【詩】愛する者の魂を天へ送る歌
風よ 舞い上がれ
やさしく やさしく
魂よ それに乗り飛べ
この世に未練を残さぬよう
こころおきなく 旅立てるよう
風よ 二度と会えぬなら
その情熱を燃やして 舞い踊れ
風よ 包んでくれ
やわらかく やわらかく
魂よ それに包まれ笑え
あたたかい 思い出だけが残るよう
共に生きた喜びが 胸にあるよう
風よ 二度と抱けぬなら
激情のかけらも 包んでしまえ
魂よ 昇って行け
ゆっくりと ゆっくりと
風よ 魂と共に行け
新たな幸ある天へ まっすぐに
魂が迷わぬよう 戻って来ぬよう
風よ 二度と戻らぬなら
私の悲しみをすべて 消して行け
風よ 吹き抜けよ
さわやかに さわやかに
風よ 私の願いをかなえよ
愛する者の魂を 無事に天へ
この流れる涙も 共に
切り裂かれる思いも 共に
どうか 持って行ってくれ
私の心に 日が射すように
さらば 別れゆく愛する魂よ
ありがとう 私が愛した者よ
肉体は地へ 魂は天へ
生をうけし時から
定められたそれぞれの場所へ
今 別れゆく
風よ 風よ
どうか この思い届け
二度と会えぬなら
私の願いを
風よ 愛する魂を無事に天へ
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この詩は、自作のファンタジー小説(未発表)の中で作ったものを取り出したものです。
お読みいただき、ありがとうございました。
2008年7月 菜宮 雪