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黒い影
作:紅佐洲仮



第9話


今日は、風も吹いてなく静かだと思っていた。しかし、強い風が夜の闇に吹き上げる。
「何処に行くんだ?」
背後から声がした。奈月は、声のする方を振り返った。そこに居たのは、
「あなたは、赤井さん。」
奈月は、そこに居た人物、赤井に言った。
「こんな夜更けに何処に行く?」
赤井は、奈月にもう一度質問した。
「ちょっと風に当たりたくて…」
奈月は、赤井に言った。
「ホー、風にね…」
赤井は、タバコを吸いながら言った。
「そうよ、風に当たりたくて、後で病室に戻るから…」
そう言って、歩き始めようとした、
「じゃあ何故、屋上にしなかったんだ?」
赤井は、また質問した。
「え?」
奈月は、止まり赤井の方を見た。
「風なら、屋上の方がよく吹いてるぜ。」
赤井は、表情を変えず尋ねた。
「それは…屋上の場所が判らなくて…」
奈月は、分からない表情で言った。
「おまえは今日の朝、病室を抜けたみたいだな。ジョディが捜して見つけたはずだ。」
赤井は、タバコの煙を吐きながらそう言った。
「ええ、そうよ。」
奈月は、冷静に答えた。
「その時、病院内を周ったはずだ。初めてならな…」
赤井は、そこで止めた。
「私は、この病院に来たことなんてないわ。」
奈月は、そう言った。
「それなら、この病院内を周ったはずだ。そして、屋上の場所を知っていて普通だ。しかも、階段を上がれば屋上に行けるはず、何故そうしなかった?」
赤井は、奈月に質問した。
「それは…」
奈月は、言葉に詰まった。さらに赤井が、
「もう一つ、俺がおまえを見つけた時、何故コートやマフラーをしてなかった。」
赤井は、さらに質問した。奈月は、何も言わず黙りこんだ。それを見た赤井が、
「阪井菜月…おまえは、何者だ?」
その時、強い風がこの二人の間を抜けていく。
菜月の髪が風に煽られて、俯いた。そして、笑みをこぼし、
「流石ね…FBIの赤井秀一さん。」
顔を上げ、答えた。
「やはり、知っていたか。おまえが意識が戻った後に、俺のことを見て驚いていたからな。」
赤井は、そう言った。
「それは、違うわ。私が貴方のことを知っていたのは、名前よ。」
奈月は、赤井にそう言った。
「それで何者だ、おまえは?」
赤井は、また質問した。
「貴方達、FBIが追っている仲間ってところよ。」
奈月は、冷静に言った。赤井は、タバコを落としそして、靴でタバコの火を消し、
「奴等の仲間か…」
赤井は、そう言いタバコから足をどけた。
「仲間って言っても`元'よ。」
と、奈月は言った。赤井は、手をポケットに入れ、
「奴等を裏切ったってわけか…なるほど奴等の施設が火事になったのは、おまえが関係してる訳か。」
赤井は、奈月を見ながら言った。
「そんな事まで知ってるのね。それで、どうするの殺すの?」
奈月も赤井を見ながら言った。赤井は、笑みを浮かべながら、
「殺すつもりはない。奴等がおまえが生きていること知ったら、必ず現れる。この病院に眠る餌も捜しにな。」
赤井は、そう言い病院の方を見た。
「なるほどね。キールが眠る場所は、此処ね。」
奈月は、腕を組ながらそう言った。
「戻るぞ。ジョディがまた、心配するぞ。それと、おまえのことをジェイムズ達にも話す。」
赤井は、そう言いながら病院の方へ歩き始めた。
「どうぞ…」
奈月は、そう言い赤井の後に付いて病院の中へ入って行った。












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