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第二十話 ちいさなこいのうた

日曜日になってもうた……どうも、疎陀です。中々更新ペースがあがらない……

さて、今回は恋愛色の強いお話になっておりますし、真剣に話をしているのですが……恐らく、読者の皆様にはツッコミ所満載の話になっております。コータが帰ってきたら大変な事になると思います。


「あら? これはこれは珍しい方が来られましたね? どうぞ、お掛け下さいませ」

 花の様な微笑みを浮かべ、部屋に入って来た男性に椅子を勧めるエリカ様。対して入室して来た男性はその端正な顔立ちに似合わない渋面を浮かべながらエリカ様を睨みつけ椅子に腰かけた。

「……お久しぶりです、フレイム公爵閣下」

「バーデン伯爵も御壮健そうで何よりですわ」

 エリカ様の言葉に詰まらなそうに鼻をならした男性……テラに隣接する領地を持つバーデン伯爵は、部屋の中をぐるりと見まわした。

「そちらも『お元気』そうでなによりですな。それにしても……何ですかな、この殺風景な部屋は。調度品も、絵画も何もありはしない。せめて花瓶の一つでも置いておけば少しは見栄えも――」

「……バーデン伯爵は、私の部屋の御意見に参られたのですか?」

「――ふん。相変わらず可愛げの無い方ですな」

 そう言って、エリカ様を睨みつけるバーデン伯爵。

「……担当直入に言いましょう。小麦の購入を今年から見送る、とは一体どういう事ですかな?」

 敵意も露わに睨み続けるバーデン伯爵に、エリカ様はどこ吹く風。私の淹れた紅茶に口をつけ、美味しそうに一口。

「言葉通りの意味ですわ、バーデン伯爵。今まではバーデン領より購入しておりました小麦を、別の方から買わせて頂こうと思っておりますの」

 テラは作物の育たない土地だ。対して隣接するバーデン領は自然の恵み豊かな豊穣な土地である。霞を喰って生きていける訳では無いテラの領民の口に、十分なパンを届かせようと思えばバーデン領で『余った』小麦を買い取るしかない。

「ほう。今まで小麦を『売ってやった』恩を忘れてですか?」

「『恩』? 冗談がお上手ですね、バーデン伯爵。今まで散々、『儲けさせてあげた』のに、どの口で『恩』と言いますか?」

「……どういう意味ですか?」

「市価の二倍近くする様な小麦を『買って差し上げた』のはこちらの方ですよ?」

 紅茶のカップを置き、バーデン伯爵に鋭い視線を向けるエリカ様。

「勿論バーデン伯爵、それは貴方の手腕。ですから、こちらから文句を言う筋合いのモノではありません。ありませんが……」


 一息。


「……『テラに小麦を売る商会は、バーテン領での商売は禁止』は……流石にやり過ぎでは無いでしょうか?」

「……何のことやら」

「確かにテラでの大規模な消費など望めない。商人達が寄ってくれる様な、魅力のある領地では無い。『今は手持ちの在庫が無くて』と、『掻き入れ時なのでテラまで行っている暇が無い』と言われれば、なるほどそういう事もあるかと思いますわ」

 肩を。

 まるでコータ様がよくするように、肩を竦めて見せるエリカ様。

「……なるほど、これも御商売の腕なのでしょうね?」

 ねえ……バーデン伯爵? と。

 笑みすら浮かべてそう言うエリカ様に、バーデン伯爵がニヤリと笑う。

「……は……はーはっはっは! 面白いですね、フレイム公爵。そうですか。それではテラでは今後、バーデン領の小麦は要らないと……そう、仰るのですね? よろしい! ならば今後テラとの取引は一切する事はない!」

