に言わなければと思っていたら、首に見つけてしまったこと。







「意味わかんねえな・・・。」

「絶対に、和葉ちゃん泣いてたんだよね?」



「・・・・どう見ても・・泣いてたとしか思えへんかったんやけど・・・」




「なんで、和葉。泣いてへんかったて言うたんやろ?」



「・・・やっぱり、服部のこと」


平次以外は、和葉が平次のことを好きだったと知っている。






「そんなわけないやろ・・・和葉は俺のことただの幼馴染としか思うてへんし・・・」

「それにや・・・そうやなかったら・・・あんな・・・アイツと・・・・・」




以前は好きだったことは絶対だった。

でも、今の和葉については、新一たちも何とも言えなかった。








「でも、服部君は和葉ちゃんのこと諦めないでしょ?」


蘭だけでなく、三人もそう思った。

平次の返事を待つ。






「・・・・・ほんまに・・・そう思うんは・・・意味があるんやろか?」





こんにちは、ERIKAです。
そろそろ真実が見えてくるようになっていけばいいなと思っています。
大したオチじゃなかったらすみません(>_<)
でも、平和ファンの皆様を苦しめるわけにはいきません!!











ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう