理系夫と文系嫁のSF用語講座「ロボット・サイボーグ・アンドロイド」
002「ジョー。きみは、どこにおちたい?」
夫「フォオオオオオオオオ!」
嫁「またロボットアニメ見てる」
夫「……ちょっと待った。それは聞き捨てならないな。009はロボットじゃないよ。サイボーグだ」
嫁「え? サイボーグってロボットでしょ?」
夫「いや、ロボットっていうのは機械のことね。人間のために自動で働く機械」
嫁「うん」
夫「でもね、サイボーグは人間なんだ」
嫁「は?」
夫「人間の体の一部を機械で強化した人のことをサイボーグっていうの」
嫁「えー? それロボットじゃん」
夫「いやいや、概念から言えばペースメーカーとか付けてる人もサイボーグの範疇に入るんだよ。そういう人をロボットなんて言わないでしょ?」
嫁「サイボーグとも言わないよ」
夫「ぐぬぬ……」
嫁「結局なんなのよ?」
夫「うーん、最初の概念と今現在の使われ方に乖離が発生してるんだよね」
嫁「……難しい言葉使ってごまかそうとしてない?」
夫「違う違う。元々は『人間の体の一部を機械で代用した人』の意味で提唱されたサイボーグなんだけどね」
嫁「うん」
夫「今のSFでは『人間以上の能力を発揮するために』って言う文章が上につくようになっちゃったんだ」
嫁「あ、ウサビッチのキレネンコがメカネンコになった感じか」
夫「あったねー、そんなアニメ」
嫁「ドラえもんはロボットだよね。アラレちゃんも人間じゃないからロボットか」
夫「懐かしい所来たね。でもアラレちゃんはアンドロイド」
嫁「また違うの来たよ」
夫「ロボットの中でも、特に人間の姿をしていて、人間と同じように振舞えるのをアンドロイドって言うんだ」
嫁「めんどくさいなー、全部ロボットじゃダメなの?」
夫「ロボットとアンドロイドについてはまぁ正直曖昧だから良いとは思うけど……」
嫁「サイボーグはダメなの?」
夫「サイボーグは人間だから。『あなたは機械ですね』って人に言うのは失礼でしょ?」
嫁「あーそう言うレベルの話?」
夫「本人にとっては大事だと思うけど……」
嫁「まぁ納得した。だてにロボットアニメばっかり見てるわけじゃないんだね」
夫「そんなにロボットアニメ見てないけどなぁ」
嫁「見てるでしょ!? エヴァとかガンダムとか――」
夫「エヴァは人造人間でガンダムはモビルスーツだ!」
嫁「またなんか出てきた……」
――了