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更新遅れて申し訳ありません><
最近いろいろとごたごたしてまして・・・。
また遅れるかもしれませんが、生暖かい目で見守ってやってください。
第7話
第7話「危機がさって、日常へ」

ドスギアノスが倒れると、周囲にいたギアノス達はいっせいに逃げ出した。
「何とか・・・なった・・・。」
ユキは洞窟の出口へと向かっていくギアノス達を見つめながら、安心しきった様子でその場に座り込んだ。
「助かった・・・のか?」
ヤスも気が抜けたように腰をおろした。
ギアノスがいなくなったのを確認すると、ユメルは口を開いた。
「しかし・・・お前達は一体なにをしていたんだ?ギアノス達と戦うなどとは、聞いていなかったぞ。たしか、回復薬の素材集めと聞いていたのだが・・・。」
「あ、あれは・・・。」
怒り気味のユメルの様子に、ヤスは口答えしようとするが、すぐに黙ってしまう。
「ユキさん・・・、どうして、こんな事に?」
ユメルの代わりに、リュミエールがユキに質問した。
「それは・・・。」
ユキは、ユメル達と離れたあとのことを話し始めた。


ユキが、ユメル達と合流するまでの事を話すと、ユメルとリュミエールは納得した表情でうなずいた。
「なるほどな・・・。とりあえず、今日はもう村に帰ろう。多少ハプニングは有ったが、みんな無事だったんだ。良しとしよう。」
ユメルはそう言うと、座り込んだままのヤスに手を差し伸べ、立ち上がらせる。
「さぁ、ユキさんも。」
リュミエールもユキに右手を差し伸べる。
「あ、すみません・・・。」
ユキはそう言って、差し伸べられた手をつかむ。
「・・・あら?ユキさん、その右腕・・・。」
リュミエールは、ユキの手をつかむとその右腕にある切り傷に気がついた。
「こ、これは、その・・・、さっきの戦闘で油断して、それで・・・。」
ユキはそう言うと、手を引っ込めて、左手で右腕を押さえた。
「おい、どうしたんだ二人とも・・・ユキ、何故右腕を押さえているんだ?」
ユメルは二人の近くまで来ると、ユキの様子を見て表情を暗くした。
「実は・・・、ユキさん、右腕を怪我なさってるみたいで・・・。」
「なんだって?・・・ユキ、すまない。」
リュミエールが申し訳なさそうに言うと、ユメルはユキの腕を取り、傷口を確認する。
傷口からは、かなりの量の血が流れでているようだった。
「かなり深いな、それに傷自体も大きい・・・。」
そう言うと、ユメルはユキを立ち上がらせた。
「わざわざすみません・・・っ!?」
立ち上がったあと、ユキはユメルに礼を言うが、足に力が入らずにこけそうになる。
ユメルはすぐさまユキを支えると、呆れたように溜め息をつく。
「はぁ・・・、まったく、ろくに止血もしないで、無理に戦うからだ。おそらく血を流しすぎたのだろう。」
ユメルはそう言うと、ユキを支えようと肩を組もうとした。
「・・・・・・。」
が、身長差のせいで、それは出来なかった。
「ふふっ、ここはやはり、ヤスさんの出番ですわね。」
リュミエールは、ヤスに向き直りながら言う。
「仕方ない・・・。ヤス、悪いがユキを背負ってもらえないか?」
ユメルがそう言うと、リュミエールはヤスの武器を預かる。
「あ、あぁ、わかった。」
ヤスは弱った様子でそういうと、ユキを背負う為に背中を向けてかがむ。
「ほら、ユキ。」
「えと・・・、では、失礼します。」
ユキは始めは戸惑ったものの、素直にヤスの背中に腕をかけた。
ヤスがユキを背負ったのを確認すると、全員村を目指して歩き始めた。


村に着く頃には、空は暗くなっていた。
着いてすぐに村長に報告を済ませると、家に戻った。
「とりあえず、一度ユキを部屋に戻したら、私達も着替えよう。その後で、今後のことについて話そうと思っている。」
ユメルは食堂に戻ると、全員を見渡してそう言った。
「わかりましたわ。」
「あぁ。」
リュミエールとヤスはそう言うと、背中にいるユキの様子を確認する。
「・・・。」
ユキは疲れたのか、怪我の影響か、今は眠っている。
ヤスは心の中でユキに謝ると、ユキを部屋におくっていった。
ユメルとリュミエールも、ヤスの後を追うように自分の部屋へと戻っていった。


しばらくすると、ユメル、リュミエール、ヤスの3人は食堂に集まった。
ゲンジとポップは、留守のようで家には居ない。
「それで、まずはユキの事だが、怪我の方は比較的早く治るだろう。」
「そうですわね・・・。とりあえず、わたくしの方で応急処置はさせて頂きましたし、明日お医者様に診ていただけば、問題無いと思いますわ。」
ユメルとリュミエールはそう言うと、ヤスのほうを見た。
「それよりもヤスさん・・・、どうなさったのですか?そんなに思いつめたような顔をされて・・・。」
「いったいどうしたと言うのだ?」
ヤスは二人にそう言われると、落ち込んだ様子で口を開いた。
「いや・・・、俺のせいで、ユキに怪我させちまったと思って・・・。」
「俺のせいで?ユキは自分の不注意だと言っていたようだが・・・。」
ヤスの言葉に、ユメルは眉を歪める。
「あの怪我・・・、俺を庇った時に出来た傷なんだよ・・・。ギアノスの群れに、何も考えずに突っ込んでいった俺を庇った時にな・・・。」
「そうだったんですの・・・。」
ヤスが自分の軽率さを悔やみながら言うと、リュミエールはヤスの様子に心を痛めながらそう言った。
「それであんなに思いつめた様子だったのか・・・。だが安心しろ、ユキの怪我はそう酷いものではない。ふらついたのだって、血が少し足りないだけで、栄養のある食事をして、安静にしていればすぐに良くなるさ。」
ユメルはそう言ってヤスを励ました。
「そうですわ。それにそんなに落ち込んでいては、ユキさんが悲しんでしまいますわよ?」
リュミエールは、少しヤスを叱るように言った。
「そうか・・・わかった。ありがとう、ユメル、リュミエール。」
ヤスはそう言うと、二人に頭を下げた。
「さて・・・、それではこれからの事について話そうと思う。」
ユメルはヤスが立ち直ると、話題を変えた。
「とりあえず、この村や周辺の地域の依頼をこなしながら、村長からの依頼の原因を解明していくつもりだ。この点に関しては、誰も異論はないか?」
ユメルはそう言うと、二人に視線を向けた。
二人は、無言でうなずく。
「そして、それ以外にだ・・・。ヤス、ギルドカードを見せてもらえないか?」
「あぁ、すまない。俺はギルドカード、持ってないんだ。」
ユメルの質問に、ヤスはそう答える。
するとユメルは、驚いた様子でヤスに言った。
「なに?という事は、お前はハンターズギルドに登録していないのか?」
「待ってください、ユメルさん。おそらく、お父様であるゲンジさんが村付きのハンターだったからではないでしょうか?」
リュミエールはユメルをなだめる様に言った。
「なるほど・・・確かにそれなら話がわかる。」
ユメルは納得すると、うなずきながら言った。
「おいおい、一体どうしたんだよ。ギルドカードを持っていないのが、そんなにおかしいか?」
そんな二人の様子を見ながら、ヤスは不機嫌そう言った。
「そういう訳ではないのですが・・・。実は、ハンターズギルドの規定で、モンスターの乱獲を防ぐ為に、ハンターとして働く為には、ギルドへの登録が義務付けられているんですの。なお、一部の例外を除き、ギルド未登録者がモンスターの狩猟を行なう事は、禁止されておりますの。」
リュミエールは話を区切ると、今度はユメルが口を開く。
「そして何故私がギルドカードについて尋ねたのかと言うと、ギルドカード・・・ハンターズギルド登録証明に記入されているハンターランクを確認したかったからなのだが・・・。」
そこでヤスは、ユメルの話に割り込んできた。
「ちょっと待ってくれ!さっき、ギルド未登録者が狩りを行なう事は禁止されてるって言ってたよな?それって、つまり・・・。」
「ギルドの規定は、国の定めた法律に順ずるものだ。そしてお前はその規定に違反するもの・・・、つまりは犯罪者ということだな。」
ヤスが怯えたように話すと、ユメルは冷めた目をヤスに向ける。
「そ、そんな・・・。」
「もう!ユメルさん!そんな脅すような話し方をしないでくださいな!・・・ヤスさん、ご安心ください。その規定にも例外はあるんですのよ?」
激しく落ち込むヤスを見かねたリュミエールは、ユメルを嗜めると励ますようにフォローする。
「例外・・・?」
ヤスは情けない声を上げ、リュミエールを見上げる。
「はい、それは村付ハンターである場合、先ほどあげた規定を免除されるというものなんですの。・・・今でこそほとんどの集落にギルドの出張窓口があり、依頼の管理はギルドから派遣された担当者が管理するようになっておりますが、それでも全ての集落を把握できていないのが現状です。そこで、ギルドの把握していない集落はもちろん、ギルドの手が行き届いている地域でも、集落の安全や生活を護るという名目の元でなら、ギルド未登録者でも、モンスターの狩猟を行なう事が許されているのですわ。」
リュミエールはヤスを安心させるように、優しい口調でそう言った。
「そうだったのか・・・よかった。・・・ってこの事はユメルも知ってたのか!?」
ヤスは安堵の息をつくが、すぐにリュミエールの言葉を思い出すと、ユメルにくってかかる。
「あぁ、知っていたが?。」
ユメルは事も無げにそう言った。
「なんだよ!知っててお前は俺の事を犯罪者扱いしたのかよ!!」
「ふっ、なに、お前を少しからかってみただけの事だ。」
「いやこの状況で冗談言われても、誰も気がつかないから!!!」
「冷静に考えてみればわかるだろう?この村にはギルドの出張所があるんだ。もし規定に違反していようものなら、今頃お前は最寄のギルドの牢屋の中だ。だが、今のお前はどうだ?」
「言われてみれば確かにそうだな。もし俺が規約を違反してたのなら、この村のギルドの奴らに捕まってるはずだもんな・・・。」
初めは怒っていたヤスだったが、ユメルの話を聞くうちに、自分がからかわれていた事も忘れて話の内容に納得してしまった。
「とにかく、お前はギルド未登録者だ。これから私達と行動を共にする為には、ギルドに登録してもらわなければ困るからな。明日の朝にでも登録を済ませてしまおう。」
「あぁ、わかった・・・。でも、一体なにに困るんだ?村付ハンターなら、ギルドの登録無しでもハンターを続けられるんだろ?」
ユメルが明日一番にすることを決めると、ヤスは質問する。
「お前以外の全員がギルドに登録済みで、私達はギルドからの依頼をこなす事もあるからだ。ギルド未登録者であるお前は、ギルドからの依頼を受ける事もできないしな。」
ユメルは簡単に、しかし要点をしっかりと説明した。
「つまり、ギルドからの依頼なんかを、俺も受けれるようにする為に、明日俺の登録手続きをするってことなんだな?」
「まぁ、そんなところだ。」
ヤスが話を自分なりに要約して言うと、ユメルはそう言った。
「他にも色々と良い面があるんですのよ?例えば、遠方からの依頼を受ける事が可能になったり、クエスト開始時に支給品が支給されるようになったり、販売価格の一部をギルドが負担している、ギルドショップが使用できるようになったりと、様々な恩恵がえられるのですわ。」
リュミエールは、ギルドに登録した際の利点を述べた。
「ただ、村付ハンターに比べたら、自由な狩りはできなくなるがな。それでも、ギルドに登録する利点は大きい。これからの為にも、ギルドに登録する事をお勧めする。」
「そうか・・・、わかった。」
ヤスがギルド登録を決めると、ユメルは話を終える。
「さて、今日はもう遅い、遅めのご飯を取ったあとで、ゆっくり休むとしよう。」
「そうですわね。では、手早く夕食の準備をしてしまいましょうか。」
そう言うと、リュミエールは台所に立つと、夕食の準備を始めた・・・。


次の日の朝、怪我をしたユキを村医者に診せると、3人は集会所に向かった。
「昨日言った通り、登録手続きをするわけだが・・・。その際にお前の実力を測ることになるだろう。」
集会所に向かう道中、ユメルはヤスにそう言った。
「え!?登録する為には、何か試験みたいなものがあるのか!?」
手続きとはいっても、小難しい書類に適当に必要な事を書くだけだと思っていたヤスは、驚いた顔をしてユメルを見た。
「いや、そうではない。ただ、お前は今まで、村付ハンター見習いとして、モンスターと戦ってきたはずだ。そこそこの経験もあるはずだ。そこでギルドはお前の実力を測り、お前にふさわしいハンターランクを決める為に、力試しのようなものを受ける事になるだろう、という事だ。」
「あぁ、なるほどな。」
ユメルが説明を終えると、ヤスは納得しなにやら考え事を始めた。
「大丈夫ですわ。ヤスさんならきっと、やり遂げる事ができますわ。」
「ん?あぁ、ありがとよ!リュミエール!!どんな試験だろうが、絶対にクリアしてやるぜ!!」
リュミエールの声援を聞き、ヤスは俄然やる気の炎を燃やす。
「ふっ、頼もしいな。さて、そろそろつく頃だ。心の準備はいいか?」
「おう!いつでもいいぜ!!」
ユメルの言葉に、ヤスは勢いよくそう返した。
そして3人は、集会所の中に足を踏み入れたのだった。


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