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黒い影
作:紅佐洲仮



第64話


「何!あの建物に向かった。どうして止めなかったんだね?」
ジェイムズが怒りながら哀に尋ねた。
「約束したからよ。」
「約束って何だね?」
「生きて…、生きて帰って来るって…。」
哀が真剣な目でジェイムズに言った。
「…………。」
ジェイムズは哀の言葉を聞いて、何も言わなかった。
「(大丈夫かの?新一君。)」
博士は、建物を見ながら心の中で心配した。



コナン、ジョディ、数名の捜査官は地下に続く階段を下りて、歩いていた。
「ちょっと薄暗いわね。」
ジョディは拳銃を構えて、慎重に歩いていた。
「幾つも部屋があるね。」
コナンは、腕時計型ライトで辺りを照らしながら歩いていた。地下の廊下には、幾つか部屋があった。
「何処まで続くのかしら?」
ジョディが辺りを見回しながら尋ねた。
「まだ続くみたいだね。」
コナンが笑顔でジョディに言った。


廃墟化した建物の周りが赤く染まり始めた。太陽も赤く染まり出した。
「そう簡単に帰って来ると思うの?」
奈月が哀に尋ねた。
「私は信じてるわ。工藤君が戻って来るって…。」
哀が奈月の方を見て言った。
「何時、どんな時に何が起こるか分からないわよ。」
「大丈夫じゃよ、奈月君。ジョディ先生達が居るんじゃから。」
博士が奈月に優しい言葉で言った。
「運命には、逆らえないのよ。絶対に…。」
奈月が真剣な顔で哀と博士の方を見て言った。



地下の廊下は、入り組んでいる。辺りが同じ風景で迷ってしまう。
「廃墟化した建物に、どうしてこんな複雑な地下があるのかしら?」
ジョディは、辺りの同じ風景を見て言った。
「隠れる為に作ったんじゃないかな。」
コナンがジョディの質問に答えた。
「まさか作ったのは…、彼等?」
「それは、分からないよ。」
コナンが首を振りながら言った。コナン達は、長い地下の廊下を歩き続けている。



「……………。」
ジェイムズは、無線機を見ながら黙っていた。
「まだ連絡ないの?」
奈月がジェイムズに近付いて尋ねた。
「ああ…。地下に潜入したって所から連絡が来てない。」
「……………。」
奈月は黙って、廃墟化した建物の方を見た。



赤井は、地下の幾つかある部屋に居た。
「此所も…、何もないか…。」
赤井は、部屋の中を見回しながら言った。
「…………。」
赤井は黙って、部屋から出た。部屋から出た途端、
秀一(シュウ)。」
ジョディ、コナン、数名の捜査官が赤井に近付いて来た。
「やっと来たのか。それに、ボウヤも居るのか。」
赤井がコナンの方を見て言った。
「この部屋に何かあったの?」
「何もなかった。」
赤井はそう言い、歩き出した。コナン、ジョディ、数名の捜査官も歩き出した。
「上は片付いたのか?」
赤井がジョディに尋ねた。
「ええ…。それで、ベルモット達は見つかったの?」
「いや、姿も見てない。」
赤井が冷静に言った。
数分位歩いていると、目の前に今までとは違う扉が現れた。
「此所だけ違う扉ね。」
ジョディが目の前の扉を見て言った。
「中に入るぞ。」
赤井は拳銃を構えて、ドアの取っ手に手を掛けて、扉を開けた。












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