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黒い影
作:紅佐洲仮



第55話


「博士、まだか?」
コナンは、家の中に居る博士に尋ねた。
「もうちょっと待ってくれ。」
家の中から博士の声が聞こえて来た。
「何時もの事ね。」
哀がさらりと言った。
「それより良いの?何も言わずに出かけても…、彼女心配為るわよ。」
哀がコナンに尋ねた。
「蘭には博士の家に泊まるって、後で言っておくから大丈夫だ。」
コナンは、哀に伝えた。
「しかし、まだ見つからねぇのか…。」
コナンが腕時計を見ながら言った。その時…、
「此所に居ったか、工藤。」
背後から誰からの声がした。
「(この声、まさか…。)」
コナンは、後ろを振り返った。
「は、服部。何でお前が此所に居るんだ?」
コナンは、何故平次が此所に居るか分からず尋ねた。
「あの姉ちゃんが、お前が此所に居るって言ってたから探しに来たんや。」
平次が笑顔でコナンに言った。
「そんな事聞いてるんじゃねぇ。何で、お前が東京に居るんだ?」
コナンは、少々怒りながら尋ねた。
「前に電話したやろ。今度、そっちに行くってな。」
「貴方、彼を呼んでたの?」
哀がコナンに近付いて尋ねた。
「連絡なしに来ると思ってなかったから…。」
「何や、ちっこい姉ちゃんも居ったんか。」
平次は哀に気付き、そう言った。
「やっと見つかったわい。」
博士と奈月が家から出て来た。
「よぉ、阿笠のじいさん。」
平次は、元気よく博士に言った。
「服部君じゃないか。どうして此所に居るんじゃ?」
博士が平次に尋ねた。
「工藤を探しに来たんや。」
「じゃあ、服部君も鳥取に行くのかね?」
「博士、何喋ってんだ。」
コナンが怒りながら言った。
「え?」
博士は、状況が掴めなかった。
「工藤、鳥取に何しに行くんや?」
平次がコナンに尋ねた。
「(こいつには、隠し切れないよな…。)」コナンが溜め息をしながら心の中で言った。



博士が運転する黄色いビートルにコナン、哀、奈月、平次が乗っていた。
「黒ずくめの組織の手掛かりが見つかったって、本当か工藤?」
平次は、驚きながらコナンに尋ねた。
「ああ…。」
「それで、鳥取に行くんか?」
「ああ…、そういう事だ。」
「ねぇ、そんな事より…、その人誰なの?」
奈月がコナンに尋ねた。
「こいつは、服部平次。俺と同じで探偵をやってるんだ。」
コナンが奈月に言った。
「…………。」
奈月は、黙って何も言わなかった。
「そういえば、あんた見た事ない奴やな…、じいさんの知り合いか?」
平次が奈月の方を見て、言った。
「いや、実はの…。」
博士が運転しながら言った。
「阪井も灰原と同じ奴等の仲間だったんだ。」
コナンが博士の代わりに、平次に伝えた。
「な、なんやて…。じゃあ、こいつも逃げて来たんか?」
平次は、驚きながらコナンに尋ねた。
「ああ…。それと、阪井もAPTX4869を飲まされて体が縮んだそうだ。」
「そうやったんか。」
平次は、納得した様に言った。黄色いビートルの目の前に、東京駅が見えて来た。



「遅過ぎる…。何処まで探しに行ったんや。」
和葉が苛々しながら言った。
「もう帰っても来ても良い時間なのにね。」
蘭が時計を見ながら言った。
「電話してみたら、和葉ちゃん?」
蘭が和葉に提案した。
「そうやな…。」
和葉はそう言い、ポケットから携帯を出した。



東京駅でコナン達は、電車が来るのを待っていた。その時、平次の携帯が鳴った。
「服部、携帯鳴ってるぜ。」
コナンが携帯の音に気付き、平次に言った。
「ああ…。誰からや?」
平次はポケットから携帯を出して、電話に出た。
「はい、もしもし。」[平次、あんた今何処に居てるん?]
「か、和葉。何か用か?」
[用ってな…、蘭ちゃん待ってるんやで…。]
和葉が少々怒りながら言った。
「ああ、すまん、すまん。今日、そっちに帰られへんわ。」
[は?帰られへんって、どういう事?]
「まぁ、事件みたいなもんや。ほな、和葉あの姉ちゃんに宜しくな。」
平次はそう言い、電話を切った。
「良いのかよ。彼女の事?」
コナンが心配して、平次に尋ねた。
「良いんや。それに、黒ずくめの組織の事が分かるかもしれへんのに、じっとしてられへんわ。」
平次が笑顔でコナンに言った。



「急に事件言うて、何考えてんや。」
和葉が文句を言った。
「コナン君も服部君と一緒に居るのかな。」
蘭が心配そうに言った。
「蘭ちゃん、平次なんかほっといて買い物行こう。」
「うん…。そうだね。」
蘭は、まだ心配している様だ。



電車を乗り継いで、何時間かして、やっと倉吉に着いた。
「倉吉に着いたわい。」
「新一君、此からどうするんじゃ?」
博士がコナンに尋ねた。
「駅からその研究施設まで、結構距離があるからレンタカー借りた方が良いな。」
コナンが地図を見ながら言った。
「じゃあ、早速借りにいこか。」
平次が元気な声で言った。


こんにちは、沙栖戒です。
平次、2回目の登場です。そして、奈月と平次が初めて出会いました。
これからもよろしくお願いします。











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