あとがき
あとがき
【初心忘れるべからず】
この言葉の意味は周知の通り《ある物事を始めた時の純粋な気持ちを忘れるな》ということである。何か新しいことを始めてしばらく経つと、その大元は何だったのか・・・・・・時に分からなくなるときがある。この言葉はそれを危惧したものであろう。だが、何年前だっただろうか、この言葉には別の意味があるという文章を読んだ。
その別の意味とは《初歩の醜悪な芸を忘れるな》ということである。
ただ闇雲にやっても仕方がない。時々立ち止まって、自分がどれだけ成長をしたかを確かめなければならない。それらの過程の中で比較となる物が『初歩の芸』である。故に忘れるな。これがもう一つの意味である。
今回の作品を改めて見直してみると、《初歩の芸の醜悪さ》がよく分かる。そこを分析し、反省し、次に生かすこと。これは、処女作を書き終えた作者が第一にしなければならないことだろう。今は終わりであると同時に始まりでもあるのだ。
『ここまでお付き合い頂いたすべての読者の皆様、的確な助言をしていただいた先生方に心から御礼を申し上げます』
さて、後書きのエッセイはここまでで、以後は堅苦しい言い回しは抜きにしましょう。
感想、評価をしてくださった読者様、もしくは先生方、改めてお礼申し上げます。感想がどれだけ私を励まし、また評価がどれだけ参考になった事か。この感謝の気持ちを言葉で言い表すことは不可能です。我ながら芸の無い言葉ですが、ありがとうございました。
話は打って変わりまして、ここで本文の補足を
《バイスクル(Bicycle)》
U.Sプレイング社より発売中のトランプ。世界中のマジシャンが愛用している。
《クロースアップマジック》
こういえば分かりにくいが『テーブルマジック』とほぼ同意義。テーブルを囲んで手元で見せるマジックの総称。日本では前田智洋氏が大成し、『クロースアップマジシャン』と呼ばれている。
。
《岐阜のマジシャン》
Dr.沢こと沢浩氏のこと。日本屈指のマジッククリエーター。下記のダイ・ヴァーノンに絶賛された。またMr.マリックの師匠でもある。著者が最も尊敬するマジシャンの一人。
《ヨハン・ネポマク・ホフジンザー(Johan Nepomak Hofzinser)》
現代カードマジックの基礎を築いた人物。本文で述べた通り、時代背景により活動当時は注目されなかった。しかし、彼の功績は偉大で、その技術は今もマジックの中に深く根付いている。
《ハリー・フーディーニ(Harry Houdini)》
脱出を得意とするアメリカの代表的なマジシャン。それ故に『脱出王』の異名を持つ。日本では余り有名ではないが、アメリカでは『マジシャンと言えばフーディーニ』といっても過言ではない。その為、洋画の中でマジックをする人がいると『フーディーニのようだ』と喩えられる。だが、日本語字幕や吹き替えでは『マジシャンのようだ』と訳される。
《石田天海》
日本の代表的なマジシャン。彼の開発した『天海パーム』というテクニックは世界中のマジシャンに衝撃を与えた。
《ダイ・ヴァーノン(Dai Vernon)》
二十世紀を代表するマジシャンの一人。『マジックの神様』や『プロフェッサー』などと呼ばれる。彼がアレンジしたマジックは『ヴァーノンタッチ』と呼ばれ、独特の雰囲気を帯びる。『Be Natura(自然であれ)』や『Be Yourself(貴方自身であれ)』等、格言も多い。
※『dai vernon』を“you tube”で検索すると彼が演じた『カップアンドボール』というマジックの演技を見ることができます。
最後に、今は亡き歌手、村下孝蔵氏に感謝の意を述べます。
ハンドルネームをアルバムタイトルから頂いたばかりか、作品を書くに際し、未だ経験せぬ恋愛に関してどれだけのインスピーレーションを歌詞中より得たことか。誠にありがとうございました。
七月十六日 七夕夜想曲
|