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奇術師の予言
作:七夕夜想曲



第二十五話 銀の弾丸還る


─翌日
「Hi!cool kid!」
ジェームズの車の中からジョディが呼び掛けた。
「ジョディ先生!例の物は?」
「これよ。」
ジョディは一枚の封筒を渡した。
新一は受け取るや否や、封筒の中身を取りだし、持っていた別の写真と見比べている。
「・・・・・・やっぱりだ・・・・・・」
(・・・・・・でも、いったい誰が・・・・・・)










「・・・・・・弾の型が一致したやと!」
「バカヤロウ!声がでけぇよ!」
快斗と青子が泊まっているホテルの部屋で新一、平次、快斗、ジョディ、ジェイムズが捜査会議をしていた。
「ホンマなんか?」
「ああ、本当だよ・・・」
新一は二枚のポリ袋を机に置いた。
「・・・これが灰原を助けた人が撃った弾・・・」
その内の一枚を平次に差し出した。
「・・・こっちが生駒山で見つけた弾・・・見てみろ両方『ライフルドスラッグ』だ・・・」
「・・・ショットガンか?」
快斗が聞いた。
「ああ、それだけじゃねぇ・・・」
新一はそう言って、一枚の封筒を机に置き中身を取りだした。
「それぞれの旋条痕の写真だ・・・・・・ぴったり一致する。」
「・・・・・・ちゅうことはや・・・・・・」
「ああ、電話を掛けてきた人がこの弾の持ち主だとすると、その人は灰原を助けた例の謎の人物って事だ。」
沈黙が訪れた。
「それで、その人が次に行けって言ったところが・・・・・・」
「倉吉です。」
ジェイムズが聞き新一が答えた。
「・・・・・・でも、倉吉に何があるの?」
「そら、行ってみんと分からんのとちゃうか、先生?」
平次は帽子を被り直し、上着を着込んだ。
新一も時計のベルトを締め直し、快斗もトランプ銃を懐に収めた。
「行くって、こんな少人数で!?何があるか分からないのに・・・」
「人員の心配なら無用だぞジョディ・・・」
部屋のドアが開いた。


「・・・・・・あなたはいったい?」
「・・・私だよ・・・」
その男─赤井秀一は変装を説いた。
秀一シュウ・・・・・・生きてたの!?」
「ああ、FBIのトップシークレットだがな・・・」
「でも、どうやって?」
赤井は新一に目をやり、なぜか快斗にも目を向けた。
「・・・マジックが得意な怪盗さんには、こういえば分かるだろう・・・
ハリー・フーディーニの時刻当てマジック・・・」
「・・・・・・なるほど、仕込みのサクラですか・・・・・・」
快斗が頷いた。
「どういうことだね?赤井君・・・」
ジェイムズが聞いた。
「簡単なことですよ。始めに楠田スパイの死体を車に乗せておく・・・次に彼女に空砲で撃たせ、同時に袋に仕込んだ血糊を潰す・・・あたかも撃たれたように見せかけてね・・・彼女が去った後、車からこっそり抜け出せば脱出マジックの完了・・・そうすれば、中から見つかった楠田の死体が私だと、みんな錯覚してしまうというわけですよ。」
「じゃあ、あのときコナン君の携帯に触ったのは・・・」
「そう、この計画トリックの下準備・・・ジョディが指紋を頼りに死体の身元確認をするのを見越してね・・・」
「でも、秀一シュウどうやってそこから移動したの?」
「仕込みのサクラ・・・本部から来たFBI調査員に警官振りをしてもらって現場に来させたのさ・・・客が自由に合わせた懐中時計の時刻を当てるという現象を、サクラを使って実現させた、
マジシャンの代名詞的存在『ハリー・フーディーニ』の様にな・・・」


「・・・なるほど・・・警察が来れば奴らもその場に留まるはずがないし、
まさか警官が仕込みだとは夢にも思わない・・・フーディーニもびっくりの見事なマジックですよ、赤井さん・・・」
快斗はそう言った。
怪盗キッドをうならせるのだから相当のマジックなのだろう。
「でも、しばらく死んだことにして捜査するんだったんじゃ・・・・・・」
新一が言った。
「そろそろ潮時だと思ってな・・・こっちも表だって捜査ができないと不便だし、それに・・・」
そう言いながらドアに近づいた。
「・・・あの子を守らないといけないしな・・・」
「あの子って?」
「彼女だよ、ジョディ・・・今もこのドアの外にある木の植わった鉢植の陰で聞き耳を立てている・・・」


ドアを開けた。


「・・・彼女だよ・・・」
「は、灰原!お前いつから・・・」
その言葉の後を哀が続けた。
「いつから聞いてたか?一部始終よ・・・私もつれてってくれるわよね?」
「相当危険だぞ!何があるかさえ分からない・・・それでもいいのか?」
「関係ないわ・・・・・・・・・それに、倉吉の研究所には・・・」
「研究所には?」
哀はためらっていたが、決心したように言った。

「・・・・・・お母さんが居るの・・・」

「なんだって、どういうことだよ!」
「詳しいことは車で話すわ・・・」

「・・・・・・ということだ、ジョディ。行くぞ、俺を『殺した』奴らの研究所とやらにな・・・FBI捜査官を何人か呼んである。人員には困らないだろう・・・それから・・・」
銀の弾丸シルバーブレッドは男三人の方を見た。
「何人かに、君たちの彼女を警護させよう・・・・・・これで安心だろう?」
そう言って階下に降りていった。








こんばんは、七夕夜想曲です。
バカな『赤井の帰還トリック』に付き合っていただきありがとうございます。
この程度のものしか作れない私の頭を許してください。
さて、伏線を残す形となりましたが次回で消化されます。











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