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第十三話 魔王と踊れ

よく、『いきなりお気に入りが何百件を越えました!』という前書きを見ていましたが、いっつも『またまた~。予兆はあったんでしょ?』なんて思って斜に構えていたらわが身に振りかかるというサプライズ。何? 故障? え? 故障じゃないの? もうね、ただただ多謝! 感想まで貰っちゃって、言う事なしです。

……さて、今回は前回の続きです。相変わらずエミリ視点。浩太は悪い奴です。では、お楽しみ頂ければ。

 テラの街を駆ける。駆けて、駆けて、息が切れるまで駆け抜け、私は件の八百屋に飛び込んだ。

「ご主人!」

「いら――なんだい。またエミリちゃんかい」

「エミリちゃんかい、ではありません! 聞きましたよ!」

「……何をだい?」

「お金です! お金、借りたんでしょ!」

 私の言葉に、少しだけバツの悪そうな顔をしてそれでも笑顔を浮かべる。

「へへへ。何だい、もうばれたのかい。おう! 白金貨で三百枚、借りてやったぜ!」

 主人の言葉に目の前が暗くなる。白金貨、三百枚……!

「どうやって返すつもりなんですか!」

「どうやってって……そら、野菜を売ってに決まってんだろ? 俺は八百屋だぜ? ホラ、見てみろよ! 珍しいだろ?」

 そう言って、こちらにキュウリを太くした様な野菜を差し出す。これは……

「ゴーヤ、ですか?」

「お! 知ってたのかい? コレ、ゴーヤってんだ。何でも苦いウリらしくてよ?」

「知っています! コレは商業区の店でも売ってるんですよ? しかも……」

 値札に視線を飛ばして――なに、この値段!

「商業区の倍以上するじゃないですか!」

「だって……仕方ねえだろ? 俺にはこんな珍しい野菜を売ってくれる商人は居ないからよ。だからこう、商業区の店で……な?」

「まさか……商売敵から買って来た商品を店頭に並べてるんですか!」

 ……目眩がしてきた。なるほど、商業区で買った商品なら値段だって倍以上しても可笑しくはない。

「大丈夫だって! ほら、最近向こうに行ってる奴らはよ? ウチには無い商品だから仕方なく向こうに行ってるだけだから! ウチにだって同じ商品があるってわかりゃ、多少高くたってこっちで買うさ。テラの人間ならテラの商人から商品を買う。こりゃ、俺の爺さんの時代から変わらない事だからさ」

 あっけらかんと。

 何でも無い事の様に言う主人に、眼の前が真っ暗になる。

「……甘いですよ! そんなに簡単に行く訳無いじゃないですか!」

「行くって」

「行きません! ご主人、店と土地を担保に入れてるんですよ? そんな甘い見通しで……本当にお店、とられたらどうするんですか!」

「本当に心配症だな、エミリちゃんは。大丈夫だって。見てな、エミリちゃん。来月には三百枚の白金貨、倍にして返してやるから」

 そう言って、あっけらかんと大笑する主人に、私はもう何も言えなかった。頑張って下さいと、そう言いながら、私は神に祈った。



「……用地の準備が整いました」



 ……一カ月後。


「ダイオテス商会の担当者がテラに来ている筈です。エリカさん、ご連絡をお願いします」


 ……私は手に手に木槌を持った屈強な男どもと共に、主人の店に向かう松代様の後ろについてテラの街を歩いていた。



◇◆◇◆◇◆◇



「な、なんだお前ら! 何しに来た!」

 急に来店したこの珍客の前で、主人が精一杯の虚勢を張って見せていた。その姿が、何だかとても悲しい。

「……お金を返して頂きに参りました。本来、返済日は昨日の筈です。元金、白金貨三百枚。利息、白金貨三枚。合計三百三枚、延滞利息は頂きませんので、今すぐ返して頂けますか?」

「か、金? あ、ああ! 金ね! そ、その……うん! 返すさ」

「そうですか。ご返済は引渡証書になさいますか? それとも硬貨で? どちらでも構いませんよ」

「い、いや! 返すんだけどさ! そ、その……そう! ちょっと今日は手持ちが無くて!そ、その……そう! 一カ月! 一カ月後に返すから! な? ちょっと待ってくれ」

「……それでは話が違いますが? 今日お返し頂けるお約束でしたよね?」

「い、いや、それは分かってる。分かってるんだけど、こう、どうしても要り用があってよ? 分かるだろう? 俺にもこう、付き合いってものもあるしさ」

「……」

「……な、なあ? 頼むよ」

「……」

「な、何だよ! 仕方ねえだろ! 無い袖は振れねえんだよ!」

 不意に怒りだす主人。自らが借りた金を返していないというのに、まるで『待ってくれない方が悪い』と言わんばかりのその姿は……哀れを通り越して、滑稽ですらあった。

「……つまり……どうあっても今日はご返済頂けない、と?」

「……あ、ああ!」

「……分かりました」

 松代様の言葉に、八百屋の主人の顔に安堵の色が浮かぶ。




「……それでは、契約に基づき強制執行させて頂きます」




 ……それも、一瞬。


「な、何だてめえら! ちょ、おい! 何してやがる!」

 松代様の後ろに控えていた、手に手に大きな木槌を持った男達が店内に侵入していった。

「や、辞めろ!」

 一人の男が木槌を振りかぶった。主人の悲鳴の様な叫びと同時に、その木槌が振り下ろされた。ドガン、という破砕音と共に、八百屋の壁が打ち抜かれる。

「辞めろ! 辞めてくれ! 頼む、辞めてくれ!」

 ドガン、ドガンと破砕音は続く。八百屋の主人は一人の男に縋りつき、止めようと試みて弾き飛ばされた。

「お、おい! 何考えてやがる! 俺の店だぞ、これは!」

 転がる勢いもそのままに、主人が松代様にすがりつく。そんな主人を松代様は冷たい眼で見下ろしていた。

「いいえ。もう貴方のお店ではありません。返済日が過ぎたにも関わらず、貴方からのご返済は無かった。契約書にも書いていますよね? その時点でココは、既に貴方のお店では無いんですよ」

「い、一日じゃねえか! た、たった一日だぞ!」

「一日『も』です。それに……貴方は『一カ月後に返す』と仰った。本日返せないモノが、なぜ一カ月後に返せるのですか?」

「う、売上が上がるんだ! そのお金で返済できる!」

「白昼夢ですね」

「は、白昼夢だと!」

「白金貨三百枚をお貸しして一カ月。一カ月間、貴方は何をなさっていたんですか? 目新しい野菜を仕入れた、ええ、結構でしょう。それで? 『ウチにはこんなに新しい野菜があるぞ!』と声高に宣伝したのですか? 少しでもその野菜を安く仕入れようと努力をされたんですか? レイアウトを変え、見栄えが良くしようと努力されたんですか? していませんよね? 珍しい野菜を仕入れ、店頭に並べ、お客が来るのをただただ待っていた。それで本当に売れると思っているんですか?」

