花盗人は罪にはなる!縦書き表示RDF


注・ホラーではありませんwなんかホラーっぽいあらすじだったので;
花盗人は罪にはなる!
作:蜂蜜@


「ばいばい〜!また明日ねー」

「馬鹿。明日は土曜でしょ」

 学校からの帰り道。

 私・・・森山誇亜もりやまこあ(14)は、分かれ道で友達と別れた。

 昔の私だったら友達と別れるのが嫌だったけど、今は結構嫌でもない。

 だって帰り道には楽しみがあるんだもの。

 軽い足どりで田んぼと田んぼの狭い道を歩く。すると和風の大きな家が見えてきた。

 生憎あいにくこの家が見えるのは屋根の瓦だけ。何故かというと大きな木とか植物とか花とかで埋め尽くされているから。入り口にはいかにも堅そうな鉄格子の門。その家をぐるりと曲がってみる。

 あ・あった。

 私の楽しみはこの薔薇を見る事。綺麗で鮮やかな真っ赤な薔薇。

 最初にこの薔薇を見つけたのは今まで友達と別れるのが嫌だった時の私。

 ある日田んぼと田んぼの細い道を通ると大きな家がある事に気づいたの。

 そして行ってみたら・・・・。

 この薔薇と出会ったのよ。まさに一目惚れって事かしら。

 毎日毎日見て、綺麗だなって思う。それで帰りが楽しくなっちゃたの。

 こんな薔薇.....見たことない。

 思わずうっとりと見続けた。

 真っ赤な絵の具をぽたりと落として色付いたような色。鮮やかに開かれた薔薇の花びら。茎には小さな棘。小さいけど触ったらとても痛そうな位尖ってる。

 

   


  欲しいな・・・・・。私の部屋に飾りたい。





 そう思い始めたのは部屋に帰ってきた時。

 ふと真っ赤な薔薇が見たくなった。
 
 けど、いちいち見に行くのは面倒めんどう

 それで思ってしまった。

 私の部屋にあったらいつでも見れるのにって。

 
 気づいたら外に出る準備をしてた。外は真っ暗。これ位真っ暗だと見つからないでしょ。

 私はお母さんに一言言って家から飛び出した。

 頭の中は薔薇の事で一杯。

 夢中になって走り出す。

 たったったったっ......

 静まり返った空間に響く足音。

 澄み切った空気。

 切り裂いた様な雲に隠れたまんまるのお月様。

 
                                        *

「んーっしょ!」気づかれない様に低い声。私は手を力一杯伸ばし、薔薇の茎に手を掛けた。

 もうすぐ・・・・。

 そのままもぎ取ろうとしたが、なかなかこれができない。

 強くて頑丈な茎。

 無理矢理私は力を入れて引っ張る。

「・・・・・っ!・・・・やったわ!」

 取れた。

 あんなに欲しかった薔薇が。

 嬉しくて涙が出そうになる。


 その時だった。

「・・・・・・・・・・・・オイ」

「・・・っひゃ!」

 肩を叩かれ軽い悲鳴を上げた。ぽとりと薔薇を落としてしまう。振り向くと、私より少し背の高い顔の整った黒髪の少年。そしてフレームの無い眼鏡。Tシャツに短パン。 

「お前・・・人の花に何している....」

 私は驚きのあまり口が開かない。どうしよう、どうしよう...。

 あ!花盗人はなぬすびと罪にならないって言うよね?・・・言ってみようかな。

花盗人はなぬすびとは罪にならないっていうじゃ無いか?」

「・・・・・・っ」

 今言おうとしていた言葉をサラッと言われ、私は言葉が出ない。そんな事もお構い無しに男は喋り続ける。

「勿論俺の大切な花を手折ったたからには、そちらの一番大事なモノ・・・そうだねぇ。モノは要らないからなんでも言う事聞いてもらおうか」

「なっ・・・・何よそれ!」私は思わず反発したが、男は聞いてくれない。冷ややかな目で私の瞳をじっと見つめた。

「我々業界の常識と言ってもいい。花盗人はそれなりの代償を払わなければならない」

「・・・・・・・」

「『ラプンフェル』や『美女と野獣』を呼んでみな。君の様な頭の悪い人間にもすぐ分かるよ」

「頭の悪い人間って何よっ!」

「本当は不法侵入で警察に着き出してもいいんだが」

「・・・・・・・う」

「謝罪の言葉をまだ聴いていない」

「...........すいませんでした。御免なさい.....もうしません」

「うむ」男は眼鏡のレンズの奥で満足そうに目を光らす。そしてうなだれている私と同じ目線になる感じにしゃがみ込んだ。私の目の前にそっと薔薇を差し出した。

「・・・・・・・・・・え?」驚きのあまり声があまり出ない。

「これは君のモノだ。大切にしてくれ」

 その時。

 無理矢理もぎ取られた薔薇が今まで萎れていた筈なのに、男の手に渡った途端にみるみるうちに生気を取り戻した。黒ぽかった薔薇が鮮やかな赤色になり、閉じかけていた赤い花びらがぱっと開いた。

「・・・・・・・いいの?貰っても。私、花泥棒はなどろぼうなのに・・・・」

「花を大事に思う気持ちは誰でも同じだ」

「でも・・・」

「ほら」

 私は、目の前のこの世のモノとは思えない程綺麗な薔薇をそっと手に取る。

 薔薇は私の手の中で輝き続けた。

「・・・・・有り難う」

「さぁお帰り」

 キィ、と鉄格子の門がゆっくりと開いた。その前でにこりと微笑む男はまるで女神の様に見えた。

 顔が真っ赤になってきて、この顔を見られたくなかったからそのまま私は駆け出してしまった。

 どくん

 どくんどくん

 どうしちゃったんだろ、私。

 


もしかしたら続編あるかもないかも....連載とかまだまだ溜まってるんで、時間のある時にですが^^: 頑張ります!(多分(ぇ;













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