 ダン、とテーブルに拳を叩きつけ椅子から立ち上がるバーデン伯爵。そのまま、背中を向け、肩をいからせて扉に手をかけて。

「……ああそうですわ、バーデン伯爵。今年の小麦の『処理』は大丈夫でしょうか?」

「……処理、だと?」

「ええ。テラに来ている商人の方にはお話しておりますので。『バーデン領で取れた小麦は買い取るつもりが無い』と」

「……なに?」

 ドアに手をかけたまま、訝しげな表情をエリカ様に向けるバーデン伯。その顔に、見惚れる程の微笑みを浮かべて。

「商人の方も快く了承して下さいましたよ? テラに嫌われるぐらいなら、バーデンとの取引自体を辞めても良い、と」

 さーっと、バーデン伯の顔から血の気が引くのが見て取れた。慌ててドアノブから手を離し、エリカ様の座るテーブルに駆け戻る。

「き、貴様! まさか、脅したのか! 商人達に、バーデンとの取引を辞めろと!」

「まさか。商人達の自由意思で取引をして下されば良いのですよ? ただ、私は『バーデンの小麦は買いたく無い』と言っただけです。実は……口に合いませんでしたの、バーデンの小麦は」

 ギリっと、歯を噛みしめる音が響いた後、沈黙。部屋に重苦しい空気が流れる。

「……分かった。市価と同等の価格で売ってやる」

 やがて、絞り出す様な声がバーデン伯爵の口から漏れた。

「『売ってやる』ですか? 何か勘違いをされているようですね? 『買って差し上げる』のは私共の方ですよ?」

「……市価と同等の価格で買ってくれ」

 まるで親の仇を睨む様な視線を向けるバーデン伯。その視線を涼しげにエリカ様は流して。

「市価の半値で良ければ買って差し上げますわ」

「ふ、ふざけるな! 市価の半値だと! そんな条件、飲める訳無いだろう!」

「今までは市価の倍程の値段で買っていたのですよ? 利益を少しは還元して下さらないと。イヤなら結構ですわ。テラはバーデンからの小麦を一切買いませんから」

 どうぞ、余所にでもお売り下さいませ? と微笑むエリカ様。

「……返答は」

「はい?」

「返答は、何時までにすればいいか聞いている!」

「そうですね。なるべく早く、お願いいたします。こちらも他の方から買う手続きがありますから」

「……」

「……」

「……悪魔め」

 本当に、憎々しげにそう呟くバーデン伯爵に。


「あら? これも『商売の腕』でしょう?」


 綺麗な綺麗な笑みを、エリカ様は浮かべた。


◇◆◇◆◇◆


「……ふう」

「お疲れさまでした、エリカ様」

「ありがとう、エミリ」

 自室に戻り、執務椅子に腰を降ろしたエリカ様に紅茶をお出しする。少しだけ疲れた様に、それでも微笑んで受け取られたエリカ様はそれに一口、口をつけ長い息を吐かれた。

「流石に、少し疲れたわ」

「御自愛下さいませ」

 頭を少しだけ下げそういう私に、先ほど以上の笑みを見せるエリカ様。

「でも……これで小麦の価格については大分改善できると思うわ」

 エリカ様のお言葉に、私は頷きで答える。

 テラは消費する小麦のそのほぼ全てをバーデンからの輸入で頼っている。作物が育たない土地の宿命ではあるが、どうしても価格は『売る側』が握ってしまう。特に、一つの所が独占していた現状では。

「……マリアに感謝ね」

「本当に」

 テラの小麦の価格が市価に比べて不当に高い事と、バーデン伯からの『圧力』を教えてくれたのはマリア様だ。

「……それを逆手にとっての交渉、お見事でした」

「そうでもないわ。あれぐらい、誰でも出来るもの」

「御謙遜を」

『なあ、ウチの実家の方でテラの小麦、全部賄わせてくれへん? 今の半値ぐらいに出来るで?』との言葉に、思わず頷きかけた私に『待った』をかけ、訝しむマリア様に『最低でも半分はマリアから仕入れる』という条件で、バーデン伯爵に『もう買わない』と手紙を送ったのはエリカ様の御判断。結果論ではあろうが……慧眼であったのは疑うべくも無い。

「売る方が一つで無ければ、どうしたって『買う方』が有利なのよ、こういう交渉は。だから全然凄くは無いし、大した仕事でも無いわ」

 そう言って、紅茶を一口。手元に置いてあった書類に目を通す。

「さあ、まだまだ忙しいわよ? エミリ、次の案件は――って、どうしたの?」

 私の視線に、きょとんとした顔で小首を傾げるエリカ様。『どうしたの』は、こちらの台詞だ。

「……どうなされたのですか?」

「何がかしら?」

「最近のエリカ様、です」

 そこらのボンクラな領主とは違い、エリカ様はテラ公爵になられてから精力的に執務を取られていた。それは確かにそうなのだが。

「どういうこと?」

「まるで何かに追い立てられるかの様に働き詰めでは御座いませんか。それではお体に障ります。くれぐれもご自愛下さいませ?」

「そうかしら? 私自身はそんなつもりは――」

「嘘、ですね」

 エリカ様がお生まれになった時から出仕している私だ。エリカ様の変化に気付かない筈が無い。

「嘘って……エミリ、貴方ね?」

「心配なのです、エリカ様」

 テラの発展を成し遂げたのは確かにコータ様だろう。が、だからと言ってエリカ様の価値が相対的に低くなる訳では無い。

「『ロンド・デ・テラ公爵』は、貴方様なのですよ、エリカ様。今の様に執務をこなされていれば、何時か必ずお体を壊されます」

 公爵は、この領地の『顔』はあくまでエリカ様なのだ。

「……『ロンド・デ・テラ公爵』、ね」

 そう思い、言いきる私に少しだけ寂しそうな表情を浮かべるエリカ様。エリカ様?

「本当に……名前だけの公爵よ、私は」

「その様な事は――」

 口を開きかけた私を手で制し。


「追いつきたいのよ、私は」


「……追いつきたい?」

「『コータ』に」

 そう言って、ふうと溜息。

「……結構悔しかったのよ」

「……そうでしょうね」

『こう見えて』と言うと不敬だが……先ほどの『交渉』でも分かる通り、エリカ様は基本負けず嫌いだ。王族としての矜持か、それとも生来の性格かはともかく、『負ける事』を嫌がられる。良し悪しではあるが、個人的には好ましいのだが……

「彼は、コータは……『魔王』は、私の一歩も二歩も前を歩いている。私の見えない世界を、私の知らない世界を、私の考えもしない世界を歩いている」

 何時だって一人で、と。

「……悔しいし、悲しいわ。だってここは、『ロンド・デ・テラ』は私の領地よ? なのに、私の知らない所で全てが決まる。そんなの……悔しいじゃない」

「……」

「だから……私は、負けたくない」


 そう言って、ふっと笑い。


「……御免、エミリ。これは欺瞞だったわ」

「欺瞞……?」

「ええ。負けたくないのもそうだけど……そうね。きっと、私はコータに『認められたい』のよ」

「……認められたい、ですか」

ええ、と頷き。

「あの人の『隣』に居たい。後ろで守って貰うだけなんてイヤ。私だけが前で戦うのも

イヤ。どちらがどちらの下とか、どちらがどちらの上ではなくて……ただ、あの人の隣に、横に並び立ちたいの」

 微笑みを。

「……今の私は、全然あの人に追いついていない。コータが作ってくれたこの安穏に、ただ座っているだけ。そんなの、私は嫌よ? 使えない人と思われたくない。必要のない人間と思われたくない。だから、私は立ち止まらない。歩き続けないと……」


 何時まで経っても、あの人に追いつけない。


「……自愛なんてしてる暇は無いわ。悪魔と、魔王と罵られても、私は前に進むの。端から見たら泥臭くても、格好悪くても」

「……貴族の言葉ではありませんが?」

「そうね。でも良いの。目標に向かって歩いている時は、誰だって格好悪いんですもの」


 ……女性の私でも、見惚れる程だ。


「だから……私は絶対、コータに追いついてみせる。何時かコータに『貴方が居て良かった』と、『貴方を頼りにしている』と……そう、言わせてみせるわ」


 健康な成人男性なら、間違い無く恋に落ちるであろうその綺麗な微笑みに。


「……慕っておられるのですか、コータ様を」

「……は?」


 私の中の、『女』の部分が少しだけ、疼く。


「な、何言ってるのよ、エミリ! この間も言ったけど、私は別にコータの事なんか――」

「真面目な話です、エリカ様」

「何が真面目な話よ! そんなの、タダの興味本位でしょう!」

 先ほどまでの威厳のある姿はどこへやら。頬をリンゴの様に真っ赤に染め、こちらを睨むエリカ様。ふむ……

「……宜しいですか? エリカ様の伴侶になるお方、という事はですよ? このテラ公爵家に取っても十分重要なお方になるという事です」

「まあ……それは、そうでしょうね」

「そうであるのならば、そのお方の資質がテラの今後に大きく影響を与える事になるのは容易に想像がつきます。言い方はあまり宜しく無いのかも知れませんが……正直な話、顔と家柄ぐらいしか取り柄の無い、どこかのボンクラ領主の次男や三男あたりを婿に取られては困ります」

「……」

「ですから、エリカ様の伴侶になられる方の情報はテラでは最重要事項の一つと言っても過言ではありません」

「……過言よ、それは」

 今日一番の、大きな大きな溜息をついて。

「……その……よ、よく分からないのよ」

「……分からない、とは?」

「あの……こう、コータを見てるとたまに『あ、格好良いな』とか思う事、あるのよね?」

「ええ」

「でもでも! その……こ、コータとずっと一緒に暮らして、コータを旦那さんに迎えて、コータの……そ、その……こ、こ、子供を産んで! そうやって二人で暮らしている自分を想像できないって言うか……その……」

 頬を赤らめ、下を向いてモジモジし出すエリカ様。不敬は承知で敢えて言おう。乙女か。

「……なるほど」

「で、でも! その、コータと一緒に居るのがイヤ、って訳じゃ無くて! どちらかと言えば一緒に居たいし、ずっと側に居てくれたら嬉しいとは思うし……その……」

 ……もう一回、言わせて貰おう。乙女か! むしろ、子供か!

「……二十歳を越えて流石にその恋愛観はどうかと思いますが」

「し、仕方ないでしょ! その、こ、恋なんてした事無いし……」

 なまじ、王族に一番近い貴族で、国王、王妃、次期国王から愛されたエリカ様だ。下手な貴族が『火遊び』に誘うのには余りに恐れ多いし、テラ公爵を下賜されてからはめっきり社交界のお誘いも無い。そういった意味では、恋愛下手でも仕方ないとは言えるが……

「……まあ、それはおいおい学んで行かれれば宜しいでしょう」

「……すごーく上からの台詞ね、それ」

「メイドの身ではございますが、私はエリカ様より年上ですので」

 淡い恋心ぐらいは抱いた事もある。まあ……『実戦』経験は皆無なので、耳年増で在る事は否めないが。

「……そういうエミリはどうなの?」

「どう、とは?」

「コータの事よ」

「それはタダの『興味』で御座いましょう?」

「う! そ、そうだけど……私にだけ聞くのはズルイわよ!」

 じとーっとした眼を向けて来られるエリカ様。エリカ様? それは貴族の方がされて良い視線では御座いませんよ?

「で、でも! ……じゅ、重要よ!」

「どこがです?」

「だ、だって……そう! 例えば私がコータの事……そ、その……し、慕っているとして! エミリもコータの事が好きだったら――」

「……ああ」

 泥沼の愛憎劇を御想像為されているので?

「大丈夫です、エリカ様」


 チクリ。


「大丈夫?」


 チクリ、チクリ、と。


「仮にエリカ様がコータ様を慕っておられるのでしたら、私は勿論身を引かせて頂きますので」


 チクリ、チクリ、チクリと、胸を刺す、痛み。


「……どういう意味よ」

「テラの発展に、泥沼の愛憎劇は不要でしょう」

 そもそも、私とエリカ様では立場が違いすぎる。コータ様も、何も好き好んで私の様なメイドを召し上げるとは考えられない。

「立場云々は置いておくとして……エミリ。結局貴方も、コータの事を慕っているのね?」

「……そうですね」

 否定は、しない。女は何時だって『強い』男に惹かれるモノ。コータ様なら、『魔王』なら申し分は無い。


「……私は……コータ様を、お慕いしております」


 あの方の腕に抱かれるのは、きっと幸せな事だろう。


 あの方の隣で迎える朝は、きっととても甘美なものだろう。


 あの方の側で見る風景は……きっと、とてもとても素晴らしい、そんな風景であろう。


「……お慕い、しております」


 でも……まだ、引き返せる。

 

 私の想いは、きっとまだ開いて居ない、蕾だ。今なら咲かす事も、腐らせる事も出来る。


 ……ならば、『腐らそう』


 エリカ様の、敬愛する主の想い人に懸想するなど言語道断。こんな想い、直ぐに忘れて、捨て去ってしまえば良い。今なら、まだそれが出来る。


「……」

「……」

「……簡単に『諦める』なんて言わないでくれるかしら?」


 しばしの沈黙の後。


「……エリカ様?」

「貴方の言葉で分かったわ。お礼を言うわ、エミリ」

「……何が、でしょうか?」

「私はコータが好きよ。貴方がコータの隣で微笑んで、コータが貴方に微笑みかけている姿を想像して……胸が潰れそうに、苦しかった。きっと……ううん、私は、コータ・マツシロという人間を愛してる」


 彼に、認められたい。


 彼に、必要とされたい。


 彼に、褒めて貰いたい、



 私に、私だけに、あの優しい微笑みを浮かべて欲しい、と。



「でも……だからこそ、エミリ。貴方に譲って貰ったコータなんて要らないわ。私は私で、コータの心を、想いを勝ち取るわ」


 ……だから、エミリ、と。


「貴方はコータの事を好きなだけ慕っていなさい。恨み言も、泣き言も言わないわ。貴方がどれ程コータを慕っていようが……」


 そんなの関係ない、と。


「……そうですか」

「そうよ」

 腐らせようとした想いを……この、私の小さな『恋心』を、貴方は咲かせても宜しいと、そう仰るのですね?


「それでは……『本気』で頂きますよ?」

「ええ。それでこそエミリ・ノーツフィルトよ。でも、勘違いしないでね?」


 私は、負けるつもりは無いわよ? と。


「……望む所です、エリカ様」

「……上等よ」


 二人で睨みあい、そして微笑みあう。そうですか、エリカ様。ならば……私は本気でコータ様のお心を手に入れてみせましょう。


「……あの方の隣で微笑むのは私です」


 ……ああ。その『未来』は、とても素晴らしい。


「どうかしら? エミリ、涙を拭うハンカチは沢山用意しておく事ね?」

「……そのお言葉はそっくりそのまま、お返しさせて頂きましょう」


 ……エリカ様、私は、貴方様の事は敬愛しております。私の忠誠心は、いつ何時でも変わる事は御座いません。御座いませんが。


「……負けません」

「……私もよ」



 この一事については、全く譲るつもりは御座いませんので。



経済マメ知識⑭

需給曲線

価格とは欲しい人である『需要』と売りたい人である『供給』がマッチした所に決定します。これ、二本の曲線で表して交わった所が価格になるのですが……数学が得意、或いは好きだった人には何だかX軸とY軸が『逆』に思えるらしいです。マーシャルさん以来の伝統らしいのですが、何だか気持ち悪いとえらく不評な図です。私? 言われるまで全然気がつきませんでしたがw こういうものって覚えてました。

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― 新着の感想 ―
[一言] うん面白いけど…後ならともかく、まだ物語が始まったばかりなのにこうも愛やら恋やらを述べるのはなんか嫌だな…いらない…
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