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黒い影
作:紅佐洲仮



第48話


「話って言うのはね…、これよ。」
澤井はポケットから拳銃を出して、奈月に拳銃を向けた。
「あ、貴方…、一体何者なの?」
奈月が冷静さを失いながら尋ねた。
「外に出て、話をしましょう。アイリス。」
澤井が不敵な笑みを浮かべて言った。



「あのガキ、博士の家に泊るのか?」
小五郎は、ご飯を食べながら言った。
「うん。何か急に、泊るって…。」
蘭は、テレビを見ながら言った。
「ガキは、自由で良いよな。」
小五郎がビールを飲みながら言った。
「お父さん、あんまりお酒飲み過ぎないでよ。」
蘭が小五郎に忠告した。
「分かってる、分かってる。」
小五郎は、新しいビールの缶に手を伸ばしながら言った。
「(本当に、分かってるのかな…。)」
蘭は、ご飯を食べながら思った。



車から降りると、冷たい風が拭いている。奈月は、真剣な目で澤井を見ている。
「まさか…、貴方が生きてるとは思わなかったわ。」
澤井は、拳銃を向けながら言った。
「私も、生きてるなんて思わなかったわ。」
奈月は、冷静に言った。
「あの場所から、どうやって逃げれたの?」
澤井が奈月に尋ねて来た。
「逃げる道があったから、逃げただけよ。」
「…まあ、良いわ。」
澤井は、笑みを浮かべて言った。その途端、冷たく強い風が奈月と澤井の間を吹き抜けた。



「ねぇ博士、あの子遅くない?」
哀は、テーブルに皿を置きながら言った。
「そうじゃの…、もう帰って来ても良い時間じゃが…。」
博士が時計を見ながら言った。
「電話してみましょう。」
哀が皿を置くのを止めて言った。
「そうじゃの…、心配じゃしな。」
博士は、心配そうに言った。哀は、受話器を取って電話をかけ始めた。



「車も無くなっているし、何処行ったのかしら?」
ジョディは、赤井と澤井を探す為に病院の駐車場に居た。
「携帯も連絡が着かないし…。」
ジョディは、携帯を見ながら言った。その時、ジョディの携帯が鳴った。
「誰からかしら?」
ジョディは、考えながら言った。
「はい、ジョディです。」
ジョディは電話に出て、電話相手に言った。
[ジョディ先生。]
「その声、哀ちゃんね。」
電話相手は、哀からだった。
[ジョディ先生、ちょっと聞きたい事があるの?]
「何、聞きたい事って?」
[あの子…、そっちに来てない?] 
「あの子?…奈月ちゃんの事?」
ジョディは、ちょっと考えながら尋ねた。
[ええ…。]
「今日は、奈月ちゃんは来てないわ。」
[え?本当、ジョディ先生?]
哀は、驚きながら尋ねた。
「え、ええ。彼女に何かあったの?」
ジョディは、哀の驚きに不審に思い尋ねた。
[実は今日、FBIがあの子に話があるから、杯戸中央病院に行ったのよ。]
「ちょっと待って、私はそんなこと知らないけど…。」
[嘘でしょ?じゃあ、どうして…。]
「ねぇ、哀ちゃん。それ、誰が言ってたの?」
ジョディは、怪しく感じ始めた。
[澤井美咲って人よ。]
「美咲さんが…。」
[ジョディ先生、何か嫌な予感が為るの…。]
「分かったわ。奈月ちゃんを見つけたら、連絡為るわ。」
[ええ、お願いするわ。]
哀はそう言い、電話を切った。
「どういう事かしら?」
ジョディは、何故澤井が嘘を言ったのか分からず考えながら言った。

 
「貴方があの病院に現れたのは、水無怜奈を暗殺為るため?」
奈月が澤井に尋ねた。
「そうよ。キールがCIAって分かってね、あの病院に行ったのよ。」
澤井は、冷たい笑みを浮かべて言った。
「そして、あの病院の屋上で貴方に会ったのよ。」
澤井は、続けて言った。
「スミス・ケイトを殺したのは組織?」
奈月は、更に澤井に尋ねた。
「そうよ。あの男は、私達の計画を邪魔したのよ。」
「計画って、何?」
「キールをFBIから、奪還する計画よ。あの男が、単独行動を取ったから殺したのよ。まあ、そのお陰でキールがCIAって分かったけど…。」
「…………。」
奈月は、黙って何も言わなかった。
「さあ、お話は終わり。貴方には、消えてもらうわ。」
澤井は不敵な笑みを浮かべながら、奈月に一歩ずつ近付き始めた。
「最後に…、貴方に聞きたい事があるの?」
澤井は歩くのを止めて、奈月に尋ねた。
「何、聞きたい事って?」
奈月は、動揺せずに尋ねた。
「どうして、組織を裏切ったの?」
澤井は、真剣な顔で尋ねた。
冷たい風が又、奈月と澤井の間を吹き抜けた。空には、三日月が顔を出し始めていた。


こんにちは、沙栖戒です。
やっと奈月のコードネームを明かす事が出来ました。
最初は、奈月のコードネームは明かさない様にしてたんですが…、組織の人間ならやっぱりコードネームは必要だと思い考えました。
アイリスは、カクテルの名前です。
セシリアは、勿論澤井美咲の事です。

また、これからもよろしくお願いします。











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