「こ、これからやるつもりだったんだ!」

「……ほう。鮮度が命の野菜をこんなに萎びたモノに変えて、今から宣伝してどうするんですか? 『私の店はクズ野菜を売っています』と宣伝でもされるおつもりか?」

「く、クズ野菜だと! てめえ、俺の店の野菜をクズ扱いするのか!」

「クズ扱いなどしていません」

 ……一息。


「正真正銘、『クズ』だと申しているのです」


 後、一刀両断。

「て、てめえぇーーーーー!」

 激昂した主人が、松代様に殴りかかる。怒を込め、血走った目で殴りかかる主人。

「……そこまでです」

 心情的には……殴りかかって欲しかったのかも知れない。だが、この身はエリカ様に仕えるメイド。主の賓客は護らなければならない。

「は、離せ! 離せよ! この悪魔、ぶん殴ってやるんだ!」

「……落ち着いて下さい」

「落ち着け? 落ち着けるか! 離せ! エミリちゃん、離してくれ!」

「……すいません」

「何だよ! 一体、俺が何したんだよ! 俺は何にもして無いだろう! なんで、なんで店を取られなきゃいけないんだよ!」

 とり押さえる私の腕の中で暴れていた主人の力が少しずつ抜けて行く。怒鳴って居た声に嗚咽がまじり始めた。

「仰る通りです」

「……」

「貴方は、『何も』しなかった。時代の流れについて行く事も、時代の流れに逆らう事も、時代の流れの隙間を見つけて泳ぐ事も、その『努力』でさえ、貴方は放棄したんです」

 ……だから、と。



「……貴方に、この場で泣く資格なんてありません。泣いていいのは……辛いと思っていいのは、『努力』をした人間だけです」



 情け容赦ない、その言葉に。

「……う……うおぉ……うおぉぉ……」


 主人の嗚咽と破砕音だけが、テラの街に響いていた。


◇◆◇◆◇◆◇


「……」

 持っていた鞄をポンと放り投げてベッドに寝転がったまま、私は何もするでもなくじっと天井を見つめていた。


『悪魔が! 悪魔の手先どもが!』


 地の底から響く様な、八百屋の主人の怨嗟の声が聞こえる気がする。悪魔……悪魔の手先。

「……悪魔、か」


 そう……私は悪魔だ。


 金の為に。このロンド・デ・テラの為に、今ココに住まう人の生活を壊し、奪った。


「……私が悪魔なら、松代様は魔王だ」

 ロンド・デ・テラは確かに豊かになった。今まで誰も想像しない様な発展を、今まで誰も思いつかなかった様な栄華を極めている。それは良い。良い事だ。良い事……なのに。

「……」


 ……テラは、こんな街だったろうか?


 確かに、空き地ばかりだった土地に店が立っている。でも、子供の遊び場は減った。


 確かに、街に活気は溢れている。でも、皆の顔から笑顔は消えている。


 確かに、皆の懐は潤ってる。


「……でも」



 その代わりに……皆の心から、『暖かさ』は消えて居るんじゃないだろうか?



 確かに貧しかった。でも、テラでは皆が支え合って生きていたんじゃないだろうか? 確かに苦しかった。でも、テラでは皆、笑顔だったんじゃないだろうか? 確かに辛かった。でも、テラでは、ほんの少しの『幸せ』で一日騒げるほどに……


 ……皆、仲が良かったんじゃないだろうか?


「……ははは」

 思っても、想っても、叶う事の無い、戻る事の無い……引き返す事なんて出来ない、そんな日々。


 泥に塗れた様に辛く、苦しく、貧しく……それでも、輝いていた日々。


「……もう、戻れないのですね」

 それが……とても、寂しい。辛くて、悲しくて……一体、私は何をしているんだろうか? 人の生活を壊して、奪って、果たしてそれで本当に良いのだ――

「邪魔するで~」

 ――不意に、扉の方から聞こえる声に視線をそちらに向ける。

「……マリア様、ですか?」

「せや、マリアさんやで! なんやなんや、エミリさん。暗い顔して」

 何が楽しいのか、ニコニコと笑んだ表情を向けるマリア様に、八当たりとは百も承知で苛立つ感情を抑えきれない。

「……何のご用でしょうか?」

「うわ、こわっ! そんな顔したらあかんよ? 美人が台無しや」

「……放って置いて下さい」

「それがな~そうもいかへんねん。エミリさん、何時まで部屋でゴロゴロしてるつもりや?」

「何時まで……と……は?」

 マリア様の言葉に、視線を窓の外に向けて目を見開く。部屋に帰って来た時は天頂にあった太陽は、西の空に沈みかけていた。

「た、大変! 食事の支度を――」

「それはもうやっておいたで」

「――しなければ……え?」

「エミリさんが何時まで経っても部屋からでてけーへんから、ウチが代わりに作ったんや」

 マリア・サーチ特製、ソルバニア料理やで~と、天真爛漫な笑顔を浮かべるマリア様に目が点になる。え?

「その……なぜ、マリア様が?」

「お礼や、お礼。いやーコータはんにエエ物件紹介してもろうてな」

「いい物件?」

「せや。なんや、ダイオテス商会が土地が欲しい言うててな! それをコータはんが紹介してくれたんや」

「……松代様、が?」

 ……どういう事だ?

「エエ土地があるから買わへんか、言うてコータはんが紹介してくれたんや。白金貨千五百枚言うて、ちーっと値は張るんやけど……ホイでも、直ぐにダイオテス商会がその土地を二千枚で売ってくれ言うて来てな! ほんの二時間程やで? ほんの二時間で白金貨五百枚の儲けや。いや~、エエ商売させてもろうたわ~」

「え? ……え?」

「……ほいでもおかしな話でな? コータはん、千五百枚の内五百枚分の引渡証書だけ貰って後は白金貨で千枚、ホラ、こないだまで八百屋やってた主人おるやろ? あの人に渡してくれ、言うて……何や八百屋の主人には涙ながらに喜ばれるし……」 

 ……待て。

………待て、待て、待ってくれ! どういう事? 一体、どういう事だ!

「そうや。その八百屋の主人、エミリさんに宜しく言うてはったで? 後、申し訳なかったって謝っといてくれ言うて……って、エミリさん! 何処行くんや! ちょ、料理! ウチ特製のソルバニア料理は!」

 マリア様の、言葉の途中。

「エミリさーーーんーーーーカムバーック!」

 私は部屋を飛び出した。


◇◆◇◆◇◆◇


「松代様!」

「……エミリさん? どうしたんですか、そんなに慌てて?」

 松代様の執務室の扉をバーンと開けて、部屋の中に飛び込む。机の前に座り、驚いた様な顔を見せる松代様と目があった。

「……」

「……えっと、エミリさん? どうしたんですか、そんなに怖い顔をして。その……私、何かしましたか?」

「……」

「……エミリさん?」

「……土地です」

「土地?」

「とぼけないで下さい! あの……あの八百屋の主人が先祖代々受け継いできた、マリア様に売却なされたあの土地です!」

 私の言葉に、松代様の顔が少しだけ歪む。

「……もう聞かれたのですか?」

「ええ、お聞きしました! 何故! 何故、マリア様に土地を売られたのですか! 何故、お店を取り壊してまで奪った土地を! 何故……何故!」


 ……何故、そこまでして手に入れた土地を……『お金』を、主人に渡したりしたんですか?


「……」

「……」

「……難しいですね」

「何が!」

「正当な流通価格の形成、レピテーションリスクのヘッジ、罪悪感らの逃避に……ああ、偽善という線もありますね」

「……馬鹿にしているのですか?」

 額に青筋が浮かぶのが分かる。そんな私に、何時になく真剣な顔を向ける松代様。

「ここの地価はもっと上がります。たかだか白金貨三百枚程度の負債でそんな土地を差し押さえたという評判が立てば、今後の担保評価に支障をきたします。同じく、『テラの領主は安値で住民を追い出した』と言う評判は、人の往来の何よりの妨げになる」

「……罪悪感と偽善、とは?」

「……私も人間だという事です」

 そう言って、溜息を一つ。

「……エミリさんに用地買収の負担がかかっている事は分かっていました。分かっていながら、貴方以外に頼める人が居なかった。私では土地の買収など出来なかったでしょうし、エリカさんでは住民が委縮してしまう。エミリさん、貴方の様に住民と触れあっていた方が説得してくれていなければ、今の様なテラの発展は無かったんです」

 本当に、貴方には感謝していますし……だから、少しだけの罪滅ぼしのつもりで、と。

「……わからないんです」

 そう言って、頭を下げる、松代様に。

「……今のテラの発展が……本当に良かったのか、どうか」


 ……私には、分からないんです。


「……エミリさん」

「だって……だって、そうでしょう! 今まで住んでいた人を追い出して! 今まで過ごして来た生活を壊して! お父さんやお爺ちゃんや、もっと前から住んでいた人の想い出を! 楽しかった、美しかった日々を」


 ……そんな、何物にも代えがたい、生活を。



「……『壊して』まで……テラは、発展しなければいけないのでしょうか……?」



 何時しか、俯き見つめた床が滲んで見える。


「……エミリさん」


 一体、どれくらいそうして佇んでいただろう?


「……私は、覚悟をしています」

 不意に、松代様の声が室内に響いた。



 …………覚悟?



「住民を追い出してまで、テラを発展させる覚悟を。住民の生活を壊してまで、財政を立て直す覚悟を。お父さんやお爺ちゃん、先祖代々暮らして来た、大事な大事な想い出の地を汚し、自然を破壊し、汚泥に塗れさせ」


 後世に。

 


 ……否。現世を生きる人々に、『悪魔』と、『魔王』と呼ばれてでもやり遂げるという、その覚悟を。



「……」

「……だから、私は折れません。だから、私は止まりません。どれ程の悪評を、どれ程の不興を買おうと、私は曲げません。私が折れれば、私が止まれば、私が曲げれば」


 ……それは、私が汚して来た人々に対する、最大の侮辱だから、と。


「だから、エミリさんがどう言おうと私は今の考え方を辞めるつもりは毛頭ありません。サイを投げてしまった以上、私は出た目に正直でありたい」


 そう言って、何時もの様に……それでいて、少しだけ悲しく微笑む松代様に。


「……私に足りないのは、『覚悟』でしょうか?」

「……それは私には分かりかねます。誰だって悪評なんて買いたくないでしょうし……言ってしまえば、私は余所者ですから。エミリさんとは考え方も違うでしょう」



 だから……貴方は、『民』の側で在って良いのですよ? と。



「……あ……」



 その言葉で……分かってしまった。



「……松代、様」


『勇者』として、召喚され。


 望んでもいないのにこのロンド・デ・テラに来た、『魔王』


「……」


 一人で。


 たった一人、この世界に来て生きる、この『魔王』は


「……分かりました」



 ……罪悪感からやったと、それを偽善と偽る、この『魔王』は。



「何が分かったんですか?」



 魔王と名乗りながら……きっと、誰よりも優しく、誰よりも甘い。



「……『覚悟』です」


 ……思っても、想っても、叶う事の無い、戻る事の無い。


 ……引き返す事なんて出来ない、そんな日々。



 泥に塗れた様に辛く、苦しく、貧しく……それでも、輝いていた日々。



「……私に足りなかったのは、『覚悟』です」


 私に足りないのは、『覚悟』


 過ぎ去りし日を想い、涙を流すでは無く。


 新しい『世界』で、ただ前を向き、ひたむきに歩いて行くという。



「……私も『覚悟』を決めました」




 ……この『優しい魔王』と、共に踊るという、その覚悟を。




「……無理をしなくても良いんですよ?」

「無理では御座いません」



 ……魔王と、踊ろう。



 古い世界を壊していく、この勇ましくも優しい魔王と共に……新しい世界をクルクル、狂々と踊っていこう。



 世界中の人から畜生と罵られ、悪魔と蔑まれ、魔王と忌み嫌われようと。



「……貴方の側に、私は在り続けます」



 ……私は、貴方と共に踊りましょう。



「貴方一人が汚名を被る必要はありません」



 世界中の人から畜生と罵られ、悪魔と蔑まれ、魔王と忌み嫌われようと……それでも、民に救いの手を差し伸べ続ける、そんな『優しい魔王』の側に。



「今後とも、ご指導ご鞭撻の程を」


 どうぞよろしくお願いします、『コータ』様、と。



 そう言った私の胸は、何故だか少しだけ高鳴った。



経済マメ知識⑦

シャッター商店街

郊外型の大型スーパーが立つと地元の商店街が苦境に立たされます。良く言われるシャッター通りが正にコレです。市場の原理に従えば安く、利便性が良い場所に人が流れるの道理ですので文句を言う筋合いは無いのですが……誘致派にも反対派にもそれぞれ一理あり、どちらも街の事を考えているのが分かるのが悲しいです。共存は無理なのかな~。

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