君から奪ったもの(15/43)縦書き表示RDF


君から奪ったもの
作:ERIKA



15.あの日に帰りたい


次の日、最初に和葉を目にした時にはすでにアイツが隣にいた。

それを目撃した生徒たちは驚き、平次にとって聞きたくもないニュースは、2時間目が終わる頃には、すでに校内中に広まっていた。





久しぶりに勇樹と話したのは、休憩時間になっても席から動けずにいた平次を心配して、堪らず声をかけてきた時だった。


「大丈夫か?」


返事をせず、ゆっくり勇樹に顔を上げた平次。
そして、また項垂れる平次の前の席にただ座って傍にいた。

勇樹は例えこうなっても、平次のことを見捨てたわけじゃない。
損な意地っぱりな平次の性格を親友としてわかっていたから。
昨日、ゆりが家に訪ねてきた。
泣き腫らした目で。

和葉が誰を好きになろうと、ゆりにそれを否定する権利はない。
でも、親友が喜んでいるのに、自分は「おめでとう」と言ってあげれなかった。
そんな自分が嫌で、でも和葉が平次を諦めてしまった事実が悲しくて。


ゆりが落ち着くと、

平次と和葉が意地を張って喧嘩していたこと、
平次が告白されるたびに和葉が気にして強がっていたこと、
毎日二人が並んでいたこと、

二人が見てきたことを勇樹が話し始め、ゆりも泣き笑いでいろいろな二人を思い出して話していた。
二人がまた以前のように並ぶことを祈りながら。







今日一日ずっと、席に座っているわけにはいかなかった。
 

「・・・・服部。顧問が呼んどるで。」






なかなか立たない平次に、行かないのかと思った。


(・・・・昨日の・・・サボりんことか。)


ノロノロと立ち上がり、廊下に出て行く。








自分を見て、廊下にいた男子生徒が何か言ってるのはわかったけど、その内容がわかっているから聞こえないふりをする。


『やっぱり、服部と遠山はただの幼馴染やったんやな。』


否定してやりたかったが、和葉のことを思うと言えない。
顧問のもとへと歩きながら、平次は和葉との毎日を思い出していた。



これが、夢だったら。

目が覚めて、また和葉が自分のもとへ帰ってきてくれたら。












「へいじ!!」







(あ・・・・やっぱり・・・夢やったんやな・・・・)


「・・・・か」



和葉が平次を呼ぶ声に、急に元気になり振り返る。








「永治!!もう、待ってえな!」













寂しい。










平次を通り過ぎて、先にいた永治のもとへと走っていく。

自分を見ずに、視線は最初から永治に向けられていた。

ただ、それを見て思った。




こんばんは、ERIKAです。
ここを書くために、永治という名前にしました。
次話からは平次を救うために、あの二人に登場してもらおうと思います。











ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう