第57話
コナン達は、黒の組織の手掛かりを見つける為に、研究施設の中を回っていた。
「新一君、こんなに探しても手掛かりなんて見つからんぞ。」
博士が歩き疲れながら言った。
「この施設、結構広いわね。」
哀が冷静に言った。
「次は、あの部屋に入るぞ。」
先頭を歩くコナンが目の前の部屋を指しながら言った。
コナン達は、部屋の中に入った。
「この部屋、本ばっかやな。」
平次が部屋の中を見回して言った。
「資料庫みたいね。」
奈月が本を見ながら言った。
「薬の事、実験の事…、研究に関する本ばかりだな。」
コナンが並べられた本を見ながら言った。
「結構な量ね。」
哀がさらりと言った。
「おい、工藤。ちょっと来てみ。」
平次がコナンを呼んだ。
「どうした、服部?」
コナンが平次に近付きながら尋ねた。
「此見てみ。」
平次がコナンに何かを渡した。
「研究に関するレポート?」
平次から渡されたのは、研究に関するレポートと書かれたファイルだった。コナンはそのファイルを開いてた。
「こ、これは!」
コナンはそのファイルを開いて、驚いた。
「どうしたの?」
哀がそう言い、近付いて来た。その後ろから、奈月と博士も近付いて来た。
「見ろよ、このファイル。」
コナンは、哀達にファイルを見せながら言った。
「APTX4869の研究…。」
哀は、そのファイルに書かれている事を読んだ。
「な、何じゃと!」
博士が驚きながら言った。
「このファイルは、APTX4869の研究経過を書こうとしてたんだ。」
「しかし、何でなんも書いてないんや?」
平次が腕を組みながら考えた。
「20年前にはまだ、出来なかったんじゃねぇのか。」
「そのファイル、次のページもあるみたいね。」奈月がコナンに言った。
「ああ…。そうみたいだな。」
「じゃあ、次のページに何かあるかもしれへんで。」
平次がコナンに言った。コナンは、ファイルの次のページをめくった。
「REVIVEの研究…。」
コナンがファイルを見ながら言った。
「REVIVEって、何や?」
平次がファイルを覗きながら言った。
「なぁ灰原、REVIVEって知ってるか?」
「さぁ、知らないわ。」
「阪井は、知ってるか?」
「知らないわね。」
奈月がさらりと言った。
「そうか…。」
コナンはそう言い、次のページをめくった。しかし、次のページからは何も書いてなかった。
「手掛かりは、見つからん様じゃな。」
博士がちょっと眠そうに言った。
「……………。」
コナンは黙って、ファイルを机の上に置いた。
「ん?」
コナンは、何かに気付いた様だ。ファイルの横に手帳が置かれていた。
「どうしたんや、工藤?」
平次がコナンに尋ねた。
「此を見つけてな。」
コナンは、平次に手帳を見せた。
「手帳みたいやな…、それ。」
「しかし、誰の手帳なんじゃ?」
博士がコナンに尋ねた。
「M・Aって、人だろ。」
「どうして分かるんじゃ?」
「手帳の下の方に書いてるだろ。」
コナンが手帳を博士に見せながら言った。
「本当じゃ、しかしM・Aって、誰じゃ?」
「多分、宮野厚司だと思うぜ。」
コナンが真剣な顔で言った。
「え?お父さんが…。」
哀が驚きながら言った。
「しかし、新一君。何故、宮野厚司なんじゃ?」
博士は疑問に思い、コナンに尋ねた。
「Mは、宮野のM。Aは、厚司のAだろ。」
「なるほどな…。」
平次が納得した様に言った。
「早くその手帳の中身、見てみよや。」
平次がコナンを急かした。コナンは、その手帳を開いた。
「この研究は、今までの中で難しい研究だ。」
コナンがその手帳を読み始めた。
「何ヵ月経っても、研究成果が見られない。このまま、失敗し続けるのか。」
「今日は、調子が良いみたいだ。もしかしたら、上手く行くかもしれない。」
「運命とは、残酷だ。研究は失敗し、その研究で事故が起こり、妻を亡くしてしまった。」
「研究事故により、研究所は閉鎖される事になった。もう、終わりだ…。」
「これ以上は書いてないようだ。」
コナンは、手帳を読み終わって言った。
「ちょっと待って、お父さんはお母さんと一緒に研究の事故で亡くなったんじゃ…。」
「いや、事実は違うみたいだな。研究の事故で亡くなったのは、お前の母親だけだ。」
「じゃあ、お父さんは?」
哀は、コナンに尋ねた。
「研究の事故では、亡くなってないな。」
コナンが手帳を元の場所に置きながら言った。
「宮野厚司は生きてるのかね?」
「それはまだ分からねぇけど…、もしかしたら、生きてるかもしれないな。」
コナンが笑みを浮かべて言った。その時…、
バァン…、
「うわあああああ…!」
研究施設の中で銃声と悲鳴が響いた。 |