第二十九話 最上階には
(・・・・・・快斗の奴いったいどういうつもりなんだ・・・・・・)
新一と志保は快斗が言った通りに、最上階へ向かっていた。
「・・・・・・・・・何だと思う?」
新一の考えを見透かしたように志保が言う。
「・・・・・・さあな・・・・・・」
「あ、兄貴・・・どうしやす・・・」
ウォッカが流れ込む機動隊を見て顔色を変えている。
「・・・・・・キールだ・・・・・・」
「へ?」
「キールはどこだと聞いているんだ!」
「あいつなら、用があるとか言って外に・・・・・・」
「フン・・・・・・」
音を立ててドアを開け、ジンは外に出ていった。
バン!
新一の顔すれすれの所を弾丸が通っていった。
それが飛んできた方を見る。
「・・・・・・キャンティ・・・・・・」
その姿を確認すると志保を庇った。
「フン、FBIに子猫が二匹混ざっていたようね!」
すると、その声を合図としたかのように、銃を構えた組織員が現れた。
ざっと十人はいる。
「やっちまいな!!」
一斉に銃口を二人に向け、引き金に指をかけた。
ポン、ポン、ポン、ポン・・・・・・
本来聞こえるはずの銃声の変わりに、どこかで聞いたような破裂音が複数回響き渡り、
その音の数だけ向けられていた銃が吹き飛んだ。
ポン、ポン、ポン、ポン・・・・・・
再びその音が響く。
すると今度は、組織員達が足首を押さえて呻き始めた。
「・・・・・・ったく、実弾がトランプに負けるとは、黒い鳥達も情けねぇなあ・・・・・・」
「快斗!」
上から快斗が降りてきた。
その手には、やはり例の銃が握られている。
「安心しろ、新一。アキレス腱を切ってやったから、奴らはしばらく立てねぇよ・・・」
「・・・・・・サンキュー快斗・・・・・・」
「礼はいいから、早く行け!お前と志保ちゃんの担当は最上階だ。ぐずぐずしてると日が暮れるぞ・・・・・・」
「ああ・・・・・・・・・」
「それじゃあ、俺も持ち場に着くぜ・・・・・・健闘を祈る・・・・・・」
そう言って、快斗は下に、新一と志保は上に向かって行った。
だが、誰もこのときは気づかなかった。
宙を舞った銃の中の一つに、まさか実弾が食い込んでいようとは・・・・・・・・・
―最上階
「ここは・・・・・・」
志保の第一声がそれだった。
見る渡す限り廊下が続いているだけで、ドアも何もない・・・・・・・・・・・・・・・ように思えた。
「・・・・・・・・・・・・」
新一は黙って鉄の壁の一部に近寄り手で押した。
「・・・・・・!・・・・・・」
壁が割れた・・・・・・・・・・・・様に見えた。
それにあったのは隠し扉だった。
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・行くぞ・・・・・・」
そして中へと進んだ。
コツ、コツ、コツ、コツ・・・・・・
二人の足音だけが響く。
コツ、コツ、コツ、コツ・・・・・・ピタッ
その足音が止まった。
二人の前には椅子に腰掛けた一人の男が背を向けて座っていた。
生憎と、肝心の人物は影になって見えないが・・・・・・・・・
「・・・・・・工藤新一君・・・それに、志保だね・・・・・・」
その男が言った。
「・・・!・・・どうして、私の名前を・・・・・・」
志保がそう言いかけたところで、新一に手で制された。
「なるほど・・・あなたでしたか、十八年前に事故死したと言われている人物・・・・・・」
そこで志保はハッした。
「・・・・・・そして、学会から追放されたマッドサイエンティストであり、組織のトップでもある・・・・・・・」
男はゆっくりとした動きで振り返った。
「・・・・・・宮野厚史さん・・・・・・」